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383話「城山ナッツ! いきなりキスをされたぞ!」

 二日三泊でアステロム王国で英気を養った後、他に封印されている闘神(バトキア)を処理する事にした。

 オレたちはベジダブル王を前に頭を下げていた。


「うむ。ゆっくりできたのなら幸いだ。して『風闘神(フウザレル)』と『雷闘神(サンボルダ)』が封印されている地域は、南アメリカ大陸のブラジルと位置が重なる地底境域界(サブタレニアン)地域。ここから近いだろう」

「地図も頂いたし、これでどこの地底境域界(サブタレニアン)へ行けるようになりました。感謝致します」

「ええ。全員分を処理したら報告します」

「そなたらの活躍を応援しておるぞ。気をつけて行ってきなさい」


 和やかな雰囲気でオレたちはアステロム王国を出発したのだった……。

 もちろん浮船(シート)でプレートスライドしながら南アメリカ大陸へ進んでいったぞ。




 現在のところ、封印が解かれたという報告もない。


「グランドルフ以来の予知夢は全然見てないしなぁ……。大丈夫ってとこかな?」

「そうね。でも気を引き締めた方がいいわ」

「ああ……」


 プレートスライドで周囲の風景がグリングリン空間を開けるような不思議な動きを見せている。

 まるで映画の世界に入ったかのような気がしてドキドキもする。

 そんなオレたちの様子に、ナッツは煮え切らない気持ちでモジモジしていた。気づいてるけど知らないフリしておくぞ。


「ウム、ベジダブル王はブラジルに位置する『メィテオルン王国』と隣国の『ゴーメット王国』があるらしいからな」


 マジンガが腕を組んで歩んできた。

 あそこの地底境域界(サブタレニアン)地域は主にその二つの国が領地を二つに分けて治めているという。

 昔は仲が悪かったらしいが、今はそんな事はないみたい?

 なんにせよ争いはない方がいい。


「なんか世界旅行しているみたいだお!」

「ワクワクするよねー! この並行世界(パラレルワールド)に来てよかったー!」


 勇者ナッセと魔法少女リョーコがアハハウフフで楽しんでるみたいだ。

 そしてカイガンが羨ましいあまり「ガフオオッ!!」と勝手に吐血しながら吹っ飛んでる。


「フン」

「フフフ!」


 なんとジャオウと、黒い色調に変えたモエキがクールぶって並んで歩いてきたぞ。

 付き合った経緯は知ってるけど「うお!? なぜ一緒なんだ?」と驚いてみる。


「闇の眷族を得た。これより我が深淵の(つがい)は更なる力を得るであろう!」

「フフフ! 私の力は夜よりも深い闇に染まったわ! 我が力はジャオウと共にある……!」

「交わした闇の契約は生涯破られん……」


 厨二カップル爆誕したぞ……。

 なんか二人してフフフフ冷笑してる。

 案外お似合いなのかもしれんな。自分から気取ったような技名叫んでたし。


「契約? って事は、もうエッチしたんかー!?」

「「ひぅえっ!!?」」


 ビクンと二人は竦んで、赤面して湯気を立て始めた。

 なんかモエキが「あ、あわわ、あわわ!! ま、ま、まだまだ!!」と手をパタパタ振りながら恥じらっている。


「き、き、きさまぁ!! そんな大胆な事できるわわわけがががが!!!」


 ジャオウも裏返って動揺してるのが窺える。

 まだなんか。意外とウブなようで、そこまで進展してないようである。


「き、き、き、キスからははは始めないと!!!」

「お、お、おお!! ま、ままずそこからだ!!」


 カチコチしながらジャオウとモエキが赤面しまくってる。


「まぁ、なんというかすまん。ゆっくり段階踏んでいった方がいいよな……」

「そういう貴様はどうなのだ!? さすがにヤってないだろう!?」

「んー……、とりあえずCまでは……」


 するとジャオウとモエキはガガァンと稲妻が走ったようなショックを受けた。

 カイガンも「ガフオオオオオオオッ!!!」と吐血して吹っ飛んでる。

 勇者ナッセと魔法少女リョーコは見開き、ベニマルとジュビカは逆に「やっぱか」と察していた。


「「「な、な、な、なんだってえぇぇぇ──────ッッ!!!」」」


 リョーコもエレナもコハクまでもが大きく口を開けて驚愕ズ!

 ナッツは驚いた顔で固まってガーン!!

 未だ彼女いないのに、本物のナッセは既に彼女いるどころかC進展していたのだ。


「数えるのも分からないくらいやってるけど、何が問題かしら?」

「「「大問題だ──────ッッ!!!」」」


 動揺組は一斉に指差して絶叫してきたぞ。

 そういや言ってなかったんだっけ? かなりみんなワナワナ動揺してんぞ?


「嘘だッ!!!」


 なんか某ひぐらしみたいにモエキが豹変して指差してそう言い放ってきたぞ。


「いつも見ていたけど、そんな素振りしてなかったじゃない!!」

「おいおい……自白していいのかぞ?」

「うっ!!」

「ちなみに毎日間近で一日中覗けてるわけじゃないんだろ?」

「ううっ!!」

「ともかくプライバシーだからそれ以上は言わない。もう恥ずかしがってる関係じゃないからね」

「うううっ!!」


 黒髪ロングをサラッとかきあげるヤマミ。どことなく得意げだ。

 モエキは愕然と膝を落とすが、ジャオウが「オレがいる」と背中からハグする。


「そっちのオレもやってたお!? マジでやってたお!!? 黒髪撫子とあんな事やこんな事っ、羨ましいおおおお!!!」

「……そっちも自白してるなぞ」


 すると魔法少女リョーコがほおを膨らませて、勇者ナッセに詰め寄る。


「ちょっとー!! ナッセェ──!!! あっちが良かったわけぇ──!!?」

「ま、待つおっ!!! そんな意味で言ったわけじゃ……!!」

「この浮気者──っっ!!」


 焦る勇者ナッセに魔法少女リョーコが杖でボコボコ殴っていく。

 勇者ナッセと魔法少女リョーコはイチャついてたし、こないだギシアンも聞いてるしなぁ。

 ベニマルとジュビカも同様だ。



「あの!! ナッセさんっ!! オレにもヤマミみたいなの紹介してくれぞーっ!!」


 なんと城山(ジョウヤマ)ナッツが泣きついてきたぞ。引く。


「し、知らねぇよ!? ジャキガン学院でヤマミのコスプレしてる人とかいるんじゃねぇ!?」

「いないぞっ!! いないから頼み込んでるぞ~っ!!」

「いいから離れなさいよ!」


 不機嫌なヤマミはナッツを引き剥がそうとすると、誰かがスッとナッツを羽交い締めして引き剥がしてきたぞ。

 なんとポッチャリの黒髪オカッパの地味子だぞ。

 青い隊服で胸も割と大きい。


「ナッツさん! 内気で言い出せなかったけど、もういい加減言います!!」

「な、なんだぞ!? 誰だぞ~~っ??」


 ナッツと向き合う黒髪オカッパの地味子……。

 そういやジャキガン学院のモブ生徒にいたな。三十五人の中の一人。

 全員紹介しないのは、こうやって新キャラを出せるからだぞ。メタァ!


「わ、私は……飴取(アマトリ)千華(チカ)のコスプレしている弓兵(アーチャー)創作士(クリエイター)です! 本名は南雲(ナグモ)チカですっ!」

「エ……? う……うん、オレは城山(ジョウヤマ)ナッツだぞ……」

「あ、あ、あの!! ナッツさん!! 付き合っていただけませんかっ!!?」

「うっ! で、で、で、も!! タイプじゃ……」


 ナッツは横目で気まずいながらも断ろうとする。

 その瞬間、チカの両目がキラーンと輝いて即座に反射行動を起こした。


 ずっきゅうううううううううううううんっっ!!!!


 なんとチカはナッツの唇を己の唇を重ねる事で『振られる結果』を無効化にしたぞ!!

 まさかのA進展に誰もが驚かざるを得ないッ!!


「んぐぐぅ~~!!」

「ぷぱっ! 好きでした!! 好きでしたっ!! 付き合ってくださいいい!!」


 とか言いながら、再び有無を言わさず深いキスをぶちかましおった……。

 ぶちゅう~!

 オレもヤマミも呆気に取られたぞ。

 こうも恋愛感情が荒々しく深く熱いものなのか……と改めて思い知ったぞ。


 ぐちゅぺろぱちゅぷちゅぱんぺちゅっぱぱぱんぺちゅぴちゅちゃぴ!!


「うぃえ~……、うん……いいです……ぞ」


 悩殺されたナッツは心音バクバク高鳴って、ろれつ回らず情欲のままに告白を受け入れてしまった。

 するとトドメを刺さんばかりにチカがブッチュウウとキスをぶちかました。

 艶かしく二人の舌が絡み合ってて見てられないぞ。

 脳天を衝くほどに快楽の波に溺れたナッツは、目の前の地味子であるチカが絶世の美女のように錯覚してしまった。


「ガフオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」


 またしてもカイガンが吐血して吹っ飛ぶ。なんなんだコイツ。

 ともかく、今ここでナッツとチカのカップルが爆誕したぞ。急展開すぎる。

 まだAにも達していないジャオウとモエキは焦りを滲ませていた。内心「なんとかしなくちゃ!」を連呼しながら、チラチラお互いを見合っている。


「そっちも頑張れよー! 応援すっぞー!」

「「はわわっ!!?」」


 浮船(シート)はそんなん構わず、南アメリカ大陸に位置する地底境域界(サブタレニアン)へたどり着いた。

 一体いつからラブコメみたいな展開になったんや……w

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