385話「マジーでアクスだぞ!? キラキラ妖精王!?」
「では見せてもらおうか? そのアーティファクトの性能とやらを!」
「いいから引っ込んでろおおお!!!」
アフロとジャマは某アニメ通りに犬猿の仲のようだぞ。
鎧のように包んでいるダンガムは背中からバーナーを吹いて浮遊し始め、空中を自在に飛び回って射撃とか、サーベル剣戟とか繰り出していく。
ドーン! パパパパ! バシイッ!! ドォーン!!
まるでアニメの世界に入ったかと錯覚するぞ。
さすがにモビ〇スーツのような巨大ロボじゃないけど、勢いとかそういうのソックリではある。
「ムッ! そこ!」ピキーン!
「なんの!」ピキーン!
ニュー〇イプみたいに鋭く察知して攻撃を回避したりする。
たぶん、ナノマギアで感知力を高めているんじゃねぇか?
ドガ────ン!!!
町の真上で大爆発が広々と広がっていく。オレたちは汗を垂らす。
「そこにいたら危ないよ!」
声に振り向くと赤髪マッシュヘアーの少女がいた。髪と目の反射光がミント色になっている不思議な髪の毛だぞ。
背中に斧をぶら下げている白い鎧みたいな感じ。これジークア〇スだ。
事もあろうか、オレの手首を引っ張ってタタタッと駆け出していく。
狭い路地裏へ入り込むと黒猫がいた。にゃあ!
「ニーアン!」
「マシュ待ってたにゃあ!」
どうやら不思議な赤髪の少女はマシュで、黒猫はニーアンって呼ぶようだ。
まさかのニャ〇ンが猫とは……。
「今年って二〇一〇年よね……?」
「ああ。分からんが十五年後くらい未来のダンガムアニメ先取りしてる気がするぞ」
オレとヤマミは顔を見合わせる。
つーか執筆してるの二〇二六年なので、都合上そうなって仕方ないからな。メタァ!
「こっちこっち」
なんとマンホールを開けて、下へ降りるみたい。
オレは咄嗟に振り向く。
「マジンガたち第一陣と、フクダリウス第二陣はあの二人を止めてくれ! オレたちは少女のところへ行く!」
「む? いいのか? 隊長が少女のところへ?」
「おい! そんな事している場合じゃないだろう? 二人を無効化で止めて……」
「それはごもっともなんだが、なんか引っかかるんだ……、なにかが」
本来なら無視して、二人の案内人を落ち着かせて闘神へ案内してもらうのが一番だ。
そもそもそれが目的で王国へ着いたのだから寄り道する選択肢はない。
だが、不思議な感覚を覚えたのだ。
「よし! 隊長の命令とあらば仕方ない! だが何かあったら連絡しろ!」
「ああ、マジンガさんジャキガン生徒の指揮は頼んだ!」
「うむ!」
「……ナッセは不思議な感覚を持つからな。仕方ない。分かった、何かあったら連絡を忘れずにな」
「すまん。そうする。大阪組の指揮権はフクダリウスに任す」
「了解した」
「あーあたしも行くー!!」
なんとリョーコが飛び出して、オレたちへ加わる。
ヤマミはちょっと不機嫌に目を細めた。
「グランドルフはそのままの状態でそっちへ行ってくれ。いざという時は頼むぞ」
「いええす!!」
こうして二手に分かれてオレとヤマミとリョーコはマシュという少女の後を追った。
地下道へ入ると、水面を通り抜ける感覚がした。
長い管の中を降りていくと、そこは更に地下世界が広がっていて巨大な筒の中に都市が敷き詰められている。今は夜なのか、もしくは元々真っ暗?
見上げれば星々のように都市の明かりが見えた。
「な、な、なにこれー!?」
「こ、コロニーじゃないか! そこまで再現してんのか!?」
まるでアニメの世界へ入ったように錯覚する。
「プレートスライドで第二の都市……?」
驚きながら見上げるリョーコと驚くヤマミ。
ハッと目の前へ視点を戻すとマシュとニーアンが神妙に突っ立っていた。
「なんでオレを……?」
「なんかよく分かんないけど、なんか分かった。おまえヒトじゃないだろ?」
「ええ、私たちは地上のクロマ人よ」
「ネアンデル人とかクロマ人とかじゃないにゃあ。キラキラですにゃあ」
「キラキラって何よー?」
なんで分かったんだ、と竦んでしまった。
するとミント色の花畑がポコポコ広がっていって、マシュは背中から赤い羽根が浮き出す。周囲に黒い玉とミント色の輪がいくつか出現する。
ニーアンも紫のドラゴンを象るオーラを纏ってきた。そっちはドラゴンかい。
「おまえ、本物のキラキラだろ!?」
「え? 妖精王が??」
「まさか同じ妖精王!? だから髪の毛が特殊だったのね……! 普通なら再現できないもの」
「あ、ああ……確かに……」
「ええー!? ネアンデル人にも妖精王やドラゴンいんのー!?」
リョーコも驚く。オレだって驚いてるぞ。
「ナノマギアでキラキラを再現しようと思ったら、これしかなかった」
「妖精王とドラゴンを再現できるナノマギアにゃ! それでキラキラにゃ!」
「かなーりレアで高かったんだよ!」
つまり、それっぽく見た目を再現できるだけで本物のように特殊能力とかあったりしない。
若干パワーアップできるらしいけど、彼女らは一般人なので振り幅は小さくて期待できないか。
オレはガックリ肩を落とす。
「なんだよ……脅かすなよ」
「全く……」
「でも妖精王は確かにキラキラだもんねー。分かる分かるー」
なんかリョーコは納得してウンウン頷く。
マシュはキッとこちらを見据えてくる。
「シュージン知ってるでしょ!? いなくなったのよ!」
オレたちはその名前に戦慄を覚えて見開いた。
それは闇闘神シュージンと一致していたからだ。
「ええー!?」
「まさか……闇闘神シュージンの封印はとっくに解かれた!?」
「そいつどこにいるの!?」
「待って! こっちが知りたい!!」
マシュは首を振って、どこか焦ってるような顔でシュージンに執着しているように見えた。
オレは「落ち着け!」と敢えてマシュに触れておく。ちょい指先でニーアンにも触れる。
ワクチンを注入する為に……。よし成功!
「えっ!? なにした!?」
マシュは違和感を感じて思わずオレを突き飛ばした。
ヤマミがオレを受け止めてくれた。マシュはキッと睨む。しかし何も起きない。
「……ゾンビじゃねーようだな。安心したぞ」
「な、なになに??」
てっきり闇闘神シュージンと接触してるっぽいから、ワクチンで確かめたんだ。
本来ゾンビにされているのなら、例のスペースみたいになる。
少女が苦しみもがいて死んでいくのは正直見たくねぇけど、闘神のゾンビをこんなところに放ってはおけない。
「毒でもないにゃあ?」
「……すまん。闘神の下僕にされるとゾンビにされるんだ。闇闘神と接触して下僕になっていたらシステムによって殺されてゾンビにされる」
「なんなんだよ!? もう!!」
マシュは怒り出す。
とはいえ、ワクチンが全身に広がっているからゾンビにされるという事はなくなる。
もし闇闘神が悪意を持ってゾンビにしようとすれば、ワクチンで返り討ちにあう。
ちなみにナノマギア・オリジンのような下僕化はなくなってるから大丈夫。
「……話を聞かせてくれないかな?」
ハッとオレたちはマシュとともに振り向く。スタスタと歩いてくる銀髪の渋いオジさんが影から現れる。
思考を見透かされるような視線だ。
マシュとニーアンは「うげ!」と苦い顔をしていく。
「申し遅れました私はシャーブルです。ふむ君ら妖精王とな? では目的は? そうか、闘神の退治を? なるほど……」
「え? 勝手にしゃべりだしたぞ!?」
「思考を読まれてるわよ!」
「ええー!?」
「そっちの銀髪は地上の英雄のナッセ。黒髪の少女はナッセの恋人ヤマミ。そちらの金髪オカッパはリョーコですな」
……ニュータ〇プに似せたナノマギアでも限度あるだろ。
もはや秘密も何もないぞ。
ってかそこまでキャラを再現できんのかよ!?
「ワクチン保持者。なるほど……確かに二体の闘神を倒しに来た英雄と……」
気づけばマシュとニーアン消えてる。忽然と……。
こちらが驚いている隙にバックレやがった!




