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399話「押し寄せる宗教移民団!? 新たなる脅威!?」

 オレたちはプルト王国のソーア王にナノマギア・オリジンの真相を伝えて、これから他の国へ行こうとしていた。


「ここでは昼か夜か分からんが、時間は午後七時過ぎてるな」

「ええ、もう遅いわね。今日はここに泊まりましょう」

「……そうだな。焦りは禁物か」

「うん」


 ヤマミとそんな会話をした直後……。


《緊急通信だ!! 聞いてくれ!》


 急に通信アーティファクトから響いてきて、驚く。


「こちら隊長ナッセだぞ! なんだ? 何かあったのか?」

《各地の地底境域界(サブタレニアン)で厄介な事が起きている! 妙な宗教移民団が勢力を広げて、次々と国を取り込んでいるようだぞ!!》

「宗教移民団……!?」

《要するに難民を装い、国へ侵入して内部から乗っ取っているようだ》


 マジンガから、そんな通信が来て緊迫する。

 ヤマミは切羽詰まった顔を見せた。


「それは闘神(バトキア)に関係するものなの?」

《そうとしか思えぬ現象が起きている。例の部族のような操り人形(ゾンビ)と特徴が一致する》


 オレたちは愕然とした……。

 他にもナノマギア・オリジンを有しているトップが意のままにできるゾンビを増やしている事実にな。

 もはや封印されていた現存の闘神(バトキア)は全部揃っている。それでなお、その現象が起きているという事は宇闘神(ユーニバゼル)スペースみたいな例が起きているのだろう。


「新しく闘神(バトキア)が生まれているのか……!?」

《問題は火星からなのか、それともこの地底境域界(サブタレニアン)で独自に生まれたのか、現状分からん!》


 マジンガたちは、現在滞在している国で宗教移民団と争いが起きているっぽい。

 あらかじめ移民を装って大量のゾンビを標的の国に入国させて、次々と新たなゾンビをひっそり増やしていく。

 気付いたらゾンビの方が多くなってて、詰んでいたなんてのも多い。

 そうした侵略行為によって犠牲になった地底王国は少なくないらしいのだ。


「……たまたまかち合わなかったから知らなかっただけかぞ」

「ええ。事は深刻ね」


 オレたちが地闘神(アスラリオ)グランドルフと戦っていて、単純な闘神(バトキア)との対立構造と思っていたが違った。

 ネアンデル人もオレたち地上の人間と同じく、様々な抗争にまみれているんだ。

 これはその氷山の一角でしかない。




「なんだ!? 貴様は!?」

「止まれ!!」

「お、おいっ!!」


 向こうで騒がしいの起きてて振り向くと、みすぼらしい人が数人暴れだしているのを王国兵が抑えているようだった。


「我々は生活に困って、ここにたどり着いたんだーっ!!」

「創造神アポロさまに仕える信者だぞ!!」

「逆らって天罰が下ってもいいのかーっ!?」


 なんとその強気な信者移民は左手をかざして、六角系マークの紋章があらわになる。

 それが宗教移民団のマークなのだろうか?


「分かったら丁重にもてなせーっ!! 豪勢な料理を用意しろ!!」

「教義に反するオーク肉は除けっ!!」

「創造神アポロさまは常にきさまらを監視しているぞ!!」


 汚い風貌とは裏腹に偉そうな信者移民。

 しまいには石を投げつけてくる。

 オレはヤマミと頷き合い駆けつけた。困り果てた王国兵に「任せてくれ!」と引いてもらう。


「なんだ!? きさまは!?」

「下賎なm……」


 オレは優しくポンポンポンと信者の肌に触れていく。


「てめぇ、汚い手で……でッ!?」


 こちらへザワリと殺意を向けてきたが、プルプル震え出して信者移民は苦しみ始めた。

 自分の首を両手で締めよろめく。


「あ……がが……がっ!?」

「ぎ……ぎっ……!!」

「うぐぁ……」


 全員が全員とも悶え苦しんで、転がり始める。

 それを見ていた王国兵と野次馬がドヨドヨ戸惑い始める。誰の目にもまるで毒に苦しんでいるかのように見えた。


「「「ぎはあっ!!!」」」


 みんな揃って吐血し、ドサドサッと地に伏せて動かなくなっていく。

 そして次第にブスブス溶けていく。ひえ……。


「ど、どういう事か!?」

「一体何が……!?」


 王国兵もドラ〇エモンスター着ぐるみだからシュールだが、オレは気にせず告げた。


「こいつらは紛れもなくゾンビだ」

「「えっ!?」」

「ナノマギア・オリジンを所有する闘神(バトキア)によって下僕にされたゾンビよ。見た目こそ私たちと変わらないように見えるけど、普通の人間に擬態してる」

「そこでオレがワクチンを注入したんだ。そしたら、こうなった」

「良かったわね。私たちが来て、早々に解決できて」


 ヤマミはサラッとロングヘアーをかき上げる。


「……どういう事だ?」

「一体何が……??」

「こいつらは移民を装って、国に侵入して内部からゾンビを増やしていくつもりだぞ! あんたたちにナノマギア・オリジンを注入してな」

「え? え……??」

「そうやって徐々にゾンビを増やしていって、気付いたら詰んでるって事」


 王国兵も寝耳に水だったようで恐怖に震え上がった。ゾ~!

 同じくして野次馬も顔面真っ青でゾ~!




 国中に、ナノマギア・オリジンの恐ろしさと宗教移民団の実態を知らせた。

 そんで翌日にワクチンを住民に配った。

 ナノマギア・オリジンと違って下僕化しないので、ゾンビにならない。


「それからナノマギア・オリジンが自律行動できる性質も知ってるからな……。オレのナノマギア・ワクチンも同じ理屈だとすると……」




 しばらくして、静まり返った港に小さな浮船(シート)がゆっくりと近づき、数人の男がキョロキョロ見渡しながら踏み入れた。


「……よし、侵入成功した」

「まず、先に行ったヤツと合流しよう」

「しかし連絡がこないのが気になるがな」

「まぁいい……ククク」

「我々のナノマギア・オリジンを愚民どもに注入してやる。そしてこの国はいただきだ!」

「「ああ……!」」


 不法入国した信者移民が灯りを避けてコソコソ迅速に移動して、アジトとなる場所を求めている最中……。


「うぐっ!?」

「どうした!?」

「……ぐ!」


 突然苦しみが襲ってきて、ワナワナ震えながら呻くしかない。

 なぜそうなったのか当人はワケが分からないまま、着実に近づいてくる死への恐怖に青ざめるしかなかった。


「「「ぎはああっ!!」」」


 全員滝のような吐血して、横たわっていく。人知れずブスブスと融解されていった。




 そう、オレたちは侵入ルートとなる人気のない場所へ歩いて回ってワクチンを撒き散らしたのだ。

 そうと知らず侵入した信者移民の足から侵入して、ナノマギア・オリジンを食い潰していく。

 四倍特攻なので早い段階で死滅させられる。


「さて、これを他に国にも施す工程も入れるか……」

「そうね。ナノマギア・オリジン以外には無害だもの」

「問題はボスがどんなヤツかって事か」


 マジンガから聞くに、結構な勢力に育っているみたいだしなぁ。骨が折れるぞ。

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