手に負えない兄弟たち。
魔女っ子ごっこでメンタルを削られた私は、癒やしを求める旅に出た。
と言っても、宮殿内でだけど。
それに、今は各所からの返答待ちの時間なんだよね。
陛下の答えに、我が家の答え。そして、フィリップおじさんたちの答え。
陛下とパパンからは反対されると思ってはいるけど、お姉ちゃんという心強い味方もいるからなんとかなるんじゃないかなぁってちょっとだけ楽観視している。
お姉ちゃんに、フィリップおじさんたちが承諾してくれたら、私もついていくねと言ったらあっさりと宣言した。
「わたくしも一緒に行くわ」
私の姉だけに、止めて聞くような性格ではない。なので、説得すること自体諦めた。
パウルはなんとか私たちを止めようとしたけど、まぁ無理だったね。
一応はアニレーとトマを探しにいく前提で準備を進めてくれているみたいだが、パパンの説得ができなければ諦めることを約束させられている。
さて、何して遊ぼうかなぁと目的もなく歩いていると、あまり会いたくない人物を発見してしまった。
しかし、彼がいるということは、ダオもいるということで……。
ん?一緒にいるのはテオさん?
「ネマッ!」
ダオが笑顔で手を振ってくれた。
かわえぇなぁ。
テオさんにもおいでおいでと、手招きをされたので、彼らのもとへ向かう。
「みな様、ごきげんうるわしゅう」
簡単な礼を取ると、テオさんに頭をポンポンと叩かれる。
なんか、労われてる?
「叔父上の相手は大変だったろう?」
あぁ、ルイさんと一緒にエルフの森に行ったことを知っていたのか。
大変というほどではないが、最後の魔女っ子ステッキがなければ本当によかったんだけど。
「そんなことありませんでしたよ」
約束通りちゃんと守ってもらえたし、アッパも食べることができたのも、ルイさんのおかげだから、悪くは言えない。
「今日は何か予定でもあったのですか?」
テオさんがダオと一緒にいるのが珍しいので聞いてみたら、ダオによって否定された。
「テオ兄上が剣の稽古をされるから、ご一緒できないかお願いしていたところなんだ」
軍人さんたちの訓練は見たけど、皇族の方々のは見ていないなぁ。
陛下の腕前は凄かったけど、テオさんたちも凄いのかな?
「私も見たい!」
同行していいかと、テオさんにお伺いを立てる。
「わかった。ついてこい」
許しをもらい、ダオとよかったねと微笑み合った。
テオさんのあとをついていくと、警衛隊の訓練場でやるようだ。
私は見ているだけなので、見学者用に設置してある席からダオを見守ることにする。
「ダオから声をかけてくるとは思わなかった」
「……ネマに教わったんです。家族には甘えていいのだと」
「そうだな」
また一つ、ダオは成長したね。
兄姉に歩み寄ろうと頑張っているダオの姿に、ついニヨニヨしてしまう。
それに比べてテオさんは、いつもの無表情が少し硬い気がする。
ダオにはよそよそしかったのは、歳が離れていてどう接していいのかわからなかったとか?
稽古を始める前に、テオさんとこの警衛隊員が小さな剣を持ってきた。
「私が幼い頃に使っていたものだ。ダオにやる」
「いいのですか?」
「あぁ。刃は潰してあるとは言え、玩具ではないからな」
「はい!ありがとうございます」
ダオに尻尾があったら凄い勢いでブンブン振っているんだろうなぁと、変なことを考えてしまうくらい、ダオの笑顔は輝いていた。
上の兄弟からのお下がりって、相手が大切にしていたものほど嬉しいよね。
各家庭で違うだろうけど、前世の私は学校で使う物をお下がりされるのが嫌だった。
小学校のときの、習字道具や裁縫道具、自分で可愛いの選びたいよね!
まぁ、何個も同じものがあっても困るっていう母親の言い分もわかるけどさ。
なんの変哲もない赤の習字道具は姉の名前入りで、なんの面白みもない二段式の裁縫道具は兄の名前入りのを渡されたときの虚しさよ。
思い出すだけでも泣けてくるわ!
「テオヴァール殿下、失礼ですが、ダオルーグ殿下にはまだ早いのではないでしょうか?」
前世を思い出していると、ダオの隊長さんがテオさんに物申していた。
本当に過保護だねぇ。
「早くて何か悪いことがあるのか?」
「怪我をするおそれがございます」
ダオの隊長さんの言葉に、テオさんは無表情で首を傾げている。
本気で、隊長さんが言っている意味を理解していないんだな。
「それがどうした?」
「レクスはダオルーグ殿下の身を案じているのです。幼い子供に剣を与えるのは、それだけ危険がともないますから」
テオさんの隊長さんがそれとなく両者の間を取り持とうと、ダオの隊長さんが伝えたかったことをテオさんにもわかるように言い換えている。
「剣を極めようという者が、怪我を恐れていては何も始まらないだろう。幼いからというのは理由になるのか?私はダオよりも幼い頃から、それを振り回していたぞ」
テオさんがいっぱいしゃべっていることに驚きなんだけど!
しかも、面倒臭がらずに、ダオの味方をしてくれている。
「それは、テオヴァール殿下には才能がおありでしたので……」
ダオの隊長さんの言い分を、テオさんは鼻で笑った。
無表情だと、怒っているのか呆れているのかわからなくて、余計に恐ろしい。
「才能は言い訳にならない。私たちは皇族だ。常に望まれる以上の才覚を求められるのだからな」
テオさんの周りの大人たちは、甘やかすことなく接してきたのだろう。
それは他の弟妹も一緒だ。
ただ、ダオだけが違っていた。
「ダオが何を学び、何をなすかは自身が決めること。お前たちが決めるのは傲慢だろう」
テオさんがきっぱり言ってくれたから、なんだか私の気持ちもすっきりした。
さすがに第一皇子にこれ以上楯突く気はないのか、ダオの隊長さんは頭を下げて引き下がった。
テオさんはいまだ手に持っていた子供用の剣を空中に放り投げ、クルクルと回転させると刃の部分を掴んだ。
ほらっと柄の方をダオに差し出す。
「テオ兄上みたいに強くなれるよう頑張ります!」
恭しく受け取り、そう宣言するダオ。
「では、始める」
そして、その剣を使い、テオさんと稽古を始めた。
稽古と言っても、ひたすらダオがテオさんに斬りかかり、テオさんはそれをいなしていくだけだけど。
「もっと踏み込め!」
「はいっ!」
重たい剣をなんとか操っているダオに、テオさんは容赦しなかった。
それがテオさんの流儀だろうが、見ているこちらはハラハラしっぱなしだ。
あぁ!またダオが吹き飛ばされた!
「すぐに立て。敵は待ってくれない」
「はいっ!」
痛みに顔を歪めながらも、ダオはすぐに立ち上がった。
男子三日会わざれば刮目してみよという言葉があるが、本当にその通りだな。
あの穏やかだったダオが、必死に戦っているんだから。
大きな声を出したら邪魔になるかもしれないので、心の中でダオを応援していたら、背後に人の気配がした。
「あら、珍しいこともあるのね」
振り返ればエリザさんだった。
今日もお美しいですねー。
「エリザ様、ごきげんうるわしゅう」
「ネマ様もね。いろいろな噂がわたくしのところまで届いていてよ」
え、噂ってなんだろう?
聞きたいけど、怖くて聞けない。
「それにしても、テオ兄上がダオの相手をするなんて思わなかったわ」
うん、私も思わなかったよ。
しばらくはエリザさんと一緒に、二人の稽古風景を眺めていたんだけど、そろそろいいわよねと呟いて、エリザさんは立ち上がった。
「テオ兄上、わたくしの相手もしてくださるわよね?」
えっ!?エリザさんも剣を持つの?
護身術的なものかもしれないけど、その格好で、今からテオさんとやり合うって無理がないか?
まぁ、本人たちはやる気満々のようなので、私は大人しく見ていることにする。
「ダオは近くで見ていろ」
そう言うやいなや、テオさんは剣を構える。
エリザさんは剣を持たないまま、テオさんを不敵に見つめる。
どうするのかと見ていたら、服の隙間から短剣を取り出した。
女性ならそうなるよねと思った瞬間、短剣が伸びた。
魔法かな?
陛下が使っていた、剣に氷をまとわせるようなやつ。
ただ、氷の刃だとしたら、強度はどうなんだろうね?
キィンという高い音がして、いつの間にかテオさんとエリザさんの剣が交わっていた。
エリザさんはすぐにいなし、軽やかなステップで間合いを取る。
テオさんは間髪をいれずに踏み込むも、上手く躱されてしまった。
エリザさんの動きは独特というか、ダンスを踊っているようにも見えた。
そして、エリザさんは自分から攻撃を仕かけることが少なく、それなのにテオさんの攻撃は届くことがない。
皇女に相応しいドレスを着ていて、あれだけ身軽に動けるということは、それだけの実力の持ち主なのか。
かなり長い時間やり合っていたように思えるが、実際はそうでもないかも。
お二人とも、息を乱していないし。
「エリザの戦い方はひたすら躱し続ける」
「敵が一人、二人なら、わたくしでもどうにかできるけれど、大勢の場合はとにかく時間を稼ぐことが大切なのよ」
なるほど。
警衛隊の人たちが敵を倒し、ある程度安全が確保されるまで、自分で自分を守るというわけか。
「ダオも、自分にあった戦い方を身につけるといい」
ダオは男の子だから、これから力も体力もついていくだろう。
それが足りなかったら、エリザさんのように別のことを伸ばせばいいというのを、テオさんは教えてくれているんだね。
そういえば、テオさんの攻撃を受けても、氷の剣は砕けなかったなぁ。
別の魔法が重ねがけされているとか?
……火の魔法でも同じことができるかなぁ。
炎の剣なら、夜でも明るくなるだろうし、何より、ライ●セーバーごっこができる!
そう!光る剣でのチャンバラ、憧れるよねぇぇぇ!!
魔女っ子ステッキがあるのなら、光る剣も作れると思う。
これは、お姉ちゃんにお願いするしかない!
光る剣に夢を馳せていたら、再び背後に人の気配を感じた。
「いたいた……って、兄上とエリザ!?」
素っ頓狂な声を出したのは、クレイさんだった。
変な声が出てしまうくらい、驚愕したってことか。
「なんで兄上とエリザがダオの相手を?はっ、ダオに何か言いがかりをつけているのか!」
「落ち着いてください」
お二人があらぬ誤解を受けてそうなので、まずは落ち着かせることにする。
そして、ダオからテオさんに稽古をお願いし、そこにたまたまエリザさんがやって来たと説明すると、またもや驚いていた。
「ダオが、自分から兄上に!?」
消極的だったときの印象が強かったのか、感動して言葉を失っている。
「ダオが持っているのは、兄上の……」
「テオさんのお下がりみたい」
「昔、私が欲しいって言ったときは、絶対に嫌だと言われた。それくらい、兄上が大切にしていたものなんだ」
クレイさんにあげなかったものをダオにはあげた。
それは、テオさんなりの愛情表現なのかもしれない。……わかりにくいけど。
「ダオが自ら動いたから、テオ様も応えてくれたのですね」
美談にまとめようとしたのに、クレイさんは首を振る。
兄上のことだから、エリザさんと組んで何か企んでいるに違いないって。
テオさん、弟から信用されてないぞ!
「ダオッ!」
私が制止する間もなく、クレイさんがダオの側に駆け寄り、お二人から庇うように立つ。
せっかく楽しそうに話していたのに。
でも、兄弟が揃っているのを見るのは、宴以来じゃないか?
アイセさんがいれば全員集合なのになぁ。
アイセさん、どこに行っているんだろう?
クレイさんが一方的にテオさんを責め立てているみたいだけど、エリザさんは呆れ顔で、ダオは慌てた様子でクレイさんを宥めている。
「クレイ様、誰かをお探しだったのでしょう?お時間は大丈夫なのですか?」
私も援護すべく、クレイさんに問いかけた。
ようやく目的を思い出したのか、ダオを引っ張りながら私のところへ戻ってくる。
「ネマ、陛下が呼んでいるので、一緒に来て欲しい」
「それは真っ先に伝えるべきです!」
いくら仲良くしてもらっているとはいえ、相手はこの国の最高権力者だぞ!
早く行くぞとクレイさんの手を取れば、多少なら待たせても問題ないと言う。
陛下のお人柄もあるかもしれないけど、問題なくはない!
「テオ様、エリザ様、お先に失礼いたします」
ここを離れることを伝えると、お二人は互いに顔を見合い、そしてこちらに向かってくるではないか。
「わたくしたちもご一緒します」
にっこり笑うエリザさんに対して、クレイさんが一言。
「二人のことは呼んでいなかったぞ」
「問題ない」
まったく意に介さないテオさん。
関わると厄介だけど、見ているだけなら面白い兄弟だよねぇ。
結局、皇子と皇女に囲まれて、陛下がいるという、あの皇族専用の憩いの部屋に向かった。
部屋に入ると、陛下だけでなく、マーリエ父とルイさんもいた。
「……お前たちが揃っているのは珍しいな」
父親が兄弟揃っていることに驚くってよっぽどだな。
「偶然です」
「偶然ですわ」
テオさんとエリザさんの声が揃った。
それを聞いてルイさんが笑っている。
「仲良くなったようだね」
「とりあえず、皆座りなさい」
陛下に促されて、それぞれ好きな位置に座った。
「エルフの森でのことは、ルイから聞いた」
いつもの優しいお顔ではなく、真剣な表情だったので、私も背筋をピッと伸ばす。
「君たちの身柄を預かっているこちらとしては、冒険者に同行するのはやめて欲しいというのが本音だ」
ダオは不思議そうに私と陛下を交互に見て、エリザさんは少しだけ目を見開いていた。
「ガシェ王国からの正式な回答はまだだが、君たちの国が許可するのであれば、条件付きで認めようとは思っている」
「条件ですか?」
「君たちの身に何が起きても、ライナス帝国へ責任を問わないことだ」
私としては当然だと思うのだけれど、国としてはどうなのだろう?
政治的なものが絡んでくるなら、迂闊に答えられないよね。
「王様が許してくれない場合、それは両国にとってよくないことだからですよね?」
「そうだな。我々が懸念しているのは、ネフェルティマ嬢に何かあったとき、聖獣様や精霊たちの怒りがこの大陸に住まう者たちに降りかかるのではないか、ということだ」
陛下が言うには、私の身は聖獣や精霊が守るから、命の危険はないだろうとのこと。
しかし、私に害をなした者をソルが許すとは思えないし、ソルが怒れば精霊たちも追従するって。
確かに、ルノハークだけとかまどろっこしいことはせず、一帯にいる人をドーンとやってしまいかねない。
「私がソルたちを止めればいいのですね」
「きつい言い方にはなるが、ネフェルティマ嬢は一度失敗している。つまり、君の力量に信を置くことはできない」
ですよねー。
そうなると、私が取れる手段はない。
「ガシェ王国の方でも、ネフェルティマ嬢が同行するのに、何かしら条件を言ってくるのではないか?」
うーん、我が家は断固反対って言うと思うんだけど、王様がどう出るかまったくわからないからなぁ。
「どんな条件が出されるにせよ、決めるのは君たち姉妹だ」
それは、陛下の意をくみ、同行自体をやめるもよし、どんな無茶振りされるかわからないけど、条件をのんで強行するもよし。
でも、ライナス帝国は関与しないからねってことか。
「おねえ様と相談します」
「そうしなさい。君が望めばカーナディア嬢も守られるであろうが、絶対ではないことを忘れるな」
お姉ちゃんを連れていく危険性も十分に考慮しなさいと、念を押された。
「私からの話は以上だ。あとは寛いでいくといい」
席を立った陛下はダオの頭を撫でると、マーリエ父とルイさんを連れて出ていった。
「ネマ様がエルフの森へ行ったのは知っていましたが、何をお探しだったのかしら?」
エリザさん自らお茶を淹れ、みんなに配っていく。
クレイさんとダオはちゃんとお礼を言ったのに、テオさんは無言のまま口をつけた。
「テオ兄上、わたくしが淹れて差し上げたのに、何も仰らないのは美味しくないと言うことですの?」
ほら、エリザさんに怒られた。
「とても美味しいから、言葉がでないのですよ」
私がそう告げると、ネマ様のお口にあってよかったですと笑ってくれた。
何も言わないテオさんを、エリザさんは一睨みしたあと座った。
「それで、教えてくれると嬉しいのだけれど」
「テオ様とクレイ様は知っているんですか?」
エリザさんとダオは知らないとして、この二人はどこまで知っているのか聞いてみた。
クレイさんはルイさんが少しだけ教えてくれたと言い、テオさんはエリザさんと同じでエルフの森に行ったことしか知らなかったようだ。
説明しようと思ったけど、長さんからエルフが関係していることを隠して欲しいと言われているので、凄く悩んだ。
「まだ私たちを信用できないかな?」
「他言しないと名に誓いましょうか?」
「僕はネマが何をやろうとしているのか知りたい!……手伝えることもあるかもしれないし」
ぐぬぬぅ。
こういうときだけ手を組みよって!!
クレイさんは眉毛をハの字に下げているし、エリザさんはこちらを気遣うように伺ってくるし、ダオにいたっては健気に訴えてきた。
「エルフのことなら教えられている」
えーっと、エルフの秘薬についても知っているってこと?
そういえば、陛下が持ってきた本って、皇族なら見ることができる本だったのかな?
「ロスランの手記なんて、下品なことしか書いてなかったけれど、あれを読んで人は信用しては駄目だと学んだのよね」
「下品って。まぁ、確かに辛辣な言葉ばかりだったが」
エリザさんの発言に対して、クレイさんが苦笑しているけど、まったくフォローになっていないよ。
ロスランは精霊王たちだけでなく、子孫に向けても愚痴を書き残していたのか。
それとも、後世にまで残るとは考えなかったとか?
人間不信になるくらいだから、凄いことが書かれていたんだろうね。
ちょっと読んでみたいかも。
結局、私が話すと言う前に、みんなが名に誓い始めてしまったので、すべて白状させられた。
冒険者に同行すると告げたら、クレイさんとエリザさんには呆れられ、ダオは心配してくれて、テオさんは羨ましいとこぼした。
テオさん、フィリップおじさんのこと憧れているみたいだから、そんな言葉が出てきたんだと思うけど。
テオさんも行くと言い出しかねないので、早く話題を変えたい。
なので、ダオに今度は何して遊ぼうかと、しれーっと声をかけた。
ダオは素直に私の話に乗ってくれたけど、またウォータースライダーをやりたいと言い出した。
「私はこのあと時間があるから、ネマがよければ私とダオとで遊ぶというのはどうだろう?」
クレイさんの提案に、ダオの目が輝いた。
ただ、残る二人の目も光ったような気がするんだけど……。
「では、わたくしもお付き合いいたしましょう」
「予定はいいのか?」
「どうとでも調整できますわ。ね、テオ兄上」
エリザさんの問いかけに、テオさんも頷く。
だから、こういうときの連携は上手いんだよなぁ。
長男であるテオさんを味方にすれば、クレイさんがうるさく言わないのをエリザさんは利用しているし。
テオさんはそれをわかっていて味方してるようだし。
みんなで仲良く庭に向かい、ウォータースライダーを作るためにサチェとユーシェに協力をお願いする。
ユーシェは上機嫌で手伝ってくれたけど、サチェはテオさんやクレイさんを見て呆れた様子だった。
ダオの要望により、前回よりもグレードアップしたウォータースライダーだったが、さすがダオのお兄ちゃんとお姉ちゃんだね。
私が何か言うよりも先に、テオさんとエリザさんは水魔法で、クレイさんとダオは風魔法でブーストをかけていた。
私もお願いしてブースト魔法をかけてもらったんだけど、あれはもやはウォータースライダーではなく、安全バーのないジェットコースターだ!!
体重が軽いせいか、ゴール地点で盛大に吹っ飛ばされ、サチェがいなかったら地面とこんにちはしていたよ。
人間大砲ってあんな感じなのかな?
着地点のマットを強化したのは言うまでもない。
皇族兄弟が手を組めば最強!(アイセも含む)




