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【純文学】
もボーン!
すごい音がした。
何の音かはわからない。とにかくmoborn!という音だ。おっぱいの揺れる音に似ていた。
私は東向きの窓を開けると、天変地異を見て微笑んだ。
富士山が逆さまになっている。
その向こうには富士山より高い通天閣が聳えていた。
「おはよう、今日も平和だね」
私がそう言うと、スズメたちが千羽ぐらい隊を作って飛んできて、「はい!」と言った。
スズメが喋れるとは思ってなかった。私は恐怖のあまり、滑って後ろに転んでしまった。
頭のハゲた緑色の宇宙人がいつの間にかそこにいて、私を受け止めてくれた。
にこりと笑うと、私に聞いてきた。
「さっきのは、何の音デスカ?」
「何がですか?」
すると宇宙人が、猛烈な放屁の音を聞かせてくれたのだった。
「もボーン!」




