46、仕置①
今日も読みに来ていただきありがとうございます。
本日2度目の投稿になります。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
楽しんでいただけると嬉しいです。
「ちゃんと食事を取らないと移動に耐えられないぞ。くれぐれも俺に損をさせないでくれ」
ロッソはそういうと部屋を出て行った。
ロッソが出ていくとすぐに、2人の見張り達が食事を持ってくる。
「ほら、ちゃんと食べるんだぞ」
皿にリゾットのようなものが入っていて、スプーンが刺さっている。
「食べておいた方がいいわね」
「そうですね。体力は必要ですよね」
ルナとメリンダが床に置いてあった皿を取り、食べ始める。
ん、この匂いは…?
「2人とも食べるのちょっと待って!」
「「え?」」
少し遅かったようだ。
「何…?」
「…」
カチャン。
2人の手からスプーンが落ちて、ゆっくりと体が床に倒れる。
「あー、遅かったか。睡眠薬が入ってるって言いたかったけど、ま、いいか。寝てくれてるならその方がいいかも」
2人が寝てしまったのなら行動に移すチャンスだ。
私はスプーンを握りしめて、ドアを思い切り蹴った。
ドン!!
ドアが、その形のまま部屋の外に倒れる。
「何だ?何が起こった?」
見張りの2人が立ち上がろうとした途端、一瞬で距離を詰めて、2人の額をスプーンを直角に構えて殴る。
2人は椅子に座ったまま後ろに倒れて意識を失った。
2人も食事中だったのか、それぞれの皿の上には食べかけの肉とナイフとフォークがあった。
コイツら、自分達は優雅に肉料理か。
皿の上からナイフを2本とって、代わりに曲がってしまったスプーンを皿に放り投げる。
そして私はナイフを両手で1本ずつ構えて階段下に潜む。
「大きな音がしたがどうした?」
足音からすると2人だ。
階段を下り切ったところで1人、すかさず後ろのもう1人をナイフで倒す。
よし、地下に向かったのコイツらだけみたいだ。
一気に階段を駆け上がると1階に出た。
が、1階は誰もいない。
外から聞こえてくる声の様子では、どうやら出発の準備で皆外にいるようだ。
私はナイフを服のポケットに入れ、近くにあった掃除用のモップを手にして外に飛び出した。
「おい!女が逃げたぞ!捕まえろ」
外で旅の準備をしていた男達が剣を手に近づいてきた。
「お前ら!商品に傷付けんじゃねえぞ」
剣を抜いたもの達はロッソのその声で剣をしまう。
「剣を使われないなら、ラッキーだわ」
両手を広げて捕まえようとする男達を1人、また1人とモップで殴り倒す。
「おい、コイツ強えぞ。素手じゃ無理だ!」
手下の1人が叫ぶ。
「しょうがねえ、傷は目立たないところにしろよ」
「できるだけ気をつけるぜ」
盗賊達がそう言って剣を構えた時だった。
「グワッ!!」
私から一番遠いところにいた男が倒れた。
「なんだ!!」
倒れた男の方を見ると、剣を手にそこに立ってるのはディルックだった。
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