表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しいなここみの ミ☆★ 失敗作品集 ★☆彡  作者: しいな ここみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/254

【見た夢の記録】ミミズクさん

昨日見た夢そのまんま。

起きてからもはっきり覚えていたけど意味はわからない。

 お父さんと従兄弟のお兄ちゃんと、広いお庭を歩いていた。

 それはおじいちゃんの家の庭で、江戸時代に建てられたその家は、今ではとっくに取り壊されて、市の博物館に変わっている。

 懐かしいその庭の、大きな池のまわりを三人で、何を探していたのかは忘れたが、探検するように歩いていると、のどかな太陽の下、向こう岸の平らでやわらかい土の上を、もふもふしたネコのようなものが、ちょんちょんと跳ねながらやって来るのが見えた。


「あれ、ミミズクじゃない?」


 びっくりしてわたしが声をあげると、それがこっちを見た。

 緑色の水晶玉みたいな目の中に、針みたいな瞳があった。


 お父さんはいつの間にかどこかへ消えていて、お兄ちゃんと二人でミミズクさんに近づいた。

 彼はわたしたちを怖がる様子もなく迎え、でもちょっと緊張したように視線を横にそらした。


「おまえ、ミミズクなの?」


 お兄ちゃんが聞くと、


「うん、そろそろ天に帰ろうかと思ってた」


 小学生の男の子みたいな声で、ミミズクさんがそう答えた。


 わたしは引っ込み思案なので、二人の会話を黙って聞いていた。


 お兄ちゃんが聞いた。

「この世を灰燼に帰す方法とか知ってる?」


 ミミズクさんが答えた。

「白い鉄のケースを火で熱して飛ばすといいよ。ガンガンガンって跳ね回って、大型トラック二台まとめて灰にできる」


「それって危なくないか?」


「すごく危ないから、やめたほうがいいよ?」


「サンキュー。いくら払ったらいい?」


「じゃ、2万5千円」


 財布を取り出して、お札を数えるお兄ちゃんをミミズクさんがじっと見てた。

 すっとぼけたような顔で横を向くと、お金は受け取らずに飛び上がった。



 高いところへ消えていくミミズクさんのお尻を見送りながら、わたしは『やっぱりミミズクさんはお金には興味がないんだな』と嬉しくなっていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  ミミズクが、お金に興味ないところ [気になる点]  2万5000円が妥当かどうか。
[一言] しいなここみ様 いつも楽しく拝読しております<(_ _)>(*^-^*) 夢十夜 みたいですね? いつもおつきあいいただき ありがとうございます<(_ _)>(*^-^*) では…
[一言] うおおお シュールだけどかわいい!!(#^.^#)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ