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【本編完結】君の悪夢が終わる場所【番外編不定期更新】  作者: 蓮蒔
番外編

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ノイ一族と金髪侯爵令息・中編

「っていう感じ」


 昨日の創立祭の後片付けのために生徒は登校しているのだが、さーやるぞー!と張り切っていたマルクスは早々に中央より派遣された騎士と文官に拉致られて事情聴取となった。

 幸いな事にベルント・ゲルラッハ侯爵令息の事情聴取が先に済んでいたのもあり、マルクスの話は齟齬がないかを重点的に確認されただけで余りしつこくは聞かれなかった。

 改めて喋りながらやっぱり聖女候補の言動の意味はわからないなとマルクスは感じたのだが、文官は先日のベルントの聴取にも立ち会ったらしく、齟齬がないかを確認しただけで余り深くは突っ込まれなかった。向こうも言動に辻褄が合わないのは承知の上なのだろう。これはイリスやヴァイス、ロートスも聴取されるかなと思いながら、解放されたマルクスが廊下を歩いていると突然腕を掴まれて生徒会室に文字通り引きずり込まれる。

 腕を掴んでいたのはベルントだったので、聴取の話を聞きたいのかなと納得してマルクスは大人しく生徒会室に入ったのだが、そこにオリヴァー・ゲルツ伯爵子息や、オスカー・クレマース伯爵子息がいることに面食らった。

 そして聞かれたのは聴取の話ではなくイリスとヴァイスの婚約の話。

 そっちなの!?とマルクスは思ったのだが、とりあえず馬車停めでの話を一通り話したのだ。

 見間違いじゃなかったのか……と顔を赤らめながら呟いたオスカーと、見たかった……と顔を覆うオリヴァーにマルクスが驚いたのも仕方がないだろう。二人とも反応が予想外だったのだ。

 元々オスカーはロートスをライバル視しているのもあり、その姉であるイリスに対しても冷ややかなイメージであったし、いつも生真面目で冷静なオリヴァーが顔を覆って震えている姿など言ってしまえばどうしちゃったの?と聞きたいぐらいである。


「……神殿での手続きも完了しているか……早いな」

「うん。学園に書類も出しに行くって言ってたから」


 例えばダンスの授業などでは学年が同じであれば婚約者同士で優先的に組み合わせを決める等、学園の方へ神殿の発行する婚約締結書類を提出すれば優遇される場合がある。公的な書類なので、本来ならば発行まで日数がかかる事も多いのだが、事前に依頼やその他細かい書類を提出していればイリスとヴァイスの様に即日発行も可能である。

 朝に会った時、ヴァイスに提出しに行くと聞いていたマルクスがベルントの言葉に頷くと、彼は金色の髪をかきあげて満面の笑みを浮かべた。


「一つ問題が片付いた!」

「そうなんだ!?お前の親父さんに関係あるのイリス様の婚約!?」


 第二王子の方が片付いたのならともかく、既に中央から距離を取っているノイ伯爵家の婚約等関係ないのではないかと思いマルクスが首を傾げると、ベルントは満面の笑みを浮かべたまま口を開いた。


「少なくともノイ伯爵家は国内に留まる」

「まぁ、ヴァイス様はミュラー商会継ぐし、イリス様は輿入れするからそうか。今後のミュラー商会の税収は確保される感じ?」

「しかもありがたいことにヴァイス様とイリス様は政略的な繋がりじゃない。イリス様が望んだなら、ノイ伯爵家は確実にヴァイス様囲いに行くだろうし」

「どっちかって言うとミュラー伯爵家がイリス様娶る気満々だったけどなぁ」


 若干自分の感覚と齟齬がある気はしたが、政略的な婚約ではないという所には同意できたマルクスは小さく頷く。

 そしてそこまで黙って話を聞いていたオリヴァーは小声で確認するようにマルクスに尋ねた。


「その……ヴァイスとイリス嬢はお互いに思い合って……という事ですよね?」

「はい!イリス様はヴァイス様大好きですし、ヴァイス様も今日の感じだと、寧ろ今までよく表に出してなかったな的な感じでした!」

「あー。ホント。今までよく一線引いて接してたよね。仕事で一緒にいるって顔してたくせに蓋開けてみれば全部イリス様につぎ込んでいいって思うほどべた惚れとか……僕も教会での一件がなければ寧ろ政略的な部分疑ったかな」


 けれどイリスは自分の幸せにはヴァイスが必要だと言い放ち、ヴァイスは己の全てをイリスにつぎ込んだと言っていた。言ってしまえば両片想い。

 だったらさっさと第二王子との婚約破棄が決まった段階でヴァイスがイリスを望めば己も己の父もノイ伯爵家の動向に神経を使わなくても良かったのにと一瞬ベルントは考えるが、実際の所そうなれば今度は聖女候補の方が不穏になっていただろうと言うことも同時に思い至った。

 ドン引きするほどヴァイスに執着していた聖女候補。

 彼女からイリスを守るために直ぐにとは行かなかったのだろう。

 そんな事をベルントが考えていると、マルクスはオリヴァーに問われるまま色々と話を続けていた。

 神殿での婚約手続きに参加できなかった先代ノイ伯爵と嫡男が明日のお披露目代わりにヴァイスとイリスが参加する夜会には出席する事や、卒業後には婚姻式を盛大に行うなどめでたい話。一緒に話を聞いているオスカーも、慶事に思わす表情を緩めている。

 貴族達にはまだ話は広がっていないだろうが、今日の学園での話を子から聞けばあっという間に広がるだろうし、夜会に行けばそれが噂ではなく本当だと確信するだろう。


「夜会は大騒ぎになるだろうね」


 ポツリと呟いたベルントの言葉にマルクスは小さく首を傾げた。


*******


 大急ぎで帰宅したベルント・ゲルラッハ侯爵令息は家令に父親への取次を頼む。

 中央で財務の仕事をしている彼の父親は第二王子の婚約破棄騒動から馬車馬のように働き、金策に奔走していた。いつもなら王城の執務室に詰めているのだが、今日は明日に行われる今期最後の王家主催である夜会の準備の為に帰宅していた。


「お忙しいところ申し訳ありません父上。もうご存知かもしれませんが一応ご報告をと思いまして」


 数ヶ月前より随分頭髪含め痩せた父親に視線を送りながらベルントはにこやかに笑う。それに対し侯爵が不思議そうな顔をしたのは、一昨日にまた聖女候補がやらかした為にベルントの機嫌が最悪であったのを知っていたからである。

 無論侯爵自身も学園で起こった事件に関しては耳にしているし、今後の方針に関しても余計な仕事が山積みとなったわけなのだが。


「あらあら、ベルント。ご機嫌ね」


 うふふと笑ったのは侯爵夫人。ベルントに受け継がれたその可愛らしい容姿は小柄な体躯とあいまって庇護欲をそそる。子持ちとは思えないその外見。風切姫が軍属の大輪の華とかつて謳われていたが、彼女は社交界の妖精姫とまで言われていた。その彼女の心を射止めたのがゲルラッハ侯爵だったのだ。


「どうした。聖女候補への対応の件は神殿から報告が上がっている。学園の方も決まったのか?」

「別件……といえば別件ですね。関係はありますが」

「ほぅ」

「ヴァイス・ミュラー伯爵令息とイリス・ノイ伯爵令嬢の婚約が正式に整ったようです」

「何!?本当か!!」

「はい。神殿からの連絡はまだですか?」

「昨日の段階では上がっていないな。まぁ、普通なら書類の精査もあって婚約証明書を出すのに数日かかるから正式な発表は遅れるな。明日の夜会に合わせてミュラー伯爵が手回したか?」


 最後の方は独り言の様に小声になったが、侯爵は確認する様にベルントに視線を送った。


「確かな情報か?」

「今朝方ロートス・ノイ伯爵令息が友人であるマルクス・クラウスナー子爵令息にその様な話をしているのを聞いた者がいましたので、マルクス本人に確認しました」


 文字通りマルクスをひっ捕まえて話を聞けば、昨日の朝に求婚して昼には婚約手続き完了というありえないスピードでの成立だったと言う。この話はロートスだけではなく、ヴァイスやイリスという本人からマルクスが聞いたので確かだろうとベルントは父親に報告した。


「よっし!!よくやったミュラー伯爵!!」


 ガッツポーズを思わず取った侯爵の姿に控えていた使用人たちは唖然とする。そんな侯爵の姿を眺め、侯爵夫人はクスクスと笑った。


「これで旦那様の心配も一つ取り除かれますわね」

「イリス嬢がミュラー伯爵家に輿入れすれば、ノイ伯爵家が国を出る事は絶対ない!!最悪の事態は避けられる!!」

「そう言えばオスカー・クレマース伯爵令息がノイ伯爵家嫡男の婚約も整いそうだと言う話もしていました」

「それは一応聞いているが、どこの家の娘を見初めたのか情報が入ってこなくてな。お前は聞いているか?」

「いえ。ただかなりフォイアー様は乗り気の様ですのでまた歌劇の題材が増える様な出会いだったのかもしれませんね」


 侯爵の喜びように苦笑しながらベルントはぼんやりと子供の頃に見た歌劇を思い出す。風切姫と天才の出会いを題材にしたものだ。貴族向けの歌劇だけではなく、庶民向けの大衆劇でも題材にされ、今でも繰り返し上演される。

 風切姫が逝去した時など、最後まで国の為に戦い続け病に倒れ死に至ったという話を追加されたものが上演され皆の涙を誘ったのもまだ記憶に新しい。


「明日の夜会にはノイ伯爵だけではなく先代伯爵とフォイアー様も出席するようですよ」

「あの引きこもり一族が出てくるのか!?」

「これもマルクスの話ですが彼が嘘をつく理由もありませんし」


 イリス様の爺ちゃんと兄ちゃんが神殿での婚約締結に参加できなかったの拗ねちゃって、夜会でのお披露目は絶対行くって急に中央へ来る事になったから伯爵家もバタバタしてるらしくてさぁ。そんな時に遊びに来いってロートス言うんだけど。断った方がいいかなぁ?と言っていたマルクスの脳天気な声を思い出してベルントは思わず笑う。結局イリスは翌日の夜会の準備の為に学園がはけてからミュラー伯爵家へ行く事になっているらしく、家で暇を持て余す事が確定であるロートスに誘われたらしい。別に行けば良いんじゃない?といい加減な事をベルントが言えば、マルクスは彼と別れたあとロートスとノイ伯爵家へ向かった様だった。


「……その先程から聞くマルクス……クラウスナー子爵令息だったか?彼の情報は信用できるのか?」

「ロートスの唯一の友達ですし、ヴァイス様のお気に入りですよ。子爵五男坊の紙くずみたいな爵位ですが、性格的な部分で割りと人に気に入られやすいみたいですね。広げるべき情報は広げて、口を噤むべき情報は口を噤む。その判断能力は悪くないと僕は思いますよ」


 ベルント自体もロートスの友人という立場がなければマルクスなど気にも止めなかっただろう。ただ、ヴァイスやイリスにも気に入られている様であるし、驚いたことにノイ伯爵の覚えもめでたいようだ。

 昨日の創立祭の武芸部門で一回戦を突破したマルクス。新入生が一回戦突破をすること自体が珍しく、その上友達の多いマルクスは、勝利後に沢山の人に祝いの言葉を貰いもみくちゃにされていた。それを何気なく眺めていたのだが、おめでとうという称賛の嵐の中にノイ伯爵が混じっているのに気が付きベルントはその場で倒れるかと思うぐらい血の気が引いた。そして友人の中に何故かノイ伯爵が混じっている事に気がついたマルクスも当然青ざめていたのだが、ミュラー伯爵が直ぐに引きずってノイ伯爵を回収したので騒ぎにはならなかった。保護者も創立祭の見学に来ることが許可されていたので、知り合いの親が混じった程度だと思われたのだろう。それぐらいノイ伯爵というのは社交に出ないので顔が知られていない。

 ヴァイスもノイ姉弟も一昨日の一件があり創立祭には参加していなかったので、恐らく学園長との話し合いにミュラー伯爵とノイ伯爵が来ていたのだろう事はベルントにもわかった。ただ、まだ学園側からはっきりと刃傷沙汰を起こした聖女候補やその取り巻きへの処分は発表されていない。神殿から報告はあったと父親は言っているので、これから王家や学園と落とし所を決めるのかとベルントは考えた。


「……そうか。お前がそう判断するなら優秀なのだろうな」

「優秀と言う程ではありませんが、使えますね。ただヴァイス様のお気に入りなので財務への引き抜きは難しいかもしれません」


 チェッと言うように小さく舌打ちをした侯爵にベルントは思わず呆れる。今後財務の仕事は立て直しの為に増えるばかりなので優秀な人材を確保したいのだろう。例えば創立祭の武芸部門など、軍部の青田買いの為にあるようなものである。

 そして悲しいことに財務という部署はどうしてもミュラー商会と必要人員が被る。全体の金の流れを把握する能力や、調整力、交渉力が必要なのだ。基本平民でも優秀であるなら採用するミュラー商会が貴族の子よりも平民の採用に積極的であるため露骨にぶつかることはなかったが、何度か目をつけていた人材をミュラー商会に囲い込まれ苦渋を舐めた経験が侯爵にはあった。

 だからといって侯爵がミュラー伯爵を嫌っているわけでもなく、寧ろ国の財政を支える商会だと思っているし手腕も認めている。表立って仲が良い姿は見せないが国庫を支える同士であった。

 時代が時代なら外交官でもやらせればその手腕を余すことなく発揮できただろうが、大破壊後の混乱期、他国含め内政重視の方針がとられていたので、結局物流を担う大商会を作ることで国内を支える事に従事していた。

 そのうちミュラー商会をヴァイスに譲った後にでも外交の仕事をすればいいのにとひっそりとゲルラッハ侯爵は思っていた位である。


「あらあら。実質イリス嬢の婚約お披露目ならドレスの色を変えておかないと……」


 ふんわりと笑った侯爵夫人を眺めベルントは不思議そうに首を傾げる。それに気がついた侯爵夫人は可愛らしく笑った。


「今回選んだドレスの色が被ってしまうわ。そうね、青系にしておきましょうか。娘の方の衣装も一応チェックしておきましょう」


 忙しくなるわ、と侍女に指示をだすと小首を傾げてゲルラッハ侯爵に微笑みかける。


「旦那様。離席しても?」

「あぁ。しかし色がかぶるのか?」

「ええ。赤系を選んでしまいましたの。きっとイリス嬢はヴァイス君の瞳の色と同じドレスにすると思うわ」

「急な婚約だがそこまで手回しできるものだろうか……」


 別にドレスの色を変えるぐらい構わないのだが、今までイリスは青系のドレスが多かった様に記憶していたゲルラッハ侯爵は不思議そうな顔をする。

 すると侯爵夫人は僅かに眉を寄せた。


「ミュラー商会に抜かりがあるとは思えませんわ。きっと伯爵夫人が素敵なドレスをイリス嬢に準備しているのではないかしら。……あぁ、もしかしたらヴァイス君の方かもしれませんけれど。旦那様だってわたくしのハレの日にはいつも素敵なドレスを準備してくださったでしょう?」

「あぁそうだな。あのミュラー伯爵夫妻だ。きっといつ婚約に至っても良いように準備していたかもしれんな」


 婚約破棄から三ヶ月ほど経っている。貴族の再婚約としては丁度いい時期にも思えたのもあり、納得したようにゲルラッハ侯爵は頷く。


「まぁ、イリス様もヴァイス様も両片想いだったようですし、時期が来ればと伯爵が考えていたかもしれませんね」

「まぁ!そうなの!?素敵だわ!!てっきり政略的なものだと思っていたのに!!」


 ぱぁっと少女の様に表情を綻ばせる侯爵夫人にベルントは思わず苦笑する。自分も教会での一件やマルクスに朝の話を聞かなければそちらを疑っただろうと思ったのだ。


「詳しくはまだ母上に話せませんが……例の聖女候補の一件で、クッソ重たいヴァイス様からイリス様への思いも、イリス様が己の幸せにはヴァイス様が必要だと言い放ったのも見てますので。政略と言うことはないですね」


 正式に沙汰が決まっていないので、詳しくは父親の方はともかく部外者である彼女に話はできないのだが、要約して伝えれば侯爵夫人は頬を紅潮させる。


「まぁまぁ!重たいのね!!ヴァイス君は淡白そうなのに、きっとイリス嬢に全部つぎ込んでしまうタイプなのね。一途な殿方って素敵だわ」


 そこまで言い切ったあと彼女はすぅっと瞳を細めて言葉を続けた。


「ええ、きっと全力でミュラー商会とノイ伯爵家を支えるのでしょうね。献身的で結構だわ。それはゆくゆくは国を支えることに至るのですもの」


 美しいだけの侯爵夫人ではない。彼女は貴族としては下級であったゲルラッハ侯爵の財務管理能力を評価して己の婿として迎えた。ゲルラッハ侯爵の地位を継ぐのは彼がふさわしいと。

 ふわふわとした言動とは逆に、社交で抜群のバランス感覚を誇るし人を見る目もある。父親であった先代侯爵の手伝いをしていたので財務関係にも強い。そんな彼女は自分より才能のある伴侶を得て、彼を支えることを決めたのだ。


「イリス嬢もノイ一族の血統ですもの。きっと一途だわ。第二王子を支えていた以上にきっとヴァイス君を支え続けるでしょうね」


 そう言った侯爵夫人は満足そうに笑うと侍女と共に部屋を出てゆく。己と娘のドレスを選び直しに行くのだろう。

 それを見送ったベルントはゲルラッハ侯爵へ視線を送った。


「母上も満足の結果の様ですね」

「そうだな。ミュラー商会が安泰というだけで今後の方針も立てやすくなる。ましてや王族教育を受けたイリス嬢を迎えるのだ、国外へ向けて本格的にミュラー商会も動くだろうな」


 他国の文化や言語を学んでいた事は商会の次期夫人としては有利に働くであろうし、魔具の本家という後ろ盾は強い。

 家族に甘いノイ一族が輿入れ先のミュラー商会を今後も重用することが約束されたのだから外貨を稼ぐことに積極的に協力するだろう。


「……第二王子の件はともかく、何とか金策の目処も立ちそうだな。ミュラー伯爵と話をしてみるか」


 本当に安堵した表情を浮かべた父親を眺めて、ベルントは小さく笑った。

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