第29話 イングランド王国第1王女クリスティーナ
俺は途中でシヴァと合流して第1王女たちの住む屋敷に向かった。
クリスティーナ王女が住む屋敷は俺たちが住む屋敷から徒歩で20分ぐらい着いた。
「ここが第1王女たちの住む屋敷か」
「みたいですね」
買い物の帰りのため食材を持ちながら答えるシヴァ。
荷物を置きに帰ろうかと思ったのだが、もう一度戻るのはなんだかカッコ悪い気がしまして。
「でかいな」
「大きいですね。見たところ私たちが住む屋敷の2倍はありますね」
「……イングランドは金持っているんだな」
俺たちが住む屋敷でもかなり大きのに、その倍の大きさがある屋敷を所有してるなんて
「この屋敷はイングランド王家のものでなく、第1王女の実家の屋敷みたいですよ」
「え……マジ」
「マジです」
王家の所有する屋敷より大きな屋敷を持ってるてどうなの?
「確か第1王女が学園都市に入学することになったので作られたと言われています」
「王家の屋敷より家臣の屋敷の方が大きいて普通問題になるんじゃないのか?」
「普通はダメだと思いますが、まあ王位継承権第1の王女が住むのだから問題ないとかで話が纏まったみたいですよ」
いいのかそれで?
アルト王の考えもあるし……まあ俺には関係ないからいいか。
今はそれよりもやるべきことがある。
俺たちは門番に近づき敬礼をし
「失礼する、俺はアリス王女の護衛騎士キラ・イチジョウだが、第4王女エルシード、第5王女セイラ王女に会いたいんだが」
門番も敬礼をし
「ハッ、只今両姫は外出中でありまして」
「いつ頃お帰りになる」
「わかりません」
「……」
このやりとりは2日前もしたやりとりだ。
「でわ、帰ってくるまでまたしてもらってもいいか」
「私では判断できません」
「なら、判断できる人間
に聞いてこい」
「ハッ」
俺の強い口調で門番の1人が屋敷内に駆け込んでいった。
もう1人の門番はオロオロしているだけだ。
5分ほど待たされ門番の兵士と一緒に鎧でなく軍服を着た男が門の前までやってきた。
「お待たせしまして申し訳ございません。私は第1王女クリスティーナ様の護衛騎士をしています、ハンス・オレンジ准尉と申します」
「アリス王女の護衛騎士、キラ・イチジョウ大尉だ」
ハンス・オレンジ准尉は年齢は多分俺より上だろう。身長は俺の頭1つ分ぐらい大きく、髪型はオールバックでメガネをかけている。
いかにもエリートみたいな感じの軍人だ。
「大尉、門番が先ほどお伝えしたのですが姫たちは現在外出中でお戻りになる時間もわかりません」
「だから帰ってくるまで待っててもいいかと聞いているんだが」
「それわ、ちょっと……」
今日の俺は機嫌が悪いし怒っている。
「なんだ、これだけ広い屋敷なら俺たちが邪魔にならずに待ってられるぐらいの1部屋ぐらいあるだろう」
「……」
ハンスはどういって俺を追い返そうか考えているみたいだ。
階級は俺の方が上だし、フェリスの称号をもつ俺を邪険にするわけにもいくまい。
それに俺の感だとエルシードとセイラは屋敷にいる。
だから、俺がこの屋敷で彼女たちの帰りを待つことに具合が悪いのだ。
さあどうする?
「ハンス、クリスティーナ様がお会いするとのことなのでキラ殿を謁見の間に」
奥からやってきたのは軍服を着た40代ぐらいの横幅が広いおっさんだった。
「失礼します、私はこの屋敷の警備責任者のホワイト・オレンジ大尉であります」
ハンス・オレンジ順位の父親だろうか?
「アリス姫護衛騎士兼『フェリス』のキラ・イチジョウ大尉です」
なぜ『フェリス』名乗ったかと言うと同じ階級でも俺の方が立場上、上になるからだ。
「第1王女には用はないが」
「エルシード様とセイラ王女のことでのお話を聞くと仰られていますが」
クリステーナが首謀者なのか?
ならエルシードやセイラから話を聞くよりもクリスティーナから話を聞くのがいいだろう。
「わかった、案内してくれ」
「でわ、こちらへどうぞ」
俺たちはオレンジ大尉の案内で謁見の間に向かった。




