49、2人の距離
今日も読みに来ていただきありがとうございます。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
楽しんでいただけると嬉しいです。
マスターが今日は帰ってゆっくり休むように言ってくれたので、私はアパートに帰ることにした。
流石に誘拐された日くらいは仕事を休んでもバチが当たることはないだろう。
ガイアスは冒険者協会に寄ると言うので、ディルックがアパートに送ってくれた。
「それにしてもどうやって私の居場所がわかったの?すごいね」
私が攫われたこともどうやって知ったのか不思議だったので尋ねると、ライラがなかなか帰ってこない私を不審に思って、私の部屋に行き怪しい手紙を見つけた事を教えられた。
さすが私の親友だ。
ガイアスが酒場で有力な情報を聞き込んだ事も。
それにしてもガイアスの交流関係はすごいな。
ガイアスの知り合いのおかげで盗賊のアジトを見つけてしまうとは。
後でガイアスとライオネルさん、ライラには改めてお礼を言おう。
しかし今は目の前の人に感謝を伝えよう。
「ディルック、助けに来てくれてありがとう。嬉しかった」
ディルックは照れくさそうに言った。
「なんだよ、改まって。照れるじゃねえか」
それから少し真面目な顔になって言った。
「好きな女が攫われたんだ。助けに行かないわけないだろ」
自分の気持ちに素直になってしまえば、そうやってストレートに思いを伝えてくれる事も好きだ。
「うん、来てくれるんじゃないかと思ってた。カッコよかった」
「そうだろ、そうだろ。そろそろ俺に惚れちゃったか?付き合ってくれる気になったか?」
少しおどけた様子でいつものように言う。
「うん、そうだね」
わたしはディルックの言葉を肯定する。
「ん?」
「惚れちゃったみたい」
「え?ほ、本当か?付き合ってくれるのか?」
「うん、私でよければ…」
ディルックは街に響き渡りそうな大声で、拳を上げて叫んだ。
「いやったーー!!」
色々考えるのはもうやめよう。
私はディルックが好き、それでいいじゃないか。
彼が冒険者だろうがなんだろうが、ディルックであることに変わらない。
「ふふ、これからよろしくね」
「ああ、ずっとずっと大切にするからな」
なんて真っ直ぐな人だろう。
案外幸せは近くにあったんだな。
読んでいただきましてありがとうございました。
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