第40話 ネイとシェリル3
ネイとシェリルさんの引越ししてくる日に、入学式で会ったダークエルフ3人も手伝いに来ていた。
ダークエルフ3人は俺に挨拶するのだがなぜか睨む。
俺に恨みでもあるのか?
そう考えてしまう。
そして今日初めてあった2人のエルフと2人の女性ダークエルフも言葉は丁寧だが俺を上から目線で挨拶をしている気がした。
(エルフ族は基本人間を見下している人が多いので、彼らもそうなんでしよう)
(でも、ネイはキラや自分の気に入った人限定だけどシェリルはエルフ族にしては人間を見下したりしないわね)
なるほど、そういえば前の世界で読んでいた小説や漫画にでてくるエルフは基本人間を見下すものが多かったきがする。
(でも近くにいるのになんでテレパシーで会話してるんだ)
(エルフは耳が長いせいか小さな音量でも聞きとれるの、だから)
長い耳は飾りじゃないんだな。
荷物はそれなりにおおかった。
俺と魔人コンビで引越しの手伝いをもうしでると
アリスも引越しの手伝いをするといい、軽い荷物を持たせて運ばせた。
ネイとシェリルさんには北東の屋敷を使ってもらうことにした。
最初は俺たちが住む南東の屋敷に2人共住んでもらおうと思ったのだが
女性のダークエルフ2人と男性のエルフ1人と女性のエルフ1人もこの屋敷に住むことになった。
もともとネイが住んでいた屋敷の使用人兼護衛役のエルフたちで、
ネイとシェリルさんがこちらの屋敷に住むことになるので、
お役御免になる彼らにかなり多い退職金と仕事の斡旋を申し出たところ
彼らも一緒に連れて行って欲しいと言いだしたのだ。
ダークエルフの2人はネイに、
エルフの2人はシェリルさんのために、金銭はいらないただお側で働きたいと言っているのだ。
使用人たちの訴えに困っていたネイとシェリルさんは俺に相談を持ちかけてきた。
「なら2人がここに住まなければいいのでわ」
とアドバイスをするとネイの額に血管が浮き出て本気で俺を殴りかかろうとしたところをシェリルさんとアリスが引き止めた。
「もう少しネイ様のことを考えてください」
シェリルさんは強い口調で俺を避難した。
確かにヒミコとの戦いが終わったら一緒に暮らす約束をしたが
30年経った今も一緒に住みたいものなのかな?
俺はどっちでもいいが……
とにかくネイたちの使用人をどうするかだが
なぜ彼らはそこまでネイとシェリルさんに忠誠を誓うのだろう。
答えは簡単だった。
ダークハイエルフはダークエルフ族の王族を意味するとネイから聞いた。
そして現在のダークハイエルフはネイ1人しかいないようだ。
入学式で出会った3人のダークエルフがネイを女王と言っていたのに納得が言った。
ネイ自身一族をまとめることなど興味がないみたいだが、他のダークエルフはそうもいかないみたいだ。
ネイには身分の高いダークエルフと結婚し子を宿し一族を盛り上げて欲しいと言われている。
ネイは興味がないといい断っているが一族の方々はそう簡単に諦めるわけにはいかないようだ。
エルフ族は長寿なので気が変わるのを気長に待つ事にした一族は何人かのダークエルフを学園都市で生活させネイを見守り、また一部のダークエルフはネイの下で使用人、護衛として働いていたのだ。
だが俺が戻ってきたことで状況が変わったみたいだ。
家族として接している俺たちにもし男女の関係に発展し子供でもできたら厄介なことになるらしい。
ほかにもいろいろあるみたいだがネイはそれ以上話さなかった。
「じゃあ使用人たちもここに住めばいいんじゃないの?」
話を聞いていた屋敷の主アリスはあっさり解決策を言ってくれた。
「しかし・・・・・・」
アリスの答えに困惑するネイ。
「北東の屋敷をネイさんとシェリルさん、あと使用人の方々で住めばいいよね」
「いいのか?」
「うん」
「・・・・・・ありがとうアリス」
ネイたちの使用人はアリスの屋敷で雇うことにした。
でないといろいろ問題があるみたいだ。
こうしてネイとシェリルさんの使用人たちも一緒にこの屋敷に住むことになった。
ある程度荷物整理が終わる頃には夕日が沈んでいた。
今日の夕食は俺、アリス、シヴァが用意した。
中庭でのバーベキューだ。
肉と野菜を串に刺しタレをつけてただ焼くだけのシンプルなものだ。
ダークエルフの3人組は用事があると言って帰っていった。
最初は野蛮だとエルフの使用人たちは言っていたが、
ネイとシェリルさんに進められて食べると、
「見た目も食べ方も野蛮ですが・・・・・・食べれなくもありません」
エルフて基本ツンデレなのか?
とにかく気に入ってもらえてよかった。
食事が終わり片付けをしようとすると、2人のエルフと2人のダークエルフが自分たちがすると主張するので任せることにした。
アリスは眠くなったみたいでイフリートがお姫様抱っこで自室まで連れて行った。
それは俺の役目じゃないの?
俺たちは応接間に移動しシヴァの入れてくれたお茶で一息つく事にした。
「ネイたちの使用人兼護衛は料理はできるのか?」
「掃除とか洗濯はできるけど料理は無理ね」
「じゃあ、今まで料理はネイたちが作っていたのか?」
「コックを雇っていたから」
「なるほど」
「今後はどうするんだ」
「もちろん私たちが作るわそれがこの屋敷に住む条件なんだもの」
・・・・・・なんか変な感じがするが、まあ気にしないでおこう。
「とにかく今日からよろしくな」
「こちらこそ」
少し話をしたあと時間も時間だったのでお開きになりネイたちは北東の屋敷に、俺たち南東の屋敷に戻った。
読んでくれてありがとうです^^




