398話「絶望の大魔王風のソーア王様、絶望する!」
なんとドラ〇エを真似たプルト王国は、住民がモンスターの着ぐるみを着てる国だった。
しかも王宮はラスボス城を再現していて天井がなくて中を覗ける建造だった。
「……隠し階段があります」
ラスボス城を通って行くと、王座が二つ並んでいる広間へ出た。
しかも周囲に斜めの縞模様地帯があってゲームだとバリア地帯だ。歩くとダメージ受けるヤツ。
……まぁ、これ単なる模様だけどな。
「知ってるよ。あの王座の後ろにあるんだろ?」
「分かりますか」
案内人のリュウオラは「くくく」と不気味に笑む。
たぶん演出でそういう態度してんだろうけど……。
「調べる!」
リュウオラがそう告げると、パキパキとナノマギア仕掛けで階段が形成された。
そこまで再現しているとは思わなかったぞ。
オレたちも続いて降りていく。一見迷路そうだが、このゲームはクリアしているので迷わない。
踏むと進む方向が変わる回転タイルも、真っ直ぐ進むだけで勝手に正解のフロアへたどり着く仕様まんまで行けた。
「あ!? 誰かが戦ってる!?」
たくましい戦士が紫のヒドラが向かい合っていて、激しいバトルしていた。
「オ〇テガとキングヒ〇ラだな……」
「いつもそういう事してるんですか?」
オレとヤマミは汗をかいた。
やはりオルテガがやられて「……できなかった父を許してくれ。ぐふっ」まで一言一句まんまセリフ言って、フッと消えた。
たぶん、全部ナノマギアによる映像。
「ふっふっふ、ゲームでインパクトが強くてな……。あ、FCのパンツマンはナシで」
「ファミコンまでしてるのー!?」
「さすがマニアッ!」
最後の階層に降りて祭壇に立つと、前方は真っ暗が視界に広がっていた。
すると順番にタイマツの炎がポツポツと奥から灯ってきて、パッと明るくなってきたぞ。
そして大魔王〇ーマそっくりな王様がズンズン歩み寄ってきた。
「ナッセよ! 我が謁見の祭壇へよくぞ来た! 我こそはこの国を治めるソーア王なり! 全ての命を守り、安泰で国を覆いつくしてやろう! ナッセよ! 我が親しき客人となれい!」
ちょいセリフが違うが、さすがにまんまだと敵意と間違われるからだろうな。
「出でよ我が下僕たち! こやつらを招待し、わしに連れて参れ!」
なんかソーア王がシュンと向こうへ瞬間移動し、キン〇ヒドラ、バラモ〇ブロス、バラモ〇ゾンビが湧いてきたぞ。
丁重にお辞儀してきて、ソーア王の方へ手を差し出す。
「どうぞ! どうぞ!! ごゆっくりなさってくださいませ!」
「我らはロイヤルガードです!」
「見た目怖いですが大目に見てください!」
戦う事なく、普通に進んでいるとソーア王の眼前まで来た。かなりデカい。
「ナッセよ! なにゆえもがき生きるのか? 希望こそ我が喜び。生きる者こそ美しい。さあ、我が元でゆっくりしていくがよい!」
恐ろしげなオーラを出し、それに反したセリフでジワジワくる。
さすがに演出でも「死にゆく者こそ美しい。我が腕の中で息絶えるがよい」なんて言えないよなぁ……。
「恐れ多いのですが、ぜひ握手させてください」
「おお! それは喜んで……」
オレは握手を求め、それにソーア王は大きな手で応じてくる。
その時にワクチンを注入。
「前置きのセリフはこれくらいにして……、お主らは闘神を倒したそうだな? 他の国からも朗報が来ておるぞ」
「ああ、はい……」
「では、聞きたい事がある。その闘神とやらは正しき事の為に使えないか?」
オレたちは「えっ!?」と仰け反った。
「我々は闘神のシステムでみんな平等にしたいのだ。封印されていた奴らはほとんどが悪だったと聞く。ならば正しき事に使ってこそ真のテクノロジーと言えるのではと考えたのだ」
ナノマギア・オリジンは元々、みんなを共通化させて平等にしようとする思想から開発されたもの。
実際は独裁者がみんなを操り人形にするだけのシステムだった。
「済みません……。これからそのナノマギア・オリジンの実態を教えます……」
「なんと!? 協力してくれるのか? ありがたい!」
「いえ……」
喜んでくれているソーア王に悪いけど、残酷な真実を告げた。
下僕がゾンビみたいになり、独裁する主ですら死ねば、データとして蘇ったように見せかける亡霊。
そしてナノマギア・オリジンが所有者の遺伝子データを記憶して、この先何度でも永遠に亡霊として蘇生させ続ける欠陥システム。
オレたちはそれを消し去る為に戦った。そしてこの真実を他の国にも伝えに回っていく。
最終的に火星の独裁体制を崩して、永劫に続く大人災を終わらせる。
「……と言う事です!」
それを聞いたソーア王とリュウオラは愕然としていた。ワナワナ震え始める。
「そ……そんな……! そんな……絶望的なシステムだったのか…………!」
「だから……四万年も封印していたというのか……!?」
みんなに平等と永遠を騙る亡霊テクノロジー。
流石にそれを聞いてしまっては、ガクリと力なく膝を下ろして諦める他ない。
「ナッセよ……。 よくぞわしを説得してくれた。ぐふっ」
「ソーア様!! お気を確かに!」
「ああ……すまぬ。ナッセ。もう、下がってよいぞ……」
なんか途中からアリ〇ハン王様みたいなセリフになったぞ。しかもバ〇モス倒した後の……。
仕方ないのでお辞儀して「では、ここで失礼します」と踵を返したのだった。
きっと王様なりに平和を求めていたんだろうけど、ナノマギア・オリジンがえげつなさ過ぎて絶望するしかなかった。
「気を落とさないで、第二のナノマギア・オリジンを開発されないだけでもいいでしょ」
「そうだな」
ヤマミにポンと肩に手をついて慰めてくれる。
あんな風に希望を見出して開発に乗り出してたとか、四万年前にあったんだろうな。
でも実際は…………。
一応、ナノマギア・ワクチンを注入しておいたから万が一の事はないかな……。
────しかし翌日に事件は起きた。ズズ……!




