★コミック2巻発売お礼小話 ぼくのママ(グラーティア視点)
グラーティア視点なのでひらがな多用しています。
ぼくはグラーティア!
えへへ、名前があるんだ。すごいでしょ!
ママが付けてくれたんだよ。
ママは、ぼくの本当のママじゃないけど、ぼくのママになってくれたの。
本当のママは死んじゃった。
ぼくはね、本当のママのお腹の中にいたんだよ。
まだお外に出ちゃだめだって、大きくなってからじゃないと危ないんだって、なんでか知らないけどわかるの。
ぼくだけじゃなくて、お腹の中には他にもいたんだ。
でも、お腹がすいてしかたがなかった。
だから食べちゃった。
たぶん、本当のママも感じたんだと思うよ。
早くご飯食べないと、みんな死んじゃうって。
本当のママが死んじゃったとき、すごく怖かった。
このままここにいたら、ぼくも食べられちゃうんだって思った。
だから、逃げようと思って本当のママから出たの。
出ても食べられちゃうかもしれないけど、逃げないとって。
やっとお外に出たら、変なのがいてびっくりした。何かがブワッてなって、気づいたら前脚が動いてた。
あ、動くって思ったんだ。
本当のママの中だと、歩くくらいしかできなかったから。
自由に動けるのが楽しくて、いっぱい動いていたら、変なのもブワッてなった。
ぼくの動きに合わせて、変なのも動くからやめられなかった。
そうしたら、ママに持ちあげられて、本当のママが死んじゃったって言われて、ぼくにどうしたいって聞いてきたんだ。
ママのそばにいないといけないって思った。ママからはなれちゃだめだって。
だから、ママといっしょにいたいって言ったんだ。
ママがグラーティアって名前をつけてくれたら、体があたたかくなって、すっごくすっごくうれしかったの!
ママとずっといっしょだと思ったら、変なのもいっしょなんだって。
変なのはノックスって名前だって言ってた。
シンキっていう大きいのもいっしょで、シンキは僕の言葉がわかるからいろいろと教えてもらったよ。
ママの周りには、変なのがたくさん集まるの。
白くて大きなラース君は怖いけど、もふもふしたやつがとても気持ちいいんだ。
ぼくのこと食べないって言ったから、たまに遊んでもらうんだ。
ハクはスライムって魔物らしいよ。
なんとなく同じだっていうのはわかるんだけど、ぼくよりも大きいものは怖いんだ。
ママやシンキ、ノックスがいてくれるときは平気だけど、ぼくは小さいからすぐに食べられちゃうの。
ハクはすぐにママのものになったから平気。
おそろいの模様があると仲間だってわかる。食べられないし、自分も食べちゃだめって。
いっぱい仲間がふえて、ぼくだけじゃないんだって感じることも多くなって、体がポカポカする。
「グラーティア、どうしたの?ねむいの?」
眠いんじゃないの。
体が動きにくいの。
そう言ってもママには伝わらない。
たまにこうなるときがある。
殻をぬいだら大丈夫ってわかっていても、ぬぐのがすごく大変だから動きたくない。
痛くはないし、殻をぬいだらママがほめてくれるから、本当は早くぬぎたいんだよ。
でも、とてもつかれるの。
ママが寝ているときも、動きたくなくてジッとしてたら、ハクがご飯から帰ってきた。
『ねぇねぇ。その殻ってやつ、僕が食べようか?』
『やだ。ぼくごと食べられちゃう』
『そんなことしないもん!グラーティアが動けないと、遊べないからつまんないの!』
たしかに、動けないからぼくもつまらない。
ぼくだってハクといっしょに遊びたい。
でも、食べられちゃうっていう怖い気持ちはずっとあるんだ。
『もぅ…。えいっ!』
いやだって言ったのに、ぼくはハクにとりこまれてしまった。
なんとか逃げだそうともがくけど、うまく体が動かない。
このままハクに食べられちゃうのかな?
そう観念したとき、ペイッてハクの中から弾きだされた。
『どう?動く?』
ハクに言われるまま、脚を動かしてみると、いつも通りに動いた。
『動く!すごい!ぬいでないのに殻がなくなった!』
『やった!これで遊べるね!』
『うん!ハク、ありがとう!』
やったやったって喜んでいたら、パウルがやってきて静かにって怒られた。
ママが寝ているのにさわぐなら、かごに入れるよって。
パウルは怒ると怖いの。
食べられる怖さじゃなくて、これ死ぬなっていう怖さなの。
ハクも同じように感じるって言ってたし、ママもパウルの言うことは聞くようにって言ってた。
一回だけかごに入れられたことあるけど、せまいし動きづらいし、たいくつだからきらい。
だから、パウルにもうさわがないよって言って、ママのそばで寝るね。
「……んんー。……グラーティア?」
なぁに、ママ。
「ハクもグラーティアもお側におりますので、お休みください」
パウルがママをポンポンってすると、ママはまた寝ちゃった。
ママに名前呼んでもらうの好きなのになぁ。
ママに名前を呼ばれると、いっぱいポカポカするの!
ハクもポカポカするって言ってたけど、ハクが一番好きなのはママにグニグニされることだって。
『ママ、だーい好き!』
『僕もあるじ様大好き!』
ハクもいつも眠る場所から負けじと言ってきた。
ぼくの方がママのこと好きだもん!
どっちがママのことが好きか、明日勝負するぞ!
あ、ママも明日いっしょに遊んでくれるかな?
コミカライズも2巻が無事に発売となりました。
応援してくださっている皆様のおかげです。
ありがとうございますm(_ _)m
書店特典の情報も更新しておりますので、特典イラストが気になる方は10/25の活動報告をご覧ください。




