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無
わけも分からず生きている。
私は誰だ。ずっと問いている。
年を重ねても不安は消えない。
どれだけ満たしても、未来は見えない。
否定され続けた人格の成れの果て。
適応するための空っぽの心。
磨耗に慣れて、流される日々を、無感動にずっと眺めてた。
俯瞰する己を偽って、どうにか笑う。
本当の私はどこにいるのか。
幼い頃に削りきった記憶はもう朧気にしか残っていない。
誰にでも成り代われる時代の中で、私の手の中にあるものは何だろう。
言葉も好きじゃない、何も好きじゃない。考えることすら一人で出来ない。
何もない人形のように、曖昧な表情で踊ってる。
寄りかかることすら私は出来ない。
与えるものが何もない。
生き方なんて誰も教えてなどくれない。
望めど泣けど、何もない。
空洞の私は今日も笑う。
流されど、答えは見えないまま。
答はどこにもない。




