表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合百景 ~二分で読める百合短編~  作者: 荒井チェイサー
128/137

うーごーくーな!の理由

「うーごーくーな!」

早織が私に叫ぶたびに、ポーズをし直す。

「そう言われて、智菜っちこのポーズはしんどいですよ」

「口も動かすな!」

「無理だって!」

「なんなら息もダメ!」

「死んじゃう!」

コントのようなやり取りをしつつ早織の言われるままにポーズをとらされる。

「ねえ……なんで私ばっかりモデルなの?」

「別にいいでしょ」

「他の人に頼んでもよくない?」

「よくないから頼んでるんですけどね」

「なんで皆、嫌がるんだろうね」

「嫌がってないよ」

「は?」

「早織以外にモデル頼んだことないし」

「え、そうなの!?」

「動くな!」

「いや……ビックリした」

「言ってなかったからね」

「言ってほしいよ。っていうか、他の人誘ってみなよ。もっといい絵が描けるかもしれないじゃん」

「あー……なるほどね」

「ね、だから」

「でも私は早織を描きたいんだよね」

「え?」

「モデルを描きたいんじゃないの。好きな早織に色々ポーズとらせて、それを思いきりかわいく描きたいんだ」

智菜はニコリと笑い、私は顔が真っ赤になっていく。

思わず手で顔をかくしたら、彼女は優しい口調でこう言った。

「うーごーくーな」

そっと近寄ってきて、真っ赤な私にキスをしてまた絵を描き始める。

ポーズは崩さなかった。

だけど、こんな真っ赤な顔でいいのかな……って、思っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ