表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しいなここみの ミ☆★ 失敗作品集 ★☆彡  作者: しいな ここみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

233/254

都合のいいオンナ

「わぁ、見て! 蜘蛛の巣に蜘蛛がいるよ」


 当たり前のことを珍しそうに知らせてくる優良ユウラを馬鹿にするような目で見ると、佳祐けいすけはすぐに優しい笑顔を貼りつけた。


「そうだね。……あーあ、こんなところに巣を張りやがって」


 佳祐のアパートの部屋は2階だ。ドアの横に設置されたボイラーの配管にゆったりとした巣が張られ、その中心におおきな茶色い蜘蛛がじっとしている。


「中に入って、箒を取ってこよう」


 佳祐が言うと、優良は抗議するような表情になる。


「もしかして巣を壊すつもり? かわいそうだよ」


「優しいな、ユウラは」

 内心では小馬鹿にしながらも、佳祐は微笑んだ。

「蜘蛛にまで優しいんだな。誰にでも優しいのか?」


「ううん。好きなの、蜘蛛、あたし」


 そう言うと優良はしゃみ込んだ。ちょうど床の上に中ぐらいの大きさの赤っぽい蛾がじっとしていた。


 優良が蛾を素手で掴むと、佳祐が顔を歪めた。


「げ……! 素手で掴んだ……! 何するつもり?」


「エサだよ」


 笑顔で優良が、蛾を蜘蛛の巣にくっつけた。

 羽根をばたばたさせて暴れる蛾に向かって、すぐに蜘蛛は駆けつけると、尻から糸を出してくるくると巻きはじめる。


 あっという間に白い繭のようになった蛾を見ながら、優良は嬉しそうに笑った。初めて見る彼女のそんな一面に、佳祐は少し気持ちが醒めた。


 じつは会うたびに少しずつ醒めていた。


 しかし別れるつもりはない。


 優良は都合のいいオンナだった。



ここまで書いて心折れた_| ̄|○


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ここみん、なんでワイ好みのハナシに限って折れてまうん?  (´・ω・`)
折れたw ダイジェスト版でも、オチまでの構想が知りたいところ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ