表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かのじょにせつなき青春なんてにあわない~世界から忘れられた歌姫を救いだせ~  作者: すずと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/45

第40話 空っぽの夢

 夢、なんだと思う。


 これは俺が眠っていて、夢を見ているんだと思う。


 目の前で気になるあの美人が歌ってくれている。


 大阪梅田の歩道橋でストリートライブをしてくれている。


 その時、スカートの中からいちごパンツがこんにちはをしてくれた。


 かと思っていると、場面は海へと切り替わる。


 景色だけが変わって、波打ち際での単独ライブ。


 まるで編集が下手くそなMVみたいな光景は、やっぱり夢だと思う。


 彼女は周りの景色など気にする様子もなく歌い続けた。


 空っぽだ。


 この夢にはなにも詰まっていない。


 悲しいくらいに、なにも詰まっていない──。







 ふと目が覚める。


 寝起きは良かった。こんなにもあっさりと意識が覚醒する日なんてのも珍しい。


 寝起きだから、断片的に夢の内容が思い出せる。


「歌……」


 気になる彼女のストリートライブ。


 名前も知らない彼女の単独ライブ。


 左目から涙が流れて来た。


 しかしそれはなんだか空っぽな気がして。自分でもなんで泣いているのかなんてわからない。


「……って、今、何時よ」


 涙を拭いて時間を確認しようとする。


 こんなにも寝起きが良いなんて、もしかしたら寝坊の恐れがあるのではないだろうか。


 ドキッとしながらスマホの時計を見た。


「五時、って……。五時ってぇ……」


 どんだけ早起きなのよ、俺。スマホを握りしめて、ヘナヘナと枕に顔を埋める。


 冷静に考えれば、あの未来が寝坊を見逃すわけがない。俺が起きるまで叩き起こすはずだ。


「それにしたって五時起きなんて、早起きが過ぎるぞ、俺」


 まだ二度目ができる時間帯だ。でも、完璧に覚醒を果たしているために、二度寝をしようとする気など起きない。


「美人のいちごパンツで世津くん興奮したってか? 小学生かっ!」


 自分自身にツッコミを入れてみたりして。本当にいちごパンツで早起きなら自分自身に呆れちまうな。


「シンデレラ効果、か……」


 カフェで聞いた彼女の言葉。


 気になる美人が言った言葉が気になってスマホを操作する。


 次こそはシンデレラ効果を出汁に、彼女とお近づきになってやる。

そんな欲まみれな感情で検索エンジンに、『シンデレラ効果 歌姫』なんて打ち込んでみた。


 歌姫だなんてワードはどこから来たのか。多分、夢の内容からだろう。


 シンデレラ効果ならなんでも良いかと思いながら、掲示板のまとめサイトに入る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] そんな探し方で、案外見つかってしまうものだったり?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ