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58、特訓②

今日も読みに来ていただきありがとうございます。

誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。

物語も終盤に差し掛かりましたが、楽しんでいただけると嬉しいです。

特訓を始めて2日、3日とディルックがずいぶん上達をしていた。


元々ディルックの剣の腕は相当だ。


今までC級だったのはディルック達のパーティがガイアスと2人だけで、ヒーラーや魔法職がいなかったからだろう。


ガイアスもディルックもパーティの人数を増やして揉め事があるよりも2人で気楽にやりたいと言っていた。


まあ、大きな討伐では他のパーティと合同で行うこともあるらしいが。


訓練も4日目になると。ハリソンの剣筋をわたしが真似て実践形式で行った。


ずっとハリソンの隣で剣を振ってきた。


彼の癖は熟知している。


「ハリソンは1撃がかなり重いからまともに受けると次の攻撃が避けきれないよ!攻撃は受けるんじゃなくて流して!」


「流すってどう言うことだ?」


ディルックの疑問に私は実際に見せることにした。


「ガイアス!いつでもいいから連続で思いっきり打ってきて」


「わかった」


ガイアスは剣を構えると私に連打を仕掛ける、


それを私は剣のガイアスの剣の軌道を少し変えてギリギリのところでかわす。


「え、すごい!俺全力で当てに行ったのに全然当たんない」


私は最後に軌道を変えたガイアスの剣を地面の方に押し流すと、自分の剣先をガイアスの喉に向け、当たるか当たらないかのところで止める。


ゴクリ。


剣を向けられたガイアスの喉が上下する。


私はガイアスに向けていた剣を下ろしていった。


「こんなふうにハリソンと剣の威力の差があっても、剣の軌道を変えると少しの力で避けられるから。あとは隙をついて切り込むだけ」


「そんな簡単に言ってくれるけど、それができれば苦労しないよね?ディルック」


ガイアスが溜息とともにディルックを見ると、ディルックはキラキラした目で私を見た。


「すごいな!アニー。俺もやる!できるまでやる!」


ガイアスは再びため息をついた。


「そうだった。こういうやつだった…」


私はディルックに向き直った。


「うん、ディルックならできる!頑張ろう」


そして私たちの特訓は続き、1週間が経った。


ランベルの街の郊外で、ハリソンがディルックと向かい合う。


ハリソンがディルックに向かって言った。


「今一度聞くぞ。本当に俺と戦っていいんだな。何かあっても知らないぞ。俺は寸止めとかできないぞ」


ちなみにさすがにユーリに止められて木剣だ。


それでもS級冒険者の威力は命に関わる。


「そっちこそ、一発入れたらアニーを諦めて帰るって約束忘れないでくれよ」


ディルックは落ち着いているように見える。


「わかった。漢に二言はない」


ハリソンは絶対負けないと思っているに違いない。


「立会人は俺とガイアスとで努めよう」


モーリスがガイアスと前に出る。


「ルールはディルック君が戦闘不能もしくは参ったといえばハリソンの勝ち。ディルックが1本でもハリソンに入れられればディルックの勝ちだ。両者それで間違いないか?」


「「間違いない」」


2人の言葉が重なる。


「それでは両者剣を構えて…始め!」




読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次もお読みいただけると嬉しいです。

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