戦え！　伝書鳩ラー

　ぽ……

　くるるーっ

　くるっぽ、くるるーっぽ

　スーパーヒーロー伝書鳩ラーは、人間の言葉を喋らない。

　否！　喋れないのだ！

　ただ人間の言葉で書かれた手紙を足に巻きつけ、飛ぶ！

　飛べ！　伝書鳩ラー！

「ククク……。ここは通さねーぜ」

　怪人『撮り鉄』が現れた！

「通りたければ俺を退かせてみるんだな、伝書鳩ラーよ！」

　くるららら……

　

　くるっぽー！

「がはぁっ！」

　怪人『撮り鉄』は血反吐を吐いた！（重複表現）

　

　弱い！　弱いぞ、撮り鉄！

　たかが鳩のフンを喰らったごときで倒されるとは！

　くるっぽー……

　伝書鳩ラーは飛んでいく。

　夕陽を目指して飛んでいく。

　核爆弾のボタンの押し方を記した手紙を足に巻きつけたまま──

　司令官のもとへ──

　　

　ではなく

　

　夕陽に向かって

　飛んで

　飛んで

　飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで

　くるっぽ　くるっぽ　くるむぽ　むぽっぽー

　　　　　　　　　（おわり）