45、商人ロッソ⑦
今日も読みに来ていただきありがとうございます。
昨日はまた投稿できず、すいませんでした。
今日は早めの投稿です。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
楽しんでいただけると嬉しいです。
アニーは悩んでいた。
このまま夜のうちに突破すべきか?
それとも朝を待つべきか。
地下の部屋の外には2人だが、上にはもっと仲間がいるだろう。
ルナとメリンダを危険にさらすことは避けたい。
「うーん、そうなるとやっぱり移動の時が一番安全かな」
それなら少しでも体力を蓄えておくべきだ。
「2人とも、少しでも横になって体力を蓄えよう。眠れないかもしれないけど、助けが来た時動けないと困るからね」
「そうね、その方がいいわね」
「眠れるといいんですが…」
2人とも不安でむねがはりさけそうだろう。
「大丈夫、私には強い知り合いがついてるから。絶対にここを見つけてくれるよ」
お願い、 ディルック。
ここを見つけて。
こんな時に一番に頭に浮かぶのはいつも彼だ。
「私、やっぱりそうなのかな…」
認めたくないが、そうなのかもしれない。
アニーも硬い床に横になって目を閉じる。
ああ、この床だけでも眠れないのに…考えるとさらに眠れなくなる。
少しでも眠れたのだろうか?
コツコツと階段を降りる音。
さらに外で新たな男の話し声がする。
この声は!
全ての元凶であるあの男だ。
「ルナ、メリンダ、起きて」
私は小声で2人を起こす。
「どうしたの?」
「何かあったんですか?」
2人も眠りは浅かったのだろう。
すぐに起き上がった。
「ロッソが来たみたい」
「「!!」」
2人は攫われてからロッソに会ってなかったようだ。
コンコン。
ガチャリ。
見張りの男達とは違い、ノックをして入ってきたのはやはりロッソだった。
ロッソの後ろには、見張りをしていた2人もいる。
「やあ、お嬢さん方。調子はどうだい?」
この場に合わないロッソの発言にルナがカッとなり言い返す。
「ロッソ!貴方どういうことなの!私達をどうするつもり!」
メリンダは泣き出した。
「信じていたのに…。どうしてこんな酷いことを…」
ロッソはルナに向かって言った。
「君たちをどうするかって?もちろん奴隷として売り払うためだよ。貴族様や金持ち商人は常に性奴隷を探してるからね。すぐ使い物にならなくなるそうだよ」
ルナの顔が赤から蒼白になる。
「性奴隷…」
ロッソはメリンダに向き直った。
「君の質問は、どうしてこんな酷いことをするのかだったね。それはね、俺の仕事が盗賊だからさ。酷いことをする仕事なんだ」
メリンダは目を見開き、そして泣き崩れた。
「君は質問はないのかい?アニー?」
ロッソは今度は私を見て言った。
「あるわ。ここから移動するのはいつ?」
「ふーん、面白くない質問だな。でも俺は今機嫌がいいから答えてやるよ」
ロッソの口調がだんだん変わってくる。
きっとこっちが素なんだろう。
「もうすぐ夜が明ける。そうしたら取引の街に向かう。ひょっとしてお前、その時に逃げ出せるとでも思ってる?」
ロッソは見下すようにして口の端をにやり取りあげた。
「ここはすでに街の外だ。すぐそばには魔獣がでる森もある。それからこの地下室の上には腕の立つオレの仲間が15人いるんだぜ。男でも逃げ出すのは無理な話だ」
15人か…。
ロッソ達は入るのか?
3人入れても18人。
うーん…いけるかも?
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次もお読みいただけると嬉しいです。
返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。
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