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百合百景 ~二分で読める百合短編~  作者: 荒井チェイサー
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どうか神様。

戸惑うのも、悲しいのも、全部忘れたい。

というか、喜怒哀楽を全部なくしたい。

私が木乃香のことが大好きで、あの子が私を見てくれないから、忘れたい。

だってそうすれば、あの子は私のやることなすことを気にしなくて済む。

それでいいじゃない。

そうでもしないと、気が持たない。

これが「惚れた弱み」だとは思う。

だけど、叶わない恋を知る身としては、弱みもクソもない。

ただの呪いだ。


「香住、好きよ」


あの子はさっきもそう言って私に抱き着いてきた。

それが本気かどうかなんて、考えられない。

だって、本気だって思いたくなるから。

もっと苦しくなる。

もっと愛しくなる。

だから、私の感情を無くしてほしい。

そんなことを毎日思う。

でも、毎日あの子の顔を見ると笑ってしまう。

あの子がかわいいから、どうしようもない。

いっそ好きと言えればいい。

だけど、私は臆病だから、このままハリボテの「普通」を歩く。

だからこの願いを叶えてほしい。

お願いだから、どうか神様。

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