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【クリームソーダ祭り】走れメロン
メロンは激怒した。クリームソーダはメロンでなければならぬ。かのふざけたストロベリーソーダを許してはならぬ。
激おこになるとメロンは激しく泡立った。ひげそりクリームのようにモコモコした泡だ。まだ炭酸も効いておらず、アイスクリームも頭に乗せておらぬというのに、それほどに頭に血が昇っていた。
ぷんぷんしながら歩いていると、街の人たちの噂が聞こえてきた。
「明後日の朝、ストロベリーちゃんが頭の上にアイスクリームを乗せるそうだよ」
「楽しみだなぁ。かわいいだろうなぁ」
「許さぬ!」
メロンはまた激怒した。
「激おこぷんぷんーーーッ!!」
そして走り出した。走れメロン。
何のために走るのかはわからなくとも、走れメロン。
走ってどうなるのか、何がしたいのか、それは作者にもわからぬが、走れメロン。
そしてこの物語に、感動は、特になかった。




