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19、ライオネル

いつも読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。

今作も楽しんでいただけると嬉しいです。

その後もデートする2人に見つからないように尾行を続け、2人と同じ店で夕食をとった。


「ディルック!ライオネルさんってば、どうやらライラを家に送っていっているみたい」


2人は家の方に向かっている。


「そうだな…。なあ、そろそろ尾行はやめてもいいんじゃないか?」


「でも…もしライラの部屋に無理矢理入ってきたら…」


不安そうな私にディルックは諦めた表情で言った。


「わかった、わかった。アニーの気が済むまで付き合うからそんな顔するな」


え?


どんな顔かわからないけど、ありがたい。


ライラとライオネルさんがアパートの前で立ち止まる。


「今日は楽しかったわ。送ってくれてありがとう」


「俺もすごく楽しかった。良ければまた誘っていいかな?」


「ええ、是非」


そして、ライラは階段を上がって部屋に入り、バタンと扉を閉めた。


「…おい、ディルック。そこにいるんだろ?」


ライオネルさんが静かな声で聞いた。


「ああ、今日は悪かったな」


え?気づいてた?いつから?


「ディ、ディルック!?」


私は物陰からライオネルさんの前に出ていったディルックに慌てて声をかけた


「アニー、ライオネルはD級とはいえ、ソロで冒険者をやってる奴だ。気配探知くらいできるだろう」


「え?気づいてたの…」


私はしゅんとしてライオネルさんの前に出ていった。


「後をつけてごめんなさい」


バレてしまったものはしょうがない。


潔く責任を取るのみ。


「いや、ライラが心配だったアニーの気持ちはよくわかる。だが、俺は決してライラが嫌なことはしないと誓う。ライラのことを真剣に思っているんだ」


「ライオネルさん…」


そんなふうに思っていたのに、疑ってしまって申し訳なかったな。


その時、強い風が吹いて、ライオネルさんの前髪が後ろに流れ、顔があらわになった。


「「!!」」


ものすごい美少年顔だ。


綺麗すぎる…。


これでは、冒険者にしては舐められてしまうだろう。


「これが俺が顔を隠している理由だ。冒険者をやっていく上で、この顔は不利でしかない」


確かに…、女性がいるパーティだけだなく、男性のみのパーティでもトラブルの元になるだろう。


ソロでいるのも過去にトラブルがあったのだろう。


「わかった…。でも一つだけ。ライラを悲しませる事をしたら私が絶対許さないんだから」


「ああ、肝に銘じておく」


そういうと、ライオネルさんは去っていった。


「アニー、ライオネルは信用が置ける人のようだぞ」


「…うん」


少し悔しいが、あとは私が口を挟む権利はない。


「あとは2人次第だ。俺たちは見守っていこう」


「…うん」


そうしてディルックは私の肩を引き寄せた。


イテテテ!!


「何勝手に肩を抱いてるの!?」


私はディルックの手の甲を思いっきりつねった。


「なんかいいムードだったから許されるかなって思って」


「許すわけないでしょ」


「そううまくいかないかー」


でも今日は付き合ってくれて本当に助かった。


「でも、今日はありがとう」


「ん?」


ディルックが聞き返すまもなく私は手を振った。


「じゃあね。また食堂でね」


「ああ、また明日」


明日はもう少し優しくしてあげてもいいかな。





読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。

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