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間話9 ヴァンヘルト・クシュリナーダ 1

 俺の名はヴァンヘルト・クシュリナーダ


 30年前に異世界から来た少年から青年に変わったキラ・イチジョウと共に暗黒女王ヒミコと戦い倒しかけたがヒミコが道連れでキラを闇の世界に連れ去った。

 キラは生死不明の行方不明になった

 人々は世界を救った者としてキラを英雄と呼ぶようになった。

 俺と他の仲間は6勇者と呼ばれるようになり各国から士官の話があったのだが、

 俺には先約があったので断った。

 

 先約とはフランスクーデタ後に王となった旧友ルイ13世との約束だ。

 クーデタ後の祝勝会でルイ13世に


 「ヒミコ討伐後、一緒にフランスの復旧を手伝って欲しい」


 と言われていたからだ。

 祖国の復旧を手伝うのは当たり前だと思った俺は


 「わかりました、我が王」


 クーデタの1年後ヒミコを倒した俺は祖国フランスに戻った。

 戻った俺を喜んで迎えてくれたルイ13世は自分の護衛銃士として俺に任命した。


 護衛銃士は我がフランスが開発した魔銃を装備した騎士のことだ。

 魔銃はキラが持つ魔人剣に匹敵するぐらいの貴重な武器だ。

 作成に国家予算3年分が必要でしかも完成するかどうかわからない武器だからだ。

 なのでむやみに作るわけにもいかない武器だ。

 現在魔銃はフランス国内で5丁しかない。

 世界でもイングランドに1丁、イタリアに1丁、ロシアに1丁しかない。

 当時フランスで所持している者は今いる護衛銃士3人だけだ。

 その護衛銃士の4人目として俺は選ばれた。 


 護衛銃士になった俺は常に王と共に行動していたので、たまに王から政治的案件について質問されていたので俺なりに考え答えたりしていた。

 その答えを聞いた我が王はなぜその答えになったか理由を聞いてきたのその理由を伝えると満足して頷くこともあれば、もう一度考えて答えを出してこいと宿題を出されたりした。

 俺は自分で言うのもなんだが頭が悪いので宿題を出されてもほとんど答えが変わらなかったが、


「わからないなら自分1人で考えず仲間を頼ればいい。そのための仲間だよ。『1人はみんなのために、みんなは1人のために』て俺がいた世界にあった言葉だよ。いい言葉だろ」


 ドヤ顔でその言葉を言ったキラを思い出した。

 俺は同じ部署の護衛銃士や知り合いの文官や武官に宿題の内容を伝え意見を聞いた。

 いろいろな答えを聞き俺はその答えをヒントに答えを出しそれをうまくまとめ後日王に宿題の答えを伝えた。

 答えを聞いた王は満足な表情で頷きまた俺が他の人間から意見を聞き最終的にこの答えになったことを伝えると驚き、嬉しそうに頷いていた。

 俺としては他人に頼ることで怒られるかと思ったのだが……よしとするか。

 

 仕えて10年後に何故か宰相になっていた。

 落ちこぼれだった俺が宰相だぞ……

 自分で言うのはなんだが大丈夫かこの国は。

 俺には無理だと辞退しようとしたが我が王に

 

 「お前意外できる者などいない」

 

 どうやらこの10年は護衛銃士と同時にいろいろ勉強させられていたみたいだ。

 なかなかの策士だな我が王も。

 俺が宰相になり無我夢中で働きいつの間にか20年が経っていた。

新年あけましておめでとうございます。


本年もよろしくお願いします。

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