47話「劇場版インドラの野望④」
劇場版ナッセの奇想天外な大冒険!
『インドラの野望 ~選ばれし四人の勇者~』
神秘と文化とカレーの聖地インドで繰り広げられる限界突破の究極バトル!
全ての謎を、真実を、生き様を……その目に焼き付けろ?
燦然と輝く明日をその手で掴み取るために四人の勇者たちは立ち向かう?
後光の勇者・城路クニロー!
彼らの活躍を刮目せよ……、って気付けば一人しかいねぇ!!?
頼むぞ! 最後の勇者!!
ぼよんぼよん、たゆたう二つの双丘で橙色のキャミワンピースが揺れる。肩まで長めの茶髪ショートヘアで、タレ目の大人しそうな少女。
封筒を手に探偵事務所へ向かっていった。
「ん? どうしたぞメグミ?」
中に入ると二人がいた。
黒髪で前髪二分け、黒いコートのやや暗い少年はイスに座ったまま振り向いた。
もう一人は、寒色ツインテールでセーラー服が特徴の引き締まった顔の少女は机に向かって黙々と書類を書いている。
「クニロー! レイ! なんか航空券届いたみたい!」
「……航空券ぞ?」
巨乳のメグミは封筒から二枚の航空券を取り出して、クニローに見せた。
インド行きの航空券で、封筒には誰が送ったかなんて送り主は書かれていない。しかもメッセージもないから怪しさ満載だ。
「レイ、どうしようか? 航空券って安くないだろぞ」
「二枚か。これでは三人で行けんな。まぁ心当たりがなければ二人だけで行くのは勧めんが」
レイは仕事しながら、冷静に忠告してくれた。
クニローもメグミも頷く。……悪いけど、怪しくて受け取れない。
こちらに送ったって事は向こうはこっちの住所とか名前とか把握しているワケで、罠だとそう考える方が普通だ。
クニローとメグミは横目でしばし見つめ合って沈黙。
「ああ。そういえば富山の親戚に大魔王を倒した英雄がいるんだったなぞ。その人たちに頼むかぞ?」
「城路ナッセさんと夕夏ヤマミさんだねー」
「あのリア充どもだぞ! チィ」
クニローは不機嫌そうに舌打ち。
真顔のレイは彼とメグミを見ながら「お前がそれを言うか?」とツッコミたかったが黙っておいた。
「……ふむ。押し付けるのは気が進まんが、英雄殿になら心配はないか。数々の苦難をくぐり抜けて大魔王をも打倒した英雄殿だ。今回も何とかしてくれるだろう。どの道、クニロー狙いなら人違いで敵さんの思惑が外れる可能性も高いな」
「うむ決まりだなぞ!」
って事で、富山の親戚であるナッセ宛に送る事にした。
メッセージは要約で「なんか賞当たったのでプレゼントします。インド旅行を堪能してくれぞ」みたいに書いて、航空券と一緒にインド旅行ガイドブックも入れておいた。
メグミさんが双丘揺らしながら赤いポストに投函ー!
後光の勇者・城路、切符をナッセたちに押し付けて退場!!(おい!)
インド空港はカレー色の建物。人通りが多く、ターバン巻いた人が多かった。
ぞろぞろと空港を出入りする大勢を、そわそわしながら待っていた人がいた。
長身のイケメンで、黒髪で長めの前髪二分け、黒いコートを着ている。クニローを青年にしたような感じの雰囲気だ。
冷静を気取ってはいるが、内心ウキウキで弟のクニローに会いたくて落ち着かない様子だったぞ。
「……愚かな弟よ来るがいい。この四神直々に歓迎してやろう」
四神クリシュナと名乗っているが、実は城路ギンジ。クニローの実の兄だ。私が前もって煮込んだカレー喜んでくれるかな? うきうき!
ナッセとヤマミが通り過ぎても、なおクリシュナは無駄にウキウキしながら夜まで待ち続けていた。当然弟たちは来ない。その事にやがて気付いたクリシュナはものすごーく肩を落としてガッカリしたそうな。
落胆したままトボトボと組織へ帰ったら、上司である教祖は「こんな夜まで、どこをブラついていた!? さっさと残業しろ!」と怒鳴ってきた。
堪忍の尾が切れたクリシュナは静かな怒りを顔に浮かべ、全身から黒墨が溢れて『偶像化』を顕現化させた。
その姿はエジプトで言うアヌビスに酷似した黒い犬の人型像。ズズズ!
教祖はその巨像に「ヒッ!」と怯え始める。
「教祖ェ!! お前はオレにとってのストレスの元凶だ!」
今まで落ち着いた風のクリシュナが初めて狂喜に叫び上げた。
ブチギレしたクリシュナの『偶像化』の黒い後光から放たれた無数の黒い刃がズババババババババッ!!
「ギエ────────ッ!!」
パワハラ教祖 死 す!!
インドラ狂信派の秘密基地はめちゃくちゃに破壊され爆破四散!
こうして人知れずインドラの生け贄召喚は未然に防がれた!
そうと知らずナッセことオレはヤマミと一緒にインドで旅行を楽しんだぞ。
元いた平行世界のインドと違い、かなりユニークな国でやたらカレー文化が盛んでいて、日本のカレーより逆に発達しているらしい。
頭にはターバンの他に果物載せたカゴやカレーを乗せているインド人が多かった。
「おおっ! これが本場のカツカレーか!!」
皿を埋め尽くす程の大きなカツに、溢れんばかりのカレー、そして何故か白米。
カツカレーだけじゃない!
トマトを混ぜた酸っぱさがウリなハヤシライス。スパイシーな黒いカレー。ウィンナーを並べたカレー。死ぬほど辛い真っ赤カレー。某ゲームのスライムを模した青カレー。
あちこちレストランでもそれ以上の多種多様なカレーで腹に収まりきれない。
しかし違和感が徐々に募ってくる。
「おい! この国カレーしかないぞ!?」
「奇妙ね……。こんなカレーしかない国は初めて見るわ」
土は全てカレールウの粉末。建物はカレールウを変質させて固めたもの。育った野菜もカレー系植物。金属はカレールウリム。自動車やバイクなどはガソリンではなくカレーで動く。なぜインド人の肌が濃いのかはカレーのせいで、血液、筋肉、骨格はおろかおっぱいにも精巣もカレー成分がつまっている。
これは『曼荼羅華霊粒子』なる万能物質によるもので質感さえ自由自在だったぞ。
つまりインド=カレーとも言っても過言ではない。インドカレーだ。
そう彼らは宇宙開闢の頃からインドカレー成分で構成された特異な世界で生まれ、進化してきた独自な生物なのだ。
見た目こそ我々人類と相違ないように見えるが、完全に別物なのだ。インドカレーなのだ。
インドカレ──────ビッグバァァァァァ──────ン!!
「これ読んだ人がインド誤解するじゃね──かァァァァァ!!!」
劇場版ナッセの奇想天外な大冒険!
『インドラの野望 ~選ばれし四人の勇者~』完!
「終わったァァァァ!!? 結局なんだったんだァァァァ!!?」
勇者と四神の紹介!
『城路クニロー』(勇者)
後光の勇者と呼ばれるはずの男。黒髪で前髪二分け、黒いコートのやや暗い少年。
新潟県の城路家でナッセと従兄弟にあたる親戚。
とある悪女にイジめられたトラウマにより『血脈の覚醒者』に覚醒した。背中に後光みたいな光の輪っかが生まれて、現存の武器を元に形状変化させて複数放射状に撃ちだす生態能力。
基本的に何らかの危機が及ぶ時、自動で反撃して迎撃する。
自身の意思で発動もできる。腕に輪っかを生み出して矢を連射して攻撃したり、形状変化を応用して複数の手を生み出して千手観音みたいな真似もできるなど汎用性が高い。
メグミとレイとパーティ組んでいる。世界大戦にも参戦しかなりのレベルに上がった。
威力値:54000
『大寿メグミ』(魔道士)
橙色のキャミワンピース。肩まで長めの茶髪ショートヘア。タレ目の大人しそうな少女。
年の割に凶悪なまでに胸がデカい。
特に天才というワケでもない平凡な魔法使い。努力家で地力を上げていくタイプ。天才気質の姉を意識してコンプレックスを持っている。
威力値:42000
『レイ・ヴィン・アウィタール』(暗殺者)
寒色ツインテールでセーラー服が特徴の引き締まった顔の少女。
一見ツンデレしそうな風貌ではあるが、実際は世話焼きでクニローたちの精神支柱となっている。実は一番年上。
可憐なスレンダーではあるが、目にも止まらぬ超高速で二刀のナイフで斬り刻む達人。
どこかの外国人らしいが謎はまだ多い。
威力値:58000
『クリシュナ(城路ギンジ)』(復讐者)
クニローの実の兄。厨二病としては相当重症。童貞。厳しいスパルタ家族に嫌気が差して「この一族に絶望した」などと吐いて家出した。これがきっかけでクニローの家庭は軟化した。
四神として『変革』という意志の改革を目論んでいた。(図らずも家族に変革が実現されている)
実は『血脈の覚醒者』。兄弟故かクニローと全く同じ生態能力。
更にアヌビスと酷似する『偶像化』まで顕現化できる。
四神の中でも受動的で非暴力的な存在だったが、上司こと教祖にブチギレして組織ごと壊滅させて家に帰った。親は喜んでくれた。にっこり!
「許せ……これで最後だ!」
威力値:130000(城路本家もビックリ仰天!)




