47、仕置②
今日も読みに来ていただきありがとうございます。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
楽しんでいただけると嬉しいです。
「ディルック!」
モップを構えたままの私が叫ぶと、ディルックはニヤリと笑った。
「遅れて悪かったな」
「俺も来たよー!」
ガイアスもディルックの後ろから後から現れた。
「どういう状況なんだ?これは?」
ライオネルさんは、この惨状を見て首を傾げた。
「こいつら盗賊団だな」
ディルックが私に確認する。
後ろからきた援軍に、盗賊達が慌てる。
「そう、皆遠慮しないでやっちゃって!」
盗賊達はなかなか腕の立つものも多かったが、彼らの敵ではない。
彼らは切り掛かる盗賊団に立ち向かっているが、徐々に圧倒しているようだ。
よし、私も。
モップを構え直した時、いつの間にか移動していたのか、後ろからロッソの声がした。
「おい!お前ら一歩でも動くとコイツの喉を切るぜ」
ロッソはぐったりと意識のないルナの胴体を左手で支えて、右手で首元に剣を向けている。
「こいつの命が惜しけりゃ剣を捨てて、道を開けろ」
くっ、卑怯な…。
ディルックがガイアスと話している声がする。
「あれ、誰だ?」
「大通のカフェのウェイトレスしてるルナちゃんだよ。駆け落ちしたって聞いたけどここにいたんだ」
「そんな場合か!?」
私の代わりにライオネルさんがつっこんでくれた、
「やめて!ルナに傷をつけないで」
私はモップを捨てた。
「物分かりがいいな。って剣じゃなくてモップかよ!お前らも剣を捨てろ」
ディルックがため息をついた。
「アニー、その子を助けたいんだな」
「うん、助けたい!後もう1人地下にいる子も助けたい」
私は大きく頷く。
「わかった、わかった。剣を捨てりゃいいんだろ。ほらよっと」
ディルックは剣を大きく空に向かって投げた。
私の方に。
パシッ。
私はディルックの剣を片手で受け取ると、もう一方の手でポケットに入れていたナイフをロッソの右手に向かって投げた。
「あっ!」
ロッソの右手の甲にナイフが刺さり、持っていた剣を落とす。
どさっという音がして意識がないままのルナが地面に倒れた。
「はい、ルナちゃん確保オーケー」
ガイアスが素早くルナを抱き上げその場から離れた。
「てめえ!大人しくしておけば殺さないつもりだったが、もう容赦しねえ」
ロッソは私に向かって言った。
「それはこっちのセリフよ。女の敵、絶対に許さない」
わたしの周りの空気がズンと重く身体にまとわりつく。
「離れろ、ライオネル!」
ディルックがライオネルの腕を引っ張って、すでに距離をとっているルナを抱き抱えたガイアスのところまで逃げる。
「なぜ逃げる!アニーに加勢しないと」
「邪魔になるだけさ。まぁ、見てろよ」
ディルックがライオネルさんに言う。
私の周りを盗賊達が取り囲む。
私はディルックの剣を構えた。
次々と切り掛かってくる盗賊達を軽々と薙ぎ倒す。
そして残るはロッソ一人となった。
「なんだ、なんなんだよお前。来るな…やめろ…」
ロッソが怯えた目で私を見る。
「エターナルジャッジメント!!」
ロッソの体に一瞬でできた無数の傷から血が吹き出す。
「殺しはしないわ。他に攫われた子達の行方もはいてもらうから」
私がそう言った直後、ロッソはパタリと前方に倒れた。
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