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80話「地区予選 ~アニマンガーチーム始動!」

 貸し切りされた仮想対戦(バーチャルサバイバル)センターの大広間で開会式が執り行われた。


 今更驚いたのだが、他にも創作士(クリエイター)専門学院が県内に何校かあるとは思わなかったぞ。

 まるで小学校、中学校、高校並じゃないか。

 オレたちはフクダリウスを筆頭に整列して開会式の挨拶などを聞いていた。他の学院のメンバーも同じく整列している。

 アニメのコスプレしてるチーム、魔法少女(男も含む)だけのチーム、イケメンアイドル系チーム、どう見ても出る大会間違えてないかと思う決闘者(デュエリスト)チーム、迷彩服を着た軍隊みたいなチーム、いかにもな黒い三角帽子とローブを着た魔法使いチーム、他にもイロモノが多いがそんな感じだった。


 ふざけた感じに見えるが、それぞれ真剣に取り組んでいるであろう気概がある。

 恐らく各々専門として研鑽してきた創作士(クリエイター)どもだ。面構えが違う。



 トーナメントの組み合わせを決める為のくじ引きが始まった。


 各々の代表となるキャプテンが並んでくじを引いていく。フクダリウスはごつい腕で箱に突っ込んで引き抜く。当たる学院は……、あ!

 まさか“あの学院”とは!! という勿体(もったい)つけた事言ってみる。




 無事開会式が終わり、次の日で授業を終えてオレはヤマミと一緒に学院から外に出た。

 するとオカマサとドラゴリラが「ちょっといいかな?」とオレを呼び止めた。二人は真剣な顔をしていた。

 思わず警戒した。また良からぬ事仕掛けてくるんじゃ?


「……俺たち転校しようと思っている」

「え?」

「せや! 一軍として活躍したいんや~!」


「えぇ唐突っ!!」


 二人の唐突な告白に、思わずビックラこいたぞ。


「もうフクダリウスには伝えているよ。焦っていたがな……。だが、ハッキリ言ってこのまま優勝などしたくない」

「せやせや! ベンチのままは嫌や~!」

「……相棒よ! それは言ってくれるなっ!」


 なんか勝手に二人は泣きながらガシッと抱き合う。相変わらず二人だけの世界に浸ってるなぞ。

 そこまでベンチは嫌なんだな……。

 ってか、戦績的にずっとベンチだと思うし無理もないか。あと下品だし。



「決勝で会うまで敗退してくれるなよ……! 俺は頂点で待ってるぜッ……!」

「せや! あんさんなら、ワイらに追いつけるかもやけどな~!!」

「フッ! どこまで強くなれるか……期待しているよ」


 オカマサとドラゴリラは不敵な笑みで拳を見せてきた。

 相変わらず目線の上だなぁ……。


 滲んだ橙に染まる夕日の下で、オレはオカマサとドラゴリラに想いを馳せた。

 元いた世界から腐れ縁と続いてきた関係……。

 一時期は敵対して憎しみあったりもあったが、最後の最後で清々しい友情の()()で別れられそうで良かった。

 どーせ二人だけの世界でしょ、だし。


「今までお世話になりました! ありがとうございます!」

「ええ! お二人共元気でね!」


「色々とあったが城路(ジョウジ)君とその彼女のこれから先の道行きに良縁と幸福がある事を願っているよ。では君にとって良き人生を……!」

「学院生活そこそこ楽しめたで~! でもホンマ寂しゅうなるわ~!」

「というワケで、俺達は行くぜ…………!!」


「ああ、頑張ってな!!」「ええ!」


 ニッコニコ笑顔でバイバイと手を振り合う。

 そして清々しく(たもと)を分かつように踵を返し、別々の道を歩みだしたぞ。


 ……何なんだろう? この茶番感?




 ────その翌日!


「……突然ですが、オカマサ君とドラゴリラ君は『マニアミリタリー学院』へ転校していきました!」

「「「「えええええええええっ!!!?」」」」


 その翌日、担任の先生がキリッと告げ生徒たちは騒然とした。


「下品でキモいのがいなくなってくれて清々したわ」

「まぁ……、うん…………」


 ヤマミあの二人には冷たいのな。まぁ分かる。

 リョーコはジト目で「あのアホ相変わらずねー」とボソッと。


 フクダリウスは「全くあいつら……」と呆れてたようだが……。


 それからノーヴェンはデート以来、姿を見せていない。

 まだ警察に色々尋問されてるとは思う。

 実を言うとオレたちも尋問されたのだが、巻き込まれただけと判断されて釈放された。

 ただ、ノーヴェンはそうカンタンに釈放されないだろう。不注意とはいえ、お見合い相手を殺してしまったからなぁ……。

 ちな、残りの生き残ったヤクザたちも芋づる式で逮捕されて組織壊滅してるぞ。


 ってか、もう関わりたくねぇ……。



 ついに一回戦の対戦が来た!!


 相手は『スパゲッティモンスター学院』だ!! まさかのまさか!!

 ルールはカンタン! 仮想世界の中で五人チームで対戦して、制限時間内に相手よりも得点を稼ぐ、もしくは全滅させる事で勝つ!



 フクダリウス、マイシ、モリッカ、コハク、そしてオレは気力を漲らせて住宅地を駆け抜けていく。


 すると相手チームがスパゲッティの麺を武器として強襲してきたッ!!

 カルボナーラで凍えるような吹雪が放たれ、ボロネーゼでミート爆弾が連鎖し、イカスミの闇属性による麺の呪縛攻撃、ペペロンチーノによるニンニクの幻惑術と唐辛子の激辛爆炎、ボンゴレの『分霊(スクナビコナ)』アサリによる波状攻撃が襲いかかる!!


「こっちも行くぞおおおおおおッ!!!!」

「ぶっ潰すし!!」

「不運でしたね!」キリッ!

「ヒャッハー!! 皆殺しだー!!」

「おおおおッ!!! 流星進撃(メテオラン)────────ッ!!」


 フクダリウスの『狂戦士(バーサーカー)』としての奮戦が、マイシの火竜王が全てを粉砕する圧倒的力が、コハクの操る無数の九十九紅蓮(つくもぐれん)が、モリッカが青い電撃をまとっての超高速格闘が、オレの同時に等しい一撃必殺の連撃が相手チームを襲撃(しゅうげき)! 猛撃(もうげき)! 大快進撃(だいかいしんげき)──ッ!!


 ことごとく叩き潰され、相手チーム全員バボボボーンと爆散して棺桶化!

 一回戦突破ァァァァァッ!!!! ドーン!

 いろいろ紹介!


『スパゲッティモンスター学院』

 スパゲッティを専門にした学院で、まず調理から始めて会得していく。

 そして『食料系(フード)創作士(クリエイター)』として料理できると共に戦闘など様々な任務もこなせるようになるのが学院の趣旨。

 野外で無からスパゲッティを調理する秘術があるとか噂がある。


 

軽穂(カルホ)ナイラ(魔道士(マジシャン))』

 キャプテン。数々のスパゲッティも作れるがカルボナーラは絶品。

 銀髪ロン毛の長身の男。ツリ目でクール。冷静に戦況を分析する。みんなをまとめるリーダー。

 氷系が得意で、カルボナーラを模した麺系魔法を駆使してダメージを与える。

 カルボナーラ・ウィップ(接近戦用。無数の麺鞭で敵を打ち据える)

 フロズン・カルボナーラ(凍える麺を放流して物量で圧すと共に凍傷を与える)

 アイス・チーズ(ネバネバの氷弾で、敵の動きを阻害すると共に凍傷ダメージ)

 イエローエッグ(黄身っぽい液体を傷に付着すると回復できる)

 威力値:22600


伊賀(イガ)スミミン(暗殺者(アサシン))』

 平均的に美味いスパゲッティが調理できる万能型。

 闇属性のネクラな女子。両目が窺えぬ長い黒髪ロング。猫背。ポンチョで隠れているが巨乳。

 イカスミを模した呪縛魔法で敵を縛り付けたり、ダメージ与えたりする。

 イカスミスパイダー(粘着性のある伸縮自在な黒い麺魔法であちこち移動ができる)

 イカスミホールド(黒い麺魔法で相手を追尾して縛り付けて動きを止める)

 イカスミニードル(黒い麺からトゲを生やす)

 威力値:17600


暮露(ボロ)ネンセイ(弓兵(アーチャー))』

 ボロネーゼにかけては右に出るものがいない。

 無から本物のひき肉を生成できる家系能力は誰もが欲しがる逸材。

 片目だけ出した長い茶髪でネクラっぽい感じするが、実は陽リア充。彼女がいる。他の生徒からも妬まれているが本人は気にしない。

 火系が得意で、ミートを模した肉系魔法で射撃して爆撃する。

 ミートボミング(フライパンから高速で弾き出すつぶつぶで爆撃する)

 フライパン閃月(斬撃を拡大して広範囲を攻撃できる基本的攻撃スキル)

 威力値:21800


戸呂(ヘロ)ロンチー(僧侶(プリースト))』

 料理ではペペロンチーノしか作れないので徹底的に極め尽くした特化型。

 パンチパーマの大柄な男。厳つい顔してるけど女子力が高い。裁縫とか器用にできる。怖がられるのが悩みの種。

 ニンニクミラージュ(強烈な臭いで聴覚から作用する幻惑術。敵の動きを止めれる)

 唐辛子炸裂弾(弾幕を張る以外にも設置して時間差爆発や撃って誘爆させたり汎用性がある)

 威力値:14600


盆剛(ボンゴウ)レイヤ(狩猟者(ハンター))』

 質よりも量で勝負するタイプ。ボンゴレが得意だがそれなりに美味いレベル。

 反り上がった青髪が特徴。イケメン。ナルシスト気質。

 アサリを模した浮遊物体を分身として戦うのが得意。あちこちに潜ませて待ち伏せして迎撃するタイプ。

 自分はなんでもできると酔っているフシがある。

 アサリちゃん(アサリを模した浮遊物体の『分霊(スクナビコナ)』。それぞれと視覚が繋がっている)

 アサリシールド(大きなアサリ型盾を具現化して、攻撃を防ぐ)

 威力値:16600

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