消えた種族がいるらしい。
ラース君とヴィが帰り、淋しくなった宮殿。
交遊会の事件も一応解決したみたいだし、マーリエも宮殿に遊びにこられるようになったはず。
そう思って、模様替えしたお部屋のお披露目も兼ねて、ダオとマーリエを招待しようかなと考えていたのに……。
「それでは、カーナお嬢様。くれぐれも夜更かしをされないように。徹夜など以ての外ですから」
パウルが見送りにきてくれたお姉ちゃんにしつこく釘を刺す。
「本当にパウルは心配性ね。わたくしは大丈夫よ。パウルの方こそ、しっかりネマを守ってちょうだい」
興味深い研究素材を見つけ、実験に夢中になって睡眠時間を削っている姿を見れば、パウルの心配ももっともだ。
それに、お姉ちゃんは実験を失敗して屋敷の部屋を黒焦げにした前科持ちでもある。
鬼のいぬ間にと、何かやらかしそうと疑われても仕方がないと思う。
「シェル、スピカ。カーナお嬢様が休まないときは実力行使してください」
そう。今日は、交遊会の前に約束していた陛下とお出かけの日だ。
ロスラン計画の建設地に急ぎたいということで、移動手段がユーシェとワイバーンのみで編成されたお空の旅となる。
竜種は捕食者の頂点なので、獣人や小型の魔物たちは恐怖が勝って近づけないため、スピカの代わりにパウルが同行することになったのだ。
そして、星伍と陸星を私が抱えてユーシェに乗り、海が稲穂入りショルダーバッグを担当する。
「サチェは?一緒じゃないの?」
ユーシェがいるならサチェもいると思ったのか、海はサチェの姿を探している。
「ユーシェが行くからサチェはお留守番なの。帰ってきたら、サチェと遊ぼうね」
サチェがいないとわかり、しょんぼりする海を慰めていると地面からカイディーテが現れた。
私はお見送りにきてくれたのかなと思い、海も期待した目で周囲を見回すがサチェの姿はない。
カイディーテはユーシェとお話しているようなので、お見送りではなく用事があって来たみたい。
聖獣同士でのお話が終わったのか、ユーシェが陛下に向かって一鳴きする。陛下はユーシェを撫でてからカイディーテに声をかけた。
「では、カイディーテ頼んだよ」
――ガウ。
カイディーテに留守の間の護りをお願いしたのだろう。陛下がこうやってほいほいお出かけできるのも、複数の聖獣がいるおかげだし。
出発準備が整い、なぜか陛下によってユーシェの上に乗せられると、パウルから星伍と陸星を渡される。
「ネフェルティマ嬢を乗せられるから、ユーシェもご機嫌だね」
ユーシェの尻尾は左右に揺れ、耳も小刻みに動き、鼻息も荒いことから、鼻歌でも歌っているのかもしれない。
ユーシェがご機嫌だと、陛下もご機嫌で、私を乗せるからとわざわざ鞍も新調したんだよと嬉しそうに言ってくる。
みんなで元気よく出発すると、陛下はいろいろな話を聞かせてくれた。
ルイさんがダオくらいの年齢のときに、女装して帝都をお忍びしていた話には、つい笑ってしまったほどだ。
陛下の話術もあるけど、ルイさん、そんなときから変装が得意だったと思うと我慢できなくて。
面白くて、他にもルイさんの話をねだったら、環境のせいもあったんだろうけど聖獣にべったりくっついていたらしい。
サチェはよくルイさんを背中に乗せていたそうだが、カイディーテは軽くあしらっていたそう。それでもめげずにカイディーテに突っ込んでいくルイさんは大層可愛かったって。
「なんとうらやましい生活!」
私がルイさんを羨ましがると、陛下に笑われた。
「ネフェルティマ嬢も似たようなものだよ」
私からしてみれば、全然違うけどね!
ルイさんは聖獣の契約者が家族だから毎日会える環境だけど、私の場合はソルは北の山脈暮らしだし、ラース君はヴィの都合が合わなければ会えない。
王宮に遊びにいっても、ヴィが学院に行っていたらラース君もいないし。
あんなにもふもふしたいってお願いしたのに、体の大きなソルと出会ったのは、神様の陰謀だと思う。
うちのお屋敷に入るサイズだと、私が引き篭もって出てこなくなるとでも考えたのだろう。初対面で、そこまで勘違いするとは……酷い神様もいたもんだ。
「そういえば、ロスラン計画で何かあったのですか?」
「あぁ。あったと言うか、見つけたと言うか……。とにかく、一筋縄ではいかなそうだ」
はっきりとしない物言いから、陛下もその状況に困惑していることが窺い知れる。
それに、言えない事情みたいなのがありそうなので、それ以上聞くのはやめた。
もうすぐロスラン計画の拠点が見えてくると言うので、下を凝視していたら、山道の中に町のようなものが見えてきた。
確実に前回来たときよりも広くなっているね。
その拠点の近くに、ぽっかり空いた何もない土地があって、みんなそこに降り立つ。
なんの用途の土地なのか質問すると、今は資材置き場として使っていて、後々馬車の駐車場にするんだとか。
資材置き場と言われれば、なるほど。確かに木材が隅っこに置いてあった。
拠点の広場だった場所に向かうと、責任者であろう偉い人たちがずらりと並んでお出迎えしてくれた。
陛下が楽にしろと声をかけると、真ん中にいた人が歩み出てきた。
「陛下、お待ちしておりました」
おや、誰かと思ったらクレイさんではないか。
「クレイ、ご苦労だった。その後、様子に変わりはないか?」
「はい、ご報告した以降はまるで。できる限り手を尽くしたのですが……申し訳ございません」
うーん。先にクレイさんを送り込んだけど、状況は改善しなかったってことかな?
説明されていないので、まったく話が見えない。
「では、私とネフェルティマ嬢で森に向かう。クレイはこのまま、こちらで待機せよ」
クレイさんの『はっ!』ていう返事は格好いいんだけど、森ぃぃ??
森の中に入ることは端から決まっていたのか、私の後ろでは警衛隊の隊員たちが手際よく準備を進めている。
「お嬢様の分の荷物は我々が運びます」
パウル、お前も知っていたのか!?
ぐりんっと首を回して後ろを見やれば、数人分の荷物の山を受け取っていた。
「カイ、載せるので、姿を変えてください」
「……その前に、お腹空いた」
そうだよね。長距離飛んだら、お腹も空くよね。
ふらふらとこちらにやってくる海を、私の方からぎゅーっとハグをする。
はぁぁぁ。同じシャンプー使っているのに、なんで私の髪は海みたいなツヤサラにならないんだ?
海のサラサラヘヤーを何度も梳き、髪の毛が指の隙間からこぼれる感触を楽しむ。
海は私のもふもふ欲をモリモリ食べているはずだけど、やっぱり私にはなんの変化もない。
「カイ、時間切れです。足りなければハクからもらいなさい」
いつもより長めにくっついていたら、パウルが海の首根っこを捕まえて引き剥がした。
まだ満足していないのか、海は珍しくしかめっ面をしているけど、パウルの言うことを聞いて馬の姿になった。
すると、ぴょーんっと白が海の頭に乗り、みゅっと一鳴き。どうやら、いっぱい召し上がれって言いたいようだ。
海も尻尾を揺らしてお礼を言う。
ふむふむ。仲良きことは美しきかな。
「白、ありがとう。海も大変だけどお願いね」
いい子いい子と白と海を撫でれば、白は照れたのかプルプルと震え始めた。
指でツンツンすると一段階激しく震えたので、調子に乗ってツンツンツンと三回突いてみる。
すると、ブブブブブッとさらに激しく震えたではないか!
マナーモードのスマホの上にゼリーを落としたら、こんなふうになるんだろうなっていう動きだ。つい、お見事!と拍手してしまう。
次は、一度だけツンとしてみると、最初のプルプルに戻った。
「ネマお嬢様、遊んでいないで行きますよ」
いつの間にか海の背中に荷物が括りつけられており、載せきれなかったものは森鬼が背負っていた。
そして、パウルの目配せを受けた森鬼がこちらにやってきて、私を抱きかかえる。
あ、私も荷物なんだね……。って思っちゃうでしょーが!
たぶん、大人の歩調についていくのは大変だからって理由のはず。
森に入るのは、私たちと陛下、陛下の警衛隊六名だけだった。
ワイバーンと騎手の隊員がお留守番なのはわかるけど、一国の主をこんな少数で出歩かせていいのだろうか?
まぁ、陛下自身がとても強いので、護衛なんぞいらんって言ったのかもしれないけどさ。
以前見た、大きな剣を背負っているので、敵襲があったら嬉々として振り回しそう。
木漏れ日が届かなくなりだし、少し薄暗くなってきた辺りで陛下が足を止める。
「カイディーテ」
こんな所でカイディーテの名前を呼んだことに首を傾げていたら、陛下の足下からカイディーテが出てきた。
地中から浮かび上がるように、音もなくスーッと。
「ここからはカイディーテの案内で進もう」
「カイディーテはどこに案内してくれるのですか?」
そもそも、カイディーテはお留守番ではなかったのか?まさかの現地集合?
「あぁ、説明できなくて悪かったね。少しばかり、聞かれたくない内容が含まれているのだよ」
人が多い場所では口にできないから、このメンバーだけになるのを待っていたのか。それなら仕方ないね。
話がしやすいようにと、陛下は私をユーシェに乗せて自身も後ろに跨った。
「少し前から、塔に使うサンテートが盗まれることが続いた。捜査しても犯人はわからず、警備を厳重にしてもいつの間にか盗まれる」
「エルフが調べてもわからなかったのですか?」
精霊たちなら盗みの現場を面白半分で見学していそうだけど?
「最初の捜査にエルフを加えていなかった。その後、捜査班の者を派遣したら、エルフの者はその内容を告げることはできないと言ってきた」
精霊によって犯人はわかったけど、エルフだから言えないって……犯人もエルフだったってこと?
その疑問を陛下に投げかけると、あっさり否定されてしまった。
「四季ほど前、大陸全土が争いをしていたことは覚えているね?」
ラーシア大陸の歴史の中でも、一、二位を争う歴史的転換点だ。我がガシェ王国の歴史を語る上でも外せないので、今まで何度も耳にしている。
それに、先日出会ったエルフの森のお姉さんから聞いたお話も、その時代のものだ。
「はい」
「長きにわたる争いに嫌気が差し、姿を消した種族がいた」
「……もしかして、ドワーフ?」
「そう。ドワーフ族は物作りに長けている。ほとんどの国が、ドワーフ族に多く武器を作るよう依頼したそうだ」
それがどんどんエスカレートしていき、より多くの人を殺せるものを作れと言われるようになり、ドワーフはある日忽然と消えた。
住処を人間が立ち入れないような辺境に移したとか、大陸中を放浪しているとか、いろいろな説があるらしい。
陛下が言うには、ドワーフ族が姿を消すのにエルフ族も手を貸したので、彼らがどこにいるのかを言えないのだろうと。
つまり、資材のサンテートを盗んだのはドワーフ族というのが陛下の考えなんだね。
「じゃあ、カイディーテはドワーフがいる場所に案内してくれているってことですか?」
「そうだよ。ドワーフ族は火と土の魔法を操る。土の魔法が使われていたら、カイディーテはすぐわかるから。それに、聖獣がなすことに文句を言える種族はいないだろう?」
なるほど。エルフは種族間の決め事で教えることはできないし、人間が探ればドワーフが怒って会うこともできなくなるかもしれない。
「精霊さんも教えてくれないの?」
「ドワーフ族も精霊を見ることはできないんだよ。ユーシェを伴った私が精霊から教えてもらったと言えば信じるかもしれないが、それを証明できない」
聖獣の契約者は嘘をつけない……とかもないので、確かに嘘でない証明はできないね。
「でも、ユーシェも聖獣……」
「私の聖獣だから、基本、私が望むことに否は言わないだろう?」
うーん、上手く理解はできないけど、ドワーフを刺激しない方法がカイディーテだったっていうことでいいのかな?
「じゃあ、ドワーフはずっとこの森にかくれていたのかな?森を拓いたから怒っちゃった?」
ロスラン計画の場所を決める前からドワーフが森にいたとしたら、建設反対運動的な感じで資材を盗んだということも考えられる。
「私の大伯父から聞いた話だと、ドワーフ族はいくつかの集団を作って、移動しながら生活をしているらしい」
陛下の言う大伯父さんとは、先々代皇帝のお兄さんで人間でありながら獣人とも対等に肉弾戦ができるほどお強く軍部の総帥を務めていたんだって。
陛下の背負っている大剣はその大伯父さんが愛用していたもので、総帥を引退したときに譲り受けたそうだ。
その大伯父さんがなぜドワーフのことを知っていたかと言うと、大剣を作ったのがドワーフで、密かに交流を持っていたとか。
「その剣を作ったドワーフがいるかもしれない?」
「それはわからないが、もし、この剣を作ったドワーフ族なら私からもお礼を言いたくてね」
なんでも、人間の鍛冶職人が鍛えたものよりも魔力の伝わりが格段に優れていて、なおかつ、特級の火魔法をぶった切れるほど頑丈で、見た目に反して軽い。まさに、水の聖獣と契約した者のためにある剣だと、陛下は熱く語る。
道中も陛下はドワーフにまつわるお話をたくさん聞かせてくれた。
宮殿の地下にある皇室宝庫には、いくつかドワーフ族が作ったとされる武器や装飾品が厳重に保管されていて、魔道具でないのに魔法に似た力が宿っているという逸話があるとか。
その力についても研究がされているけど、今の魔法とは系統が違うので、便宜上『古代魔法』と呼ばれているそうだ。
地球で言うところのオーパーツみたいなもののようで、ぜひとも見てみたい!
「ネフェルティマ嬢の好奇心を刺激してしまったようだが、何が起こるかわからないから見せることはできないよ」
神様の力に反応する可能性もなきにしもあらずってことで、聖獣の契約者は近寄ることも禁止されているのだと言われた。
「むぅぅ……」
物凄くがっかりだけど、ドワーフと仲良くなれればワンチャンあるのでは?
神様の力と関係なければ見るぶんには問題ないはずだし。
「何を考えているのか手に取るように伝わってくるけど、ドワーフ族は長命ではないから技術や伝承がすでに廃れている可能性もある」
……なぜ背後にいて私の思考が読まれているのだろうか?
ひょっとして、精霊がこんな表情しているよと教えていたりする?
それはやめていただきたいんですけど!
「主はわかりやすいからな」
「心を許すとすぐ取り繕わなくなるのは直していただきたいですね」
森鬼とパウルよ。がっつり聞こえてるからね!
まぁ、聞こえないよう小さな声で話しても精霊たちが面白がって声を届けてくれるから、結局聞こえちゃうんだけどさ。
◆◆◆
一日中歩いてもドワーフのもとには着かなかったので、森で野宿することになった。
――グルルゥ。
ぽっかりと木が生えていない場所に、カイディーテが大きな体を地面に擦りつけるようにゴロゴロすると……あら不思議。
でこぼこしていた地面は真っ平らになり、転がっていた小さな石まで消えてしまった。
さらにカイディーテは、よく育った木と木の間をおみ足でタシタシ叩くと、ザーッと激しい葉擦れの音がしたあとに、こんもりと落ち葉の山ができあがっていた。
「ネフェルティマ嬢の寝床だそうだ」
落ち葉の山をカイディーテは前脚で均すと、自らもぼふっと寝転がる。
私は早速、落ち葉の上をゴロゴロ転がると、カイディーテのお腹にぶつかった。
カイディーテが整えてくれたおかげか地面の硬さも感じられず、葉っぱがガサガサ音を立てるのが面白い。
「お嬢様、寝るのは食事をしてからですよ」
夕食にはちょっと早いけど、準備に時間かかるからねーっと思っていたら、すでに魔法でかまどが作られており、火も熾されていて、やかんのようなものでお湯まで沸かしていた。
このかまどでどんな料理を作るのかワクワクしていたら、連絡用の転移魔法陣を取り出し、何やら紙を送る。
ご飯の前に、宮殿か拠点にいる誰かに報告かと、転移魔法陣が発動するのを眺めていた。
すると、すぐにお返事が来たのか、転移魔法陣が淡く光ると……お皿が出現した!
警衛隊の隊員がお皿をどかすとまたお皿が……。
お肉と野菜が挟んであるパラスがこんもり盛られたお皿が三皿、唐揚げもどきが山盛りのお皿が二皿、蓋がされた鍋みたいなのが一つ、籠に盛られた果物と次々と現れた。
それを見て、野宿の楽しみである野外調理は行われないと気づき、とてもがっかりだよ。
「少人数の場合、食事を転移魔法で運んだ方が荷物を減らせるからね」
私のがっかりした表情を見て、陛下が理由を教えてくれて納得した。
荷物が少ない方が楽だし、携帯食だと食事したって気にならないもんね。
パウルから渡された温かい濡れタオルで両手と顔を拭き、さっぱりしたところでパウルにお願いしてパラスを小皿に取り分けてもらう。
蓋がついたお鍋は私と陛下の前に置かれ、中身は蒸した野菜だった。
三人の隊員は見張りのため食事はあとになってしまったけど、いつもと違う食事はやっぱり楽しい。
「ネフェルティマ嬢、ちゃんと野菜もお食べ」
先ほどから唐揚げもどきばかりをもぐもぐしていたせいか、陛下がフォークに刺した野菜を私の口元に持ってきた。
私は遠慮なくパクリと食らいついた横で、パウルの目が鋭さを増したのは気のせいだろう。
ところで、陛下がくれた野菜はかぼちゃもどきで私も大好きなんだけど、味はじゃがいもなんだよね。
分類は野菜でいいのかと考えて早数年。答えはいまだ出ていない。
食事が終わると、私だけ用意されていた寝間着に着替えて、歯を磨いて、寝袋に入る。
そして、カイディーテに寝袋ごと咥えられて運ばれると、子猫のようにお腹へ納められた。
ふむ。この体勢、カイディーテのおっぱいを探せるのではなかろうか?カイディーテ、雄だけど……。
おや?寝袋使っているの私だけ??
キョロキョロと周りを見回せば、陛下ですらユーシェに寄りかかって寝るようだし、先に仮眠を取る隊員たちもみんな木に背を預けている。
それに、魔物っ子たちは私と一緒にカイディーテの側にいるのに、海の姿がない。
「あれ、海は?」
「あそこだ」
森鬼がクイッと顎で示した先は上の方。そちらを見ると、なぜかハンモックがぶら下がっているではないか!
しかもあのハンモック、森鬼のお気に入りのやつでは?
森で野宿するからってハンモックを持参したけど、海に譲っちゃったのかな?
「森鬼のお気に入りなのにいいの?」
「珍しく頑張っていたからな」
海が馬バージョンで荷物運びをしていたから、森鬼なりに労ってあげたようだ。ほんと下の子には優しいよねぇ。
「じゃあ、森鬼もこっちでいっしょに寝よう!みんな、森鬼の場所を作ってあげて」
すると、星伍と陸星は立ち上がって森鬼のもとへ行くと、こっちだよとズボンを咥えて引っ張り、稲穂は場所を空けるためか私の寝袋に侵入してきた。
寝袋は余裕があるからいいけど、私のお腹の上で動かれると苦しい。
落ち葉の上に森鬼が仰向けに寝転がると、星伍と陸星は森鬼の脇の部分に入り、胸に頭を置いて枕にしてしまう。
さらに、木の上にいたノックスまで降りてきて、森鬼のお腹の上にリラックスモードで毛繕いを始める。
こうなると、寝返り打てないけど大丈夫かな?
もうちょっとカイディーテのお腹もふもふを堪能していたかったけど、稲穂の尻尾が温かくて目が開かなくなってきた。
カイディーテとみんなにお休みの挨拶をして目蓋を閉じる。
あっ……カイディーテのおっぱい探してない!
聖獣におっぱいはあるのか!?




