27、祭りの屋台
いつも読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
今作も楽しんでいただけると嬉しいです。
夏祭りの屋台は何がいいんだろう。
やっぱり屋台を出すからには人気になってほしい。
食堂の営業中も常連さんにリサーチだ。
「去年はどんな屋台が人気だったっけ?」
八百屋のゴードンさんがシーラさんに言った。
「ここの屋台の串焼きは人気だったけど。あとは定番でポテトフライも人気だったね」
シーラさんが思い出しながら言った。
「去年も暑かったからレモネードも良かったな」
肉屋のマーカスさんの情報も有力だ。
「何?何?祭りの屋台の話?もちろん俺はアニーの屋台を手伝うぜ」
ディルックが話に入ってきた。
「それはありがたいけど、まだ何の屋台にするか決まってなくて…」
「何にしろディルックに働かせればいいじゃん。結構こいつ役に立つと思うよ」
ガイアスさんはいつもの様子だ。
マスターも言っていたが、いくら人気だったとはいえ、暑さがあるので今年もまた串焼きというのはできれば避けたい。
次の日の朝、食堂の食材の肉や野菜を買いに行った。
「お待たせ、玉ねぎ、人参、ジャガイモそれぞれ5キロで15キロだね。いつもながら細いのによく持てるね」
八百屋のゴードンさんが呆れたように野菜を渡してくれる。
「はい!力はあるんで!」
私は大量の野菜の入った袋をヒョイっと持ち上げる。
まだまだ余裕だ。
このあと肉も買う。
「じゃあこれはオマケだ。みんなで食べな」
真っ赤に熟した苺を1籠オマケしてくれた。
いい香りでとても美味しそうだ。
フルーツ大好きな私はウキウキしながら肉を買って、店に帰る途中、飴細工を作っているお店が目に入った。
ショーウィンドウから見えるように、鳥やウサギの動物を飴細工で作っている。
…もしかしてこの苺でできるかも。
私は急いで帰ると食堂のみんなに思いついた事を言ってみた。
「へー、それはいい思いつきかもな。できるかどうかやってみよう」
マスターはさっそく試しに作ってくれるようだ。
まず苺を洗ってヘタをとって水気をよく拭く。
それを去年串焼きで使った串に刺す。
鍋に砂糖と水を入れて火にかけ、グツグツと溶けたところに串に刺した苺をさっと潜らせる。
「固まるまで少し置いておいた方が良さそうだな」
鍋はあっという間に固まってしまうので温度調節が必要だ。
「簡単そうで意外と難しいな」
マリーさんが小さめの木箱に大きめの木箱を重ねて、その隙間に串に刺したイチゴの飴を刺していく。
箱に刺すのは、去年も使ったアイデアらしい。
飴の厚さや、砂糖の濃度を色々試したものを作って、左から順に箱に刺していく。
「うん、こんな感じか。そろそろ固まったようだ。食べてみるか」
甘くてカリカリの飴を纏った苺の飴の完成だ。
はじめに作った方から食べていく。
「うーん、苺は美味しいけど飴がなんかベトベトしてるわね」
「これはまあまあ美味しいわよ」
「これは飴が少し硬いな、食べずらい」
マリーさん、ライラが食べ、私の次の飴を取ったマスターも食べた。
私もいただきます。
パリン。
「ん、ん。美味しい!」
飴は薄くパリンと割れて、苺のジューシーな酸味と合わさってとても美味しい。
「いい音したわね」
「その飴の濃さでもう一度作ってみよう」
マスターは私が食べた飴の厚さを同じようにみんなの分作る。
「苺ひとつじゃボリュームがないから3つくらいつけようか」
そうマスターが言って最後に苺を3個繋げて串に刺した。
「できたぞ」
同じ飴の厚みにした苺の飴をみんなで食べる。
パリン、パキン、パキッ。
ライラの苺飴は3連だ。
「おいしーい」
「食感がたまらないわね」
「これはいいな。他のフルーツでもやってみよう」
こうして今年の屋台はフルーツ飴に決まったのだった。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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