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第9話 仲間たちのその後1

 もぐもぐ……ゴックン

 セリアの屋敷で夕食をごちそうになっているんだが……うまい!

 セリアは現在上級貴族であり公爵だと言う。

 俺にはよくわからんがセシリアさん曰く

 イングランド王国1、2を争う貴族らしい

 なので出てくる食事も一流どころなのだろう。

 とにかく、今はこの豪華な食事を楽しむことにした。


 食事が一段落し俺は食事の余韻に浸っていたところセリアが話しかけてきた。


 「30年後のこの国はどうでしたか?」


 「活気がよくていい国になったな。俺が知っているロンドンの街じゃないみたいだ」


 俺が知るロンドンの街の住人はほとんどが死んだ目をした人間が多かった。

 店もほとんど閉まっている状態だったからな。


 「ヒミコが倒れその1年後にアルト様が王になられ少しずつですがこの国は変わっていきました。」

 

 「そうか……アルトもがんばったんだな」

 

 一緒に旅をしていたアルトは苦労知らずのボンボンだった。

 だが旅を続け理不尽な税率で苦しむ人々や疫病で苦しむ人々と関わり、何もできない自分を悔しがっていた。

 そして戦いが終わったら自分の地位を利用して平和な世界を作ると言っていた。

 俺の仲間で一番変わったのはアルトだろう。

 その成果が今の豊かなイングランド王国なのだから。

 

 「他の連中は何をしてるんだ?」

 

 「シアン様は十字教会の教皇になり、ヴァンヘルト様はフランス帝国宰相になられ、リョウ様はドイツ帝国皇帝になられています」

 

 みんな出世してるんだな。


 シアンが十字教会の教皇か。

 パイオニア大陸で信仰されている宗教だ。 

 俺たちと一緒に覗きしたり、カジノですっからかんになりパンツ一丁で追い出されたシアンが十字教会の教皇か……笑える


 ヴァンヘルトはフランンス帝国の宰相か。

 最初の頃は戦いが嫌ですぐに逃げ出していたんだがな。

 上級魔術師で風魔術を得意で旅を続けていくうちに俺や遼から剣術を教えるといつの間にか俺を超える剣士になっていた。 また頭の回転はよく戦いの作戦や買い物等の値切り交渉、今後の方針などで活躍してくれた。


 で……遼が皇帝?

 聞き違いか?


 「遼がドイツ帝国の皇帝」


 「はい、21年前ドイツでは上級貴族数名が大規模なクーデターをおこし、皇帝ミハエル2世が当時客将として滞在していたリョウ様に鎮圧を命じられ、わずか20日でそのクーデターを鎮圧されました。その褒美としましてミハエル2世に1人娘のエリザベート王女と婚姻しそのまま皇帝になられました。リョウ様の手腕で今やパイオニア大陸でイングランドに次ぐ大国になられました」


 「すごいな……」


 リョウ・クサナギ俺と同じ世界からきた人間だ。

 漢字で書くと、草薙 遼。

 俺の幼馴染で剣術ではライバルらしい。

 遼は俺をライバルと見ている。

 俺と遼の対戦成績は1勝315負……

 まぐれで1回勝ったのだがあとは全敗なのだ。

 これでライバルと言われても悲しくなるよ俺。

 遼は今まで俺以外に負けたことがない天才剣士だ。

 だがあの負けがあったからこそ今の自分があると言っていた。

 俺にはわからないが……


 遼は、一緒に学校に通っていたときに俺の召喚に巻き込まれこの世界連れてこられた被害者だ。

 俺はヴァッキンガム宮殿のあやしい部屋に召喚されたが、遼はフランスのル・アーヴルと言う港町に飛ばされていた。

 俺と遼が再開するのは召喚されて1年後だった。

 再会した遼は見た目はイケメンのままだったが鍛えられた体にワイルドな雰囲気なつていたが内面は変わっていなかった。人あたりがよく、困った人を見過ごせないやさしい男だ。

 俺より身長は高く、顔もよく性格もよく女性にモテる……親友でなければ「死ねリア充」とつばを履くだろう。

 だがそんな言葉は絶対はかない。

 なぜなら俺と遼は親友だからだ。

 遼本人には恥ずかしくて絶対言わないいが遼は平然と俺に


 「綺羅は俺のかけがえのない親友だ」


 と真顔で言う。

 俺が女なら惚れてるな……マジで。

 そのリョウがドイツ帝国の皇帝なるなんてびっくりだ。



 「お会いしたらビックリされると思いますよ」


 「髪がなくなりハゲにでもなってるのか?」


 髪の毛がなく年取った遼を想像してみるが……

 普通にカッコイイんじゃないかな

 

 「ふふ、髪のないリョウ様も見てみたいのですがちがいます」

 

 う~んなんだろ

 セリアは俺の考えてる姿が可笑しいのだろうか、にこやかに笑っている。

 

 「実は今のキラ様と同じで歳をとっていないのですよ」

 

 「歳をとっていない?不老てことか」

 

 「だと思います。1年に1度はお会いするんですがあの頃のままなんですよ……うらやましいです」

 

 セリアの最後の言葉は聞かなかったことにして

 俺や遼は歳を取らないのか?

 だが俺の場合はあの闇世界にいたから、参考にならんな。

 アルトに会ったら次は遼にでも会いに行くかな。



 「最後にネイなんですが」


 「ネイがどうした、迫害に会ってるとかじゃないだろうな」


 首をふるセリア


 「じゃーなんだ、気になるじゃないか」


 「ネイは今ジパング学園都市の市長権理事長をしています」 

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