393話「四首領レベルのテンペストドラゴン攻略!!」
あの四首領レベルのテンペスト天空龍が雷の嵐を撒き散らして、尋常じゃない破壊が蹂躙していった。
本来ならマジンガたちは大ダメージを受けるだろう。悪ければ死ぬ。
オレはハラハラとしていた。
「大丈夫みたいね」
「ん……」
煙幕が晴れると、地形は荒れ果てているもののマジンガたちは全員無事だ。
多少のダメージで服とか破けているが倒れている人はいない。
テンペスト天空龍の天災とも言える雷の嵐にも拘わらず、まだ戦えるだけの余力を残して全員生存という信じられない光景。
「バカな!? 一体どうやって……?」
「嘘よ! 幻術かなんかで誤魔化しているんじゃないのッ!?」
当のラッピスとラズーリが逆に動揺していく。顔が焦りに滲む。
シュージンは冷静に行方を見守っている。
「薙ぎ払えッ!!」
「今度こそ、殲滅させてやるわッ!!」
テンペスト天空龍は「グワオオオオッ!!!」と吠え、周囲から凄まじい旋風が吹き荒れ始めていく。
それは極大化されて複数の竜巻を伴う激烈な台風が席巻した。
マジンガたちはグッと堪えていく。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
大地を大きく揺るがし、余波の烈風が合併国にまで流れてきて水のバリアを揺らしていく。
振動に住民も「うわああああああ!!!」と絶叫した。
水闘神のバリアを張っていなければ一巻の終わりだったろう。建物が吹き飛ばされて壊滅していただろう。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………!
ようやく烈風が静かになっていって、振動も弱くなっていく。
オレたちは戦艦型浮船の中で息を飲んだ。
「今までなら終わりだと思っちまうけどさ……」
「ええ」
確かにヤミザキの螺旋球やダウートの如意棒と比べると見劣りするが、それでも地図を書き換えるほどの破壊力なのは間違いない。
そよ風で煙幕が流れていって、フクダリウスたちが依然と無事なのが見えた。
マジンガはなにか確信したようだった。
「ナッセ、聞こえるか?」
《無事で良かった。だがよく凌ぎ切ったな》
「……この身で受けて確信した事がある。ナノマギア・ワクチンを含めた攻撃を浴びせたから、そのテンペストドラゴンが行う攻撃にもそれが含まれる事になり、同種のナノマギア同士で緩和してしまう」
《そ、そんな事が……!?》
フクダリウスも同じ事を察していて、同時にテンペスト天空龍を見上げる。
「今はあのドラゴンがデカ過ぎて、ワクチンが回るのにも時間がかかっているようだ。それと対象が強いほどに効きが悪いせいもあるかもしれん」
《そうか……》
「だが、そう遠くない内にあのドラゴンも撃沈するだろう」
もはやテンペスト天空龍はワクチンに侵食されていって、攻撃を繰り出すにも緩和されて通用しなくなっている。
「へっ! わざわざ力尽きるのを待つ気はないんでなし……」
「フン、攻撃を続ければ効きは良くなるんだろうがな」
マイシとジャオウが飛び出して、ドガンボガン攻撃を加えていく。
怒り狂うテンペスト天空龍が全身から強烈な稲妻を四方八方に放射していって、天地が崩壊するほどの破壊が撒き散らされた。
更に追撃と、テンペスト天空龍は大きく口を開けて極太ビームを吐き出す。
稲妻迸り、旋風が包むドラゴンビームが一直線と合併国へと目指すが、水のバリアを前に分散されて四方八方に通り過ぎていった。
ドガドガドガアアアアアアアアアアンッッ!!!
分散された無数の光線が大地を穿ち、土砂を噴き上げていく。
水のバリアは依然と健在で、やはりワクチンを含むナノマギアにより弾かれたようだ。
同じナノマギア・ワクチンなので相殺せず、反発する仕組みだ。
「邪凶滅殺拳!! 獄炎・百頭黒龍翔破────ッ!!!」
ジャオウが左右の手を交互に突き出して百頭もの黒龍を打っていく。
それはテンペスト天空龍へグルグルと巻き付いて、黒炎が燃え盛ってゴゴゴと唸る。
「グワアアアアアアアッ!!!」
勇者ナッセがオーラを纏って飛び出し、独特の構えから剣を振るう。
同時に魔法少女リョーコも力を溜めた杖を振るう。
「ナッセブロッシャーッ!!」
「斬撃の激烈光閃ッ!!!」
「「Xッ!!!」」
ズドオッ!!!
二つの巨大な斬撃が斜交いして、テンペスト天空龍に炸裂だ──ッ!!
その被弾した斬撃が相乗効果で膨れ上がって威力が跳ね上がったぞ!
ついにテンペスト天空龍に大きな傷がついて破片が飛び散ったァ!!
「グアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」
「や、やった!!」
「見て!! まともに効いたわよー!!」
勇者ナッセと魔法少女リョーコが歓喜する。
この様子だと、あっちからの攻撃は緩和し、こちらからの攻撃は倍加するようだ。
磁石で例えれば、味方へは同じ磁力で反発し、敵へは異なる磁力でくっつき合うみたいな感じか。
「どんどん行くしッ!!!」
マイシはビュンビュン飛び回りながら、長い身に次々と炸裂剣を食らわし続けて爆裂が連鎖していく。
ドガンドガンドガガンと爆発がテンペスト天空龍を苦悶させるほどに覆う。
「グアアアアア……ッ!!!」
チカは「やっと溜まった!!」とアームストロングライフルを撃つ。
凄まじい爆音を響かせて、真っ直ぐの強烈な光線がテンペスト天空龍へと届くと大爆発が明々と広がっていった。
「セーイティーロ・グランデ・イボメーアッ!!!」
続いてモエキも大きなアサガオライフルを六本展開し、一斉射撃。
六発の光球が超高速ですっ飛んでいってテンペスト天空龍へ着弾して、灼熱溢れる大爆発が膨れ上がった。
そんな彼女の攻撃力にジャオウは「やるな!」と笑む。
「そんな……バカな……!!」
「まだ封印されていて、あたしら悪夢見てんじゃないの!?」
集中砲火を受けてテンペスト天空龍が逆に追い詰められているのを見て、ラッピスとラズーリは焦燥していく。
四万年前は誰もが為すすべもなく蹂躙されていった。
それだけ圧倒的な殺戮兵器だと自負できる。その兵器がなすすべがないのだ。
「さて観戦するのはここまでにしようか」
なんと静かにしていた闇闘神シュージンが、周囲に闇の障壁を張り巡らせていく。
それはシュージン自身と雷闘神ラッピスと風闘神ラズーリを包み込んでしまう。
「なっ!? なんのつもりだ!?」
「この期に及んで、あたしたちを始末する気!?」
「……これなら邪魔されずに、三人だけで語り合えるじゃないかな?」
なんと寧ろラッピスとラズーリに味方をするかのように、マジンガたち勢力を切り離したのだ。
これならシュージンを始末しやすい。
なんかの罠か、と勘ぐっていたがラッピスとラズーリは互いに視線を合わせた。
「……罠かしら?」
「どっちでもいい。ラズーリ、とにかく今の内にヤツを始末するぞ!!」
「そうよ! また封印されないようにね!!」
意を決してラッピスとラズーリが二人同時でシュージンへと高速で飛んでいく。
シュージンは口角を上げる。
「ああ、ゆっくり話をしよう」
三人は激しく格闘戦を繰り広げていった。ドガガガガッ!!!
ザッとマジンガとフクダリウスが精悍に見据える。
そして仲間たちが取り囲む形で、テンペスト天空龍の最期を見守っていた。
「終わったな…………!」
シュウウウウウウウウ…………!!!
あの巨大なテンペスト天空龍はポロポロと破片をこぼし風に流れて行き、流れる煙幕とともに崩れ去っていく。
「よしッ! 後は……!!」
「うむ! 残すは三人の闘神ッ!!」
マジンガとフクダリウスが振り向き、闇の障壁が遮っているのが見えた。
恐らく闇闘神の仕業だろう。
雷闘神と風闘神を守る為に張ったのかはさておき、生半可な攻撃では敗れそうにない。
「……出番だ!! ナッセ、あいつらの障壁をぶち破ってくれいッ!!!」
「もはやドラゴンは撃破した!! 後は頼んだぞッ!!」
通信で聞いたオレとヤマミは戦艦型浮船から出て高速飛行していったぞ。
向かうは遮っている闇の障壁!
「行くぞッ!!」
「ええ!! 最強技をぶちかますわよ!!」
超高速で飛びながらオレとヤマミは周囲から無数の雫を束ね始めていく。キュイイイ……!




