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間話7 魔人シヴァの優しさ

 本日はアリス姫たちの遠足の日です。

 アリス姫の右手にに綺羅様左手、左手にイフリート右手をつないで楽しく遠足に向かわれました。

 本当ならアリス姫の左手は私の右手が繋がっているはずでした。

 

 ミズチを引き取って4日経ちますが未だに目を覚ましません。

 実はここに連れてきた時はミズチは少し危ない状態でした。

 イフリートがミズチに魔力を分け与えることで少しずつですが回復しました。

 綺羅様達はかなり心配しておられましたが、

 イフリートはケラケラ笑いながら

 

 「大丈夫だから心配しなくてもいいわよ」


 と伝えたことで綺羅様たちは安心したようです。

 この4日間でミズチの症状が良くなりあと1日か2日経てばミズチも目を覚ますでしょう。

 イフリートもさすがにいろいろ疲れているみたいです。

 ミズチに対して何もできない私は申し訳ないと思っています。

 また4日間私が綺羅様とアリス姫を独占していました。

 ミズチに魔力を与えなくても良くなったので私が看病しても良いので

 明日の遠足は私でなくイフリートに行ってもらうことにしました。

 でも私とイフリートが変わるにしても理由が必要です……

 しかし何も理由が浮かびません。

 適当に屋敷の用事があるのでと言いましょう。

 遠足の前日の夜私は綺羅様に


 「明日の遠足なのですが、本来私が同行する予定でしたが、屋敷で用事ができましたのでイフリートを同行させてください」


 「……ああ、わかったよ」


 そう言って綺羅様は優しそうな目で私を見ています。

 多分ですが私の意図を読まれていると思います。

 でも綺羅様は何も言いません。

 言うと私が言い返すのを知っているから。


 私が部屋に戻ると部屋の前にイフリートがいました。


 「なにか?」


 「別に、通りかかっただけだわ」


 嘘をつかないで欲しいです。

 私もイフリートがなにをしに来たのかある程度わかっていますがあえて言いません。


 「明日、あたいが綺羅たちと一緒に遠足に行ってもいいの?」


 「あいにく、私はあなたと違っていろいろしないといけないことがあるんです。4日間屋敷のことをほったらかしでしたのでやることがいっぱいなんです」


 「そう……なら明日は楽しませていただくわ」

 

 イフリートは頷き微笑む。

 

 「絶対に綺羅様達に迷惑はかけないでください」


 調子に乗ると何をするかわからない魔人ですから言っておかないと。


 「さあ、どうかしら……じゃあね」


 手を振りミズチのいる部屋のドアを開け中に入る瞬間目が合い


 「ありがとうね……」

 

 聞こえるかどうかわからない声でイフリートは感謝の言葉を言いました。

 初めてです。

 イフリートに感謝されるのが。

 その言葉を聞かせてもらっただけで変わってよかったと心から思いました。


 3人とも遠足を楽しんできてくださいね。

 私は本日メイドとして屋敷内の業務を頑張りたいと思います。 

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