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15.昼下がりの生徒会室

お立ち寄り頂きありがとうございます。

初等科の生徒会室…

最高学年のジュリアンは生徒会長として、生徒会メンバーと学園内の問題等の報告会を開いていた…。


「おい…何故だ…?」


「何がですか?ジュリアン様」


「何がって…(チラッ…)何故高等部のジェイと学園を卒業したアルがここにいるんだ?しかも兄上達まで…」


「ジュリアン、今日の議題を考えると分かるだろ?私は公務の合間に来たんだ、早く始めよう!」


「はぁ…分かりました。きっと詳細も把握されているのでしょう?手短に説明します…。一週間前アリーシアに妄言を言って絡んで来た女生徒がいました。

名前はリリー カーター、カーター子爵家の養女で15歳

学園へは今年からの中途編入のようです。元は平民でしたが属性持ちで8歳の時にカーター子爵の養女となっています。」


「俺も兄上やアル達に話は聞いている…だが何故…平民上がりの子爵令嬢ごときが公爵令嬢のアリーシアを見くびって絡んでくる?聞けば相手の女からお前の名が頻繁に出ているそうではないか?」


「エドワード殿下、皆様、それについてはジュリアン様の優秀な側近である私がご説明致します。…あの女…ンンッ!カーター子爵令嬢は初めから発言がおかしく、アリーシア様に対しての言動もとにかく不愉快極まりないものでした…。

たまたま居合わせた私は勿論アリーシア様を助けるべく割って入ったのですが、あのおん…カーター子爵令嬢は、私にもジュリアン様の側近と分かった上で、不遜な態度でした…まぁ、そのお陰で?アリーシア様の勇敢なお姿が見れたのですが…フフフ。

ともかく私はカーター子爵家の周辺を調査しました。

8歳からとは言え貴族令嬢の教育は受けており、

普通の令嬢として育った娘が急に変わったのは今年に入ってからの様でした。

家族も困惑したそうですが、本人の強い希望と熱意で学園へ編入したそうです。いざ編入した後は何が狙いか…

殿下方の情報収集をしており、アリーシア様とも面識すらないのですが、先日アリーシア様へ突撃して殿下方、そしてセイリオス家のお義兄様方までも自分の事を好きになると宣言しておりました。

思い込みが激しいにしても、あのお…ああっ面倒なので今後あの女で通しますね、もとい…思い込みや妄想にしてもあの女の言動は貴族令嬢として常軌を逸しておりました。」


「ラシュカール君…図書館での事は僕達もアリーから直接聞いたよ。ありがとう、兄として礼を言うよ。

でもね、君に"お義兄様"と呼ばれる筋合いはないから今後は呼ばない様に、いいね?

それはそうと…その女とは、僕もアル兄さんも面識ないのに何故そんな事を言って回っているんだろう…?気持ち悪いなぁ…」


「ジェイ、今日はその件だけではないだろう?

ジュリアン殿下?私が聞いた話では…何やら殿下とそのバカ女が婚約するのを、うちの可愛いアリーが…権力を盾にっ?邪魔をしているとの事ですが?ご説明頂けますね?」


「アル…私も聞いた話では…君達兄弟の板ばさみとなり悩んでいるその女に、アリーシアがヤキモチを焼いて

色々嫌がらせをしているそうだぞ?

アリーシアのヤキモチなんて実に羨ましい!なぁエドワード?」


「兄上…冗談を言っている場合じゃありません!ジュリアンお前はどこまで把握してるんだ?」


「ねぇ?ジュリアン殿下…、貴方がウチのアリーを

やっと諦めてくれて他と婚約されるのはむしろ応援致しますが、うちのアリーが貶められるのは…ただの噂であってもこれ以上は僕もアル兄さんも、もちろん父上も…公爵家は黙っていませんよ?…」


「皆様!お気持ちはわかりますが、ジュリアン様お一人に詰め寄るのはおやめ下さい…」


「ラスカルッ……ありがとう、最近のお前の俺に対する態度は目に余るものがあったが…持つべきものは!…ってやつだな!」


「いいえ、ジュリアン様、私はジュリアン様を庇った訳ではございませんよ?ジェイソン様やエドワード殿下のお言葉を否定する訳ではございませんが…我らのアリーシア様が!あんな女ごときに貶められるはずがないと、あってはならないと!そう申し上げたいのです!」キリッッ


「おおっ!そうだなっ!ラシュカール!ウチのアリーの存在は誰にも脅かす事は出来ない!お前はいいやつだ!アリーの窮地に現れた事もだが、ジュリアンより見込みがあるぞっ!」


「アルフレッドお義兄様!!」


「いやっ待てっ!僕はアル兄さんと違って騙されないからな!アリーが至高の存在である事は認める!だがしかしっ、君にお義兄様と呼ばれる事も、アリーに近づく事も許さないからなっ!」


「クソー!あんなに優しく呼んでたのにいざという時に全然こっち側に来ないー」




弟であるジュリアンの性格も、セイリオス兄弟のヤバさも知っている上二人の王子達は別として…


この場に報告会と称して集められていた普通の生徒会メンバーは部屋の隅で『混沌カオス…』と呟いていた…。そして、噂の元凶を潰すべく速やかに行動に移したのであった…。






ジュリアンはアリーシアの機嫌が良くなるので

「えらいぞ!ラスカル」などバリエーションを増やしていた

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