391話「圧倒的無双! 三〇人もの闘士が全滅だと!?」
雷闘神ラッピスと風闘神ラズーリが召喚した総勢三〇人もの闘士でさえ、マイシやジャオウに逆無双される始末だ。
「フフン! この輪の闘士マルリンクは一味違うぞーッ!」
チャクラムを複数生成して、ビュンビュンとブーメランのように投げつける。
しかしフクダリウスは憤怒の表情で戦斧を振り回してチャクラムをことごとく砕いていく。
マルリンクは瞬時に後ろから巨大なチャクラムで両断せんと飛びかかる。
「フフン! 口ほどにないデカぶt──」
「フンッ!」
フクダリウスは振り返りながら、横薙ぎの戦斧でマルリンクを上下に裂く。
しかしニヤリと笑む。
「フフッ! ムダムダ! この不死身には……ん? あれ? あれあれ?? さ、再生は……? い、い、痛ああああああああああ!!」
超再生するとタカを括ってたらしく、ワクチンで無効化されてしまい激痛に絶叫した。
しかもジワジワ体内をワクチンが侵食して致命に追いやっていく。
「ギガハッ!!」
盛大に吐血し、真っ二つの体が地面に沈んでブスブス融解していく。
「あああ! どうしようか何しようか! この鎚の闘士トッツイは迷うよ! あんたをどう料理──」
「行きますよー!! 覚悟しなさーい!」
ブルー超モリッカが青い稲妻を纏って突進してきて、トッツイは笑みながら稲妻を迸らせたハンマーを振るう。
「決めた!! ステゴロなら、攻撃部位を次々潰していこう!」
拳とハンマーがぶつかり合い、周囲に衝撃波が爆ぜた。ガン!!
しかしハンマーの方が粉々に砕けた。
「な、な、なにいいい!?」
「終わりですよーっ!! ギャンアッパーッ!!」
オーラを纏って飛び上がるようなアッパーでギャンッとトッツイのアゴを突き上げた。
そんなバカな、と顔を歪めるトッツイ。
モリッカは追い討ちと「まじかる波ァア!!」と光線を放って、凄まじい奔流がトッツイを呑み込む。
「ああああああああああああ……!!!」ボシュンッ!
絶叫するトッツイは粉々に消し飛んだ。
モリッカは純粋にピースサインで「いえーい!! 勝ちました!」と喜ぶ。
これで闘士は残り十二人に減ったぞ。
「ぐぬう! こうなったら蛇の闘士オロスネーキの特殊能力で屠るしかあるまい! 自身と仲間の闘士を生け贄に捧げて発動じゃー!!」
長い首の蛇人間が苦い顔で特殊能力発動に踏み切る。
生け贄に選ばれた自身と闘士数名に渦が巻かれていく。ゴオオオ……!
「この技の闘士オイマテがッ! そんなッ!」
「この勢の闘士ヒドクネまでーッ! いやああ!!」
「この煮の闘士エゲツナーをリリースとかーっ! まだ能力見せてねぇ!」
「この鳴の闘士アンマーリがあああ!!」
「この流の闘士ザツスギルをッ!」
「この野の闘士アタマカズも面目立たねぇッ!」
「この駄の闘士モーイイヤめは、残念にございます……!」
ドドドドドドドドドドドドドド……!!!
急激に威圧が膨らんで、吹き荒れる旋風の中からメカメカしいシルバーに光るヤマタノオロチが巨大な体を揺らして特殊召喚された!!
八頭のメカ竜が一斉にアギトを開く! かはぁ……!
「「「グワオオオオオオオオオオ──ッ!!!」」」
その咆哮は大地を揺らし、大気を震わせ、稲妻が迸り、烈風が周囲に吹き荒ぶ。
それは遠くの国にもビリビリと震撼が及んでくるほどだ。
マシュとニーアンは青ざめていく。
「グワハハハッ!! 見たか! これが蛇の闘士オロスネーキさまの真の姿! その名も『キメラエイト・オーバーヒドラ』じゃーい!!!」
するとイケメンなコハクが飛びかかっていて、自身が閃光に包まれて陽快化して「パンパカパーン」と銀髪無邪気ショタみたいなのが現れたぞ。
上空に数え切れないほどの精霊具の槍が複数分裂してて、巨大なヒドラは絶句する。
冷や汗タラタラで震え上がるしかない。
「まっ、待……!」
「万紅蓮・千越閃槍“爆嵐”なのです────っ!!!」
無邪気に両腕を振り下ろすコハクに従い、精霊具の槍が一気に降り注いだ。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!!!
「グオワアアアアアアアアアアッ!!!!!」
鋭く穿ってくる無数の槍により蜂の巣になっていく巨大なヒドラ。
盛大に大爆発し、メカの破片が飛び散っていく。
そして、爆煙に紛れて蛇の闘士オロスネーキがシュッと脱出していたが、コハクは見抜いてて「えーい!!」と三叉になっていた精霊具の槍を振り抜いた。
「ちょっ……」
「万紅蓮・三閃槍なのです────っ!!」
三つの軌跡が通り抜けて、蛇の闘士は唖然としたまま四枚おろしにされてワクチンも付加された。
超再生もできず木っ端微塵に爆散した。ドガアアァッ!!
「やったのですー!!」
ワーイワーイと長い銀髪を揺らして喜ぶコハク。
これで残りの闘士はたったの四人に!
「このままじゃ俺の出番ねぇッ!! 煌穿眼ッ!!」
全く活躍できていないカイガンは焦って右手の魔眼からビームを出して、その辺の闘士へ放つ。
しかしサッとかわされてしまう。
すでにワクチンによる妙な現象を薄々と分かっていての回避行動だった。
「それは囮ッ!! エレナちゃん・ムーンサルトヒールキック!!!」
「なっ!? こ、この避の闘士ニゲキレネが、こんなッ……!!」
前転宙返りでクルクル舞っていたエレナが三日月のような軌跡を描くカカト落としを、ニゲキレネの顔面に炸裂した。
そのまま大地にまで急降下して思いっきりドスンと叩きつけた。
「ギガハアアッ!!!」
ワクチンも手伝ってニゲキレネは盛大に吐血して息絶えた。ガクッ!
その死骸はブスブスと融解されていくぞ。
「ば、馬鹿な……! 我らがよもや三人になるとは……!」
「グッ! あいつら一体何者だッ!?」
「おい! あんたらリーダーだろ!? 覆してくれよおおおお!!」
うろたえる三人の闘士へ、エガラが放った無数の風ハトが殺到してボガボガボガアアンと爆撃の嵐を浴びせた。
「クッ! 舐めんじゃ……!!」
「水龍槍キーック!!」
ナガレが竜を象る水のエーテルを纏って、飛び蹴りを繰り出す。
その蹴りから水龍を象って超高速で伸びる槍が、闘士の一人の腹を貫通したぞ。
「グボアッ!!」
絶句した闘士は、ワナワナ震えていく。
体内からワクチンがジワジワ侵食してくるのが分かった。もう致命傷は避けられない。
四万年前では多くの戦士を蹂躙してきた我ら闘士が、こうも呆気ない最期を迎えるのかと信じられない様子だ。
「こ……この…………猛の闘士カマセドグが…………ギババァ!!」
白目で吐血するなり、全身が爆散した。
爆撃を受けてなお生き延びた二闘士は、その最期に絶句した。また一人減ったのだ。
「嘘だろ……!? 四万年も長い間に……何が起こったんだよおおお!!」
「落ち着け! 審の闘士アワテラ!!」
「堕の闘士アセル! これで落ち着かずにいられるかーっ!!」
そこを勇者ナッセが独特の構えで飛んできていた。
アワテラとアセルはギョッと振り向いた。
「終わりだおーっ!! ナッセブロッシャ────ッ!!!」
通り過ぎざまに勇者ナッセが剣を思いっきり横薙ぎに振った。
凄まじく大きな斬撃が薙いで、二人の闘士を粉々に吹き飛ばして二つの頭部のみが宙をクルクル舞う。
それらは絶句したまま視線が上を向く。太陽のように膨れ上がった火炎球が浮いていたからだ。
「炎帝降臨ッ!!」
ベニマルが掲げていた親指を立てた拳を思いっきり逆向きに振り下ろした。ごーとうへる!
無慈悲に巨大な火炎球が轟々燃え盛りながら急降下。
「「うっ、うわああ……!! やめろォ…………!」」
ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!
獰猛に燃え盛る灼熱の爆発が広がっていって、最後の闘士も塵と化した。
もうすでに致命傷だったのにオーバーキルな気もしなくもない。
ジュビカは目をハートにして腰をクネクネさせて「さすがベニマルさまあああ!!」と喘いでいたぞ。
「なに!? もう全滅しただと!?」
「え、うそ!?」
闘士が全滅して、雷闘神ラッピスと風闘神ラズーリは見開いて驚く。
なおも押し寄せてくる大軍に戦慄を帯びていく。
しかし途端にキッと睨みつける。
「だが、初めて見せる事になる!! 真の絶望をなッ!!」
「闘士が全滅してのみ特殊召喚ができるアーティファクト・テンペストドラゴンGよッ!!!」
「さぁ、ここに降臨せよ!!!」
空に立ち込めた暗雲から稲妻が迸って、蛇行する龍のシルエットが浮かび上がっていく。
烈風が吹き荒び、荒々しく稲妻が降り注いで大地や森林を穿っていった。
戦慄を帯びるほどの威圧感が全身を貫くかのようだ。
「なっ、なんだと……!!?」
「これは四首領クラスの……威圧ッ!!」
マジンガもフクダリウスも顔を青くするほどで、誰もが絶望に覆われていく。
それほどまでに強烈な存在感が伝わってくる。
天空から巨大な龍が威圧感漲らせて降りてきたぞ。
「グワオオオオオオオオオオオオ!!!!」
その凄まじい咆哮で全てが震撼したぞ。ビリビリッ!!




