34、警備隊オリバー③
今日も読みに来ていただきありがとうございます。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
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それからもオリバーさんは数回食堂に来てくれた。
オリバーさんは、いつも一人でカウンターで食べて行く。
「一人で来てカウンターに座った方がアニーちゃんがよく見えるからね」
そんな風に言ってくれるうちにだんだんオリバーさんとかなり仲良くなってきた。
ディルック達が依頼でしばらく来られないある日、オリバーさんからデートに誘われた。
「次の食堂の休みの日、一緒に出かけないか?」
最近は私もオリバーさんをもっと知りたいと思い始めたところだったので、お誘いを受けることにした。
「はい、ぜひ」
「ホントに!嬉しいな。どこか行きたいところある?俺も考えとくね」
オリバーさんはとても嬉しそうにしてくれる。
うん、いい人そうだ。
それにオリバーさんは、なんと言っても頼りになる。
誰かを頼りにするって女の子としては普通の幸せなのかもしれないな。
デートの日。
私は精一杯のオシャレをしてオリバーさんを待った。
「アニーちゃん、待たせちゃった?」
オリバーさんは今日も私服姿だ。
警備隊の制服似合ってたからまたみたいな。
「いいえ、早く着いちゃっただけです」
「アニーちゃん、今日は特に可愛いね。待ってる間誰にも声かけられなかった?大丈夫?」
「そんなに声なんてかけられないですよ」
私がそう言うと、オリバーさんは首を振った。
「いやいや、こんな可愛いんだから俺がもう少し遅かったら危なかったかも」
「もう、オリバーさんったら」
くすくすと笑う。
私なんかに声をかける人なんて、そうそういないだろう。
オリバーさんと街を回って、美味しいものを食べて、楽しい時間を過ごした。
「アニーちゃん、今日は楽しかったよ。ありがとう。家まで送って行くね」
「はい、私も楽しかったです」
デートの最後のことだった。
私達にツカツカと一人の若い女性が近づいてきた。
「やっと見つけたわ!ジャスパー!今度こそ私のお金返してもらうわよ!!」
「!?」
彼女はオリバーさんの片方の肩を後ろから掴むと、オリバーさんを振り向かせた。
「!!あっ…人違いじゃないですか?ジャスパーって誰です?」
オリバーさんが焦った顔でそう言うと、女性は彼の肩を掴んだまま離さず答えた。
「私があなたを見間違うはずないじゃない!あのお金は大事な店の運営資金なのよ。絶対にお金を返してもらうまで離さないわよ!」
「オリバーさん、この方は一体…」
私が困惑していると、女性は私に向かって言った。
「あんた。この男、今度はあんたを騙して金をむしり取ろうとしてるんだ。騙されちゃいけないよ」
「え…」
「アニーちゃん、どうやら彼女は人違いをしているようだ。向こうで誤解を解いてくるから、悪いけど今日は一人で帰ってくれないか。また連絡するね」
「は、はい…」
オリバーさんは彼女を連れて行ってしまった。
一体なんだったんだ。
彼女の言っていた事は本当なんだろうか。
それとも本当にただの人違い?
私は不安に押しつぶされそうになりながら家まで帰った。
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