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ずっと、ずっとこのままで。
中学2年生、夏。
私たちは、大人から見れば『わからないもの』に見える……ようだ。
テレビにラジオにネットに両親、全員が全員、私達を『わからないもの』にして、何かを論じている。
それを私達は聞き流して、毎日を過ごしている。
呼吸。
脈動。
熱。
温室の様な教室の中で、アンバランス存在を維持して生きている。
そんな自分が、クラスメイトのあの娘を見る度に胸を高鳴らせる。
この気持ちを話しても、誰も理解してくれないだろう。
でも、理解なんていらない。
あの娘に恋ができるなら、このままでいい。
ずっと、ずっとこのままで。




