第4章 「男なら…誰でもそう思うだろ?」
朋成と別れたあと…家に帰るまでの間…今までの光景が頭をよぎっていく…。
抱き着かれる…ファーストキス…お姫様抱っこ…寄り添って一緒に座る…。
うわぁぁぁぁーー!なんだよーこれは!?恋人の…イベント、てんこ盛りじゃないかー!?
恥ずかしい!恥ずかしすぎる…。しかも…気持ち悪すぎるー!!
もう…疲れた…何も考えないで、早く帰ろう…トボトボと歩いていると…。
「そこの彼女~今一人?可愛いね~暇だったらさ~俺と、どっか遊びに行かない~?」
声のする方を振り返ると…少しチャラい男の人が、ニヤニヤしながら近づいてくる…。
えっ!?これって、もしかして…俺、ナンパ…されているのか!?
もう…これ以上、俺を…女扱いをしないでくれ…すごく…イライラしてくる!
「…結構です」
そう言って、早歩きをはじめ、その男から逃げるように急いだ。
でも、その男はあきらめる訳もなく…しつこく、俺に声をかけてくる…。
「そう言わずにさ~オレ、いい店を知ってるんだよ~ちょっと、付き合ってよ~」
もう…ダメだ…自分の中で、何かが…パーンっと弾けた。
「俺は男だ!ナンパするなら、余所でやってくれ!!」
そう言って、ナンパ男が…唖然としている間に…逃げるように走り出す…。
もう…訳の分からない感情に…押しつぶされて、泣きながら走った…。
ようやく、わが家へと着いた…すごく疲れた…。
「ただいま…」
『ガチャ…バタン』
「あら、おかえり~今日は、早かったわね?」
「朋成くんと一緒だったんでしょ?ホント…あなた達は、仲良いわね~」
朋成と仲良いのは…中学からの親友だったわけで…。
それすらも…母さんは、忘れてしまったのだろうか?なんか…悲しくなってくる…。
「どうしたの?すごく疲れた顔して…部屋に戻って、休んでなさい」
「…うん、そうする」
あれこれと悩んでいても仕方がない…今までの状況をいったん整理をしよう。
自分の部屋に戻ろう…階段を駆け上がって、2階へと上がっていった。
『ガチャ…バタン』
部屋着に着替えるのも怠くて…制服のまま、ベットに倒れ込むように横たわった。
今日はマジで疲れた…色々とイベントがありすぎて…頭がついてこない…。
順番ずつ、頭の中を整理していこう…。
今日1日…過ごしてみて解ったことと言えば…俺が女性として扱われている。
男性から女性に変化したのではなく…元々、女性だったと…みんなが認識をしている。
俺が男性だったことは…誰も知らない。
むしろ、良大の存在は…みんなの記憶から…消えてしまっている。
1番、良く分からないことが…なぜ朋成と…付き合うようになっているのか…。
2人は、いつの間にか恋人同士!?…何の冗談だよ…まったく…。
朋成とは無二の親友関係だったわけで、俺は男だ…男性を好きになる…なんて有り得ない!
それなのに…朋成の側にいると…俺の身体がおかしくなるのは…なぜだ?
なんだ!?このドキドキ感は…?恋する女の子ではあるまいし…って、今は女性なのか?
そもそも…なんで俺は、女性になったんだよ…分からないことが、多すぎるだよ!
あああー!考えて悩んでも、モヤモヤして…頭がすっきりとしない!!
「兎に角…お風呂に入ろう!悩んでも分からないものは、分からないし…」
イライラする気持ちを落ち着かせるには…お風呂に浸かって、気持ちを切り替えよう!
そう思い、ベットから起き上がり…制服を脱ぎ、部屋着に着替えてから、自分の持屋を出た。
階段を下りて、お風呂場に向かおうとすると…リビングにいる母さんから、声をかけられた。
「あら?身体は、もう大丈夫なの?」
「あ…うん、お風呂に入りたいんだけど…」
「あら、そう?…ちょうどお湯がたまったところだから、入れるわよ」
「うん、分かった、入ってくるよ」
夕食の準備をしながらでも、母さんは…俺のことをいつも気遣ってくれる…。
母さんは、どんなときでも俺に優しく、接してくれて…。
その優しさに…ちょっとだけ救われたような気がする。
ありがとう、母さん…。普段は、恥ずかしくて…口に出すことは…出来ないけどね。
そう…母さんに感謝をしながら…俺は、風呂場へと足を運んだ。
…そう言えば、女の子になってからは…自分の体をゆっくりと見てなかったな…。
ああ…すごくドキドキしてきた…部屋着を脱ぎながら…下着姿になる。
洗面所に設置してある鏡で、自分の姿を確認してみる…。
なんか…AVを鑑賞している気分だな…良大の時よりも身長が低くなり…150cm半ばぐらいかな…。
男性の時に比べて…10cmぐらい身長が縮んだのか…背が低いのがコンプレックスだったのに…。
背は小さいが…スタイルは良い方だった…1部を除いては…。
その…気になる部分を確認してみる…ブラをとり…自分の胸を見てみる…。
「…胸は…小さいな…これって…貧乳…なのかな…」
ちょっとガッカリしている…巨乳ほどではないが…胸は、大きい方が好きだった。
でも小さいながらも…可愛らしい薄いピンク色をした乳首…ヤバイ…何か興奮してきた…。
「…揉んでみよう…ハァハァ…柔らかいな…なんか…変な気分になってきた…」
ハァハァっと…吐息が荒くなる…。
とても柔らかく…揉めば揉むほど…気持ちよく…更なる欲求を求めてしまう…。
真ん中の突起物が…触って欲しそうに…主張している…ゴクリ。
「…ちっ乳首…いじってみよう…はぅん!」
右手の親指と人差し指で右乳首を摘んでみた…。
うわっ!?なんだこれは…全身に電気が走った感覚…ヤバイ…気持ちよすぎる!
堪らず…左手で左の乳首を一緒に触ってみる…。
「あああん!!」
また電気が走った…良大の時には…こんなにも感じることはなかった…。
女性の身体は、男性の数倍感じると言うが…数倍とか…数字で言い表せれない…。
それほどにも…気持ちが良い…ヤバイ…もっと触りたい…。
女性の…あそこに…触れると…どうなるんだろう……触りたい…。
「ちょっちょっと…だけ…こすってみよう………あぅあ!!」
ハァハァ…ヤバイ……声が大きくなる…。これ以上…やると母さんに聞こえてしまう…。
それ以上に…自慰行為が、止まらなくなってしまう…うん…やめておこう…。
自分じゃない…自分を犯してるみたいな…そんな罪悪感で、いっぱいにだった…。
はぁ…これ以上…悩みごとを増やすのは、やめよう…。
お風呂場のドアを開け、中に入る。
「さっさと風呂に入って、今日は、ゆっくり休もう…」
あの…自慰行為のおかげなのか…風呂に入るのも、違和感なく入ることが出来た…。
複雑な気持ちでいっぱいだったけど…うん、今は良しとしよう。
やっぱりお風呂は良い…悩んでたことも、綺麗さっぱりに吹っ飛んで、気持ちがリセットできた。
いきなり長くなった髪の手入れが、かなり面倒だったが…そのうち慣れてくるだろう。
俺好みの髪型だしな~短く切りたくない。
さてと…明日は、どうするかな?1人で、あれこれと考えても…何も解決しそうにないな…。
やっぱり…朋成に相談をすべきか…でもまた…今日みたいに…おかしくなるのも、嫌だしな…。
そういえば…俺…朋成にキスされたんだ…俺のファーストキス…なのに…。
しかも、親友に奪われるとか…最悪すぎるだろう…最初は…男同士でしました…っとか…。
でも…なんなんだ?あの気持ちは…身体はまったく拒否をしなかった…
むしろ…心の奥底では…とても…喜んでいたように思える…。
心では嫌なのに…身体と心が一致しない…なんだよこれ!?マジで、気持ち悪いんだが…。
思い出したら…ゾッと身震いするはずが…朋成となら…良かった…って思うところがある…。
うがー!!ダメだ、ダメだー!俺は…男だ、決して女ではない!!
とっ兎に角!もっと情報が欲しい…朋成だけじゃなく…他のクラスメートにも、聞いてみるか…。
「今日は、もう寝よう!疲れたし…明日、うん…明日にしよう…」
心も身体も疲れ切ってる俺は…すぐに深い眠りにつくことが出来たのでした…。




