表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
400/410

400話「マジンガの報告! 乗っ取られた国の真相!」

 サッタン王国……。

 やや砂漠のような地底境域界(サブタレニアン)の中心となる国。

 マグマが近いからか暑い地域で、草木よりもサボテンが多い。国の隣にはオアシスとなる湖がある。


 そこへマジンガたちが下船した。


「ようこそ!!」

「はるばるご苦労です!」

「創造神アポロさまの信者になる気はあるのかね?」

「さぁさぁ、我らの同胞となるがよい!」


 なんと殺気立って住民や王国兵がアーティファクトの武器を突き出して囲んできたぞ。

 もはや全員が全員同じギラギラした殺意が目から湛えていた。

 マジンガたちは、その物々しさに固唾を呑む。


「「「さぁ!! 創造神アポロさまに忠誠を誓うがよい!!」」」


 一斉にタイミングよく発してきて、グランドルフの部族兵と同じだとマジンガは察した。


「こいつら!! ヤバいぞ……!」

「待て! ジャオウ」


 構え出すジャオウを制して、マジンガは堂々と前に出る。

 後続の生徒たちは彼が何をするか見守る。


「ここへ入港したばかりで済まなんだ……、忠誠を誓うという事はどうすればいいのだ?」

「おお! 入信をご希望か!?」

「英断である!」

「創造神アポロさまはいつでも天網恢恢疎にして漏らさず!」

「入信は簡単だ! この国を支配し、新たに治める氷の闘士(バトラー)へ跪いて“ナノマギア・オリジン”を授かる事だ!!」


 その時、確信したマジンガはカッと見開いて、大剣を抜き放つ。その刀身が消える。


「不殺版サウザンド・エターナルプラズマ!」


 光の糸とも思わせられる無数の軌跡が縦横無尽に描かれ、それぞれが囲んでいる人々を掠っていく。

 ほんの少し切り傷を入れる程度で気づかれないほどだ。

 突然、大男が大剣を見せたかと思えば刀身が消えて、逆に戸惑う。


「な……なんだ!?」

「剣が消えた!?」

「一体どういう……?」

「……うぐ!?」

「ぐ……ぐっ!?」

「あ…………ががッ!?」


 ジャオウは察した。

 あの一瞬で切り傷にナッセのワクチンを入れたのだ。四倍特攻なので、その辺のゾンビなら即効で効く。

 取り囲んでいた大勢の人々が苦しみ悶え、震えて呻きや悲鳴を漏らす。

 可哀想と思うが、既にナノマギア・オリジンを注入されて殺されてゾンビになっているのだ。

 今、囲んでいる人々は、各々の人物像に擬態しているに過ぎない。


「「「「「ガフォアアアアッ!!!」」」」」


 みんな揃って滝のように吐血し、バタバタ横たわっていった。


「こんな……皆殺しだなんて…………!」

「ああ。ナノマギア・オリジン入れたヤツはえげつねぇ!!」

「この人々だって、何も知らずに生きててナノマギア・オリジンを入れられるなんてよぉ!」

「もしナノマギア・オリジンの特性を知らんかったら、なんとか説得しようと無駄にあがいてたかもしれない!」

「ひでぇよお!! ひっでぇよおお!! ゾンビにするこたぁねェだろッ!!」


 ジャキガン学院の生徒たちは様々な反応で忌み嫌っている。

 マジンガは王宮へ見据える。


「マジンガ?」

「……闘士(バトラー)がいるって言ってたな?」


 冷静なマジンガは王宮へザッザッと歩みだす。


「みな聞け!! これより王宮へ目指す! 道中でゾンビが襲いかかってくるだろうが、生き残りがいないか確認を頼む!!」

「「「はい!!!」」」

「ワシとジャオウは直接王宮へ向かい、氷の闘士(バトラー)を排除する!」


 するとモエキが駆け寄ってきた。


「この闇の眷族モエキもジャオウと同行します!」

「フッ! よく言った!」


 ジャオウとモエキはガシッと手を繋げてマジンガについていく。


「もげろ!! もげろおお!! もげやがれええええ!!!」


 カイガンは血涙で叫んだぞ。

 構わずヒンケール、ラーシルト、ナッツ&チカとモブ生徒三十五名は国中へ散らばって探索していった。

 途中でゾンビが「きさまら! 背徳者め!!」と襲いかかってきたりした。

 元は戦闘力が高くない一般人のネアンデル人なので掠り傷でもワクチンで駆除は容易だった。


「どこか隠れている人はいないか!?」

「おい!! 助けに来たぞ!! 無事な人は出てきてくれ!」

「このナッツが助けに来たんだぞー!!」「うふふ」




 王宮まで、戦闘力が高めの王国兵が「背徳者が!!」と襲いかかってくるが、ジャオウの黒炎拳とモエキの射撃で蹴散らしていった。

 マジンガは頑強な王宮門を大剣で木っ端微塵に砕いた。


「アポロ信者ども! 背徳者とやらが来たぞ!!」

「ううっ! きさまら!!」

「この聖なる王宮に土足でー!!」

「創造神アポロさまは大変お怒りであせられる!!」

「この者に天誅を!!」

「死ね!!」「死ね!!」「死ね!!」「死ね!!」「死ね!!」「死ね!!」


 大勢の王国兵が気が狂ったように一斉に襲いかかるが、マジンガは動じず歩み続ける。


三日月の幾千刃サウザンド・クレセント……」


 大剣から放たれて、獰猛に三日月の嵐が渦を巻いて王国兵に掠り傷を負わせていって一掃していく。

 次々とワクチンに苦しみ悶えて息絶えていった。

 それでもバカの一つ覚えのように委細構わず王国兵が飛びかかってきて、この繰り返し。


「チッ! 普通なら警戒しそうなもんだが……」

「ゾンビって事ね。おぞましいわ」


 ジャオウとモエキがコンビで王国兵を退けながら、ナノマギア・オリジンのおぞましさに吐き気がした。


「「「「この背徳者どもがー!!!」」」」




 王宮の謁見の間への扉が開かれ、マジンガが踏み込んでくる。


「ほう!? 見も知らぬ背徳者めが! この氷の闘士(バトラー)ヒョウスイさまと知っての無礼か!?」


 王座にふんぞり返っていた冷徹な司祭が立ち上がる。

 マジンガは鋭い戦意で見据えたまま、三日月の嵐を放つ。しかしヒョウスイは右手を上げて氷壁が阻む。

 隙間から切り刻もうとする三日月にも、次々と氷の破片が阻んでくる。


「相当な強者と見える! ここまで来るだけの事はあるか!」

闘士(バトラー)ヒョウスイとやら、きさまをこの国に派遣した愚かな闘神(バトキア)がいるのか?」

「む! 光闘神(ティアルズ)ソロモォーンさまを愚かだと!?」


 自分の主を侮辱されたと思い、憤怒に昂ぶったヒョウスイは足踏みした。

 すると地響きと共に周囲が氷のトゲトゲで形成されてしまう。反射光が煌めいて鋭さを醸し出す。

 それらがマジンガたちを囲むように向けられているのだ。


「言葉に気をつけろ! 寛大なソロモォーンさまでも怒るぞ!」

「それは済まなかったな。無礼を許してくれ。で、いつこの国を支配した?」

「フン! この国だけじゃあないぞ!? ここに来るまで既に多くの国が我ら創造神アポロ真教団の手に収まっている!」


 ジャオウは「なんだと!? もう既に……!」と怒りに滲む。


「では、どのように国を落とした?」

「数人ずつだ……。数人ずつ国へ送り出して、内部から住民にナノマギア・オリジンを注入して下僕化していったのだ。馬鹿な愚民だったよ。そして何も知らぬ王族が孤立して慌てふためく様は面白かったぞ! ハハッ」

「そんな! ひどい!!」


 鼻で笑うヒョウスイ。そんな傲慢な面に吐き気がする。


「だが幸せじゃないのかね? 住民も創造神アポロ真教団の下僕になって光栄だろう!」


 ピシッ!!


 笑いながら細切れにされるヒョウスイ。しかし合体して再生した。

 それでもマジンガは冷徹な顔で切り刻み続ける。

 細切れにして再生し、細切れにして再生し、細切れにして再生し、細切れにして再生し……!?


「フハハハッ! 愚民どもと違ってこの闘士(バトラー)は何度でもふkk──」


 苦痛が全身を蝕み、ヒョウスイはガクガク震えながら呻き始めていく。

 膝を落とし、ひれ伏していった。

 冷や汗いっぱいに憔悴しながらマジンガに「た、助け……」と無様に手を指し伸ばして乞う。


「愚かだったのは誰か、もう一度言ってみるか?」

「は……そ、それは……!? ぐああ…………た、助けてくれえええっ!!」


 マジンガの怒りが込められた足踏みで、ヒョウスイの助けの手を踏み潰した。


「ギ……ギハアッ!!!」


 おびただしい吐血してヒョウスイは息絶えたぞ。

 絶望と失意のままにな……。




「さて、この事をナッセやフクダリウスにも伝えておくか」


 マジンガはこの国で起きた恐るべき事を報告したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ