表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『現代を歩く、安部公房』ChatGPTで甦るバーチャル安部公房から見た現代のスナップショット。  作者: エンゲブラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/51

『照明装置としての栄光――懐中電灯と影の倫理』

ノーベル文学賞というものがある。

一種の文学的オリンピックみたいなものだが、競技のトラックもなければゴールテープもない。にもかかわらず、勝者は出る。評価の軸が空中にぶら下がっているのに、重力はちゃんと働いているというわけだ。


もちろん受賞すれば光栄なのだろう。だが、光栄というのもまた、他人の照明装置に照らされることを指すならば、けっして自前の太陽とは言えない。作家というのは、本来、懐中電灯を逆向きに持って、自分の影を観察するような存在だ。影が深ければ深いほど、文学としての密度も上がる。


賞というものには、不可避的に物語がつきまとう。

「なぜその人が選ばれたのか」「なぜ今なのか」

しかし、そうした因果律の物語は、文学が本当に取り扱うべき無因果の領域――偶然、矛盾、夢、錯誤――を薄めてしまう。


わたしが受賞したら? もちろん、出席する。式の壇上でポケットから砂を取り出し、それを壇上に撒くだろう。理由は訊かないでほしい。理由があるとすれば、それは文学的なものではない。砂は、ただ撒かれるためにあるのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安部公房 箱男 KoboAbe AI ChatGPT
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ