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376話「アステロム王国はサ〇ヤ人の国!?」

 七つのドラゴンオーブを飾る城壁が特徴のアステロム王国の賑やかな町を通りながら、王宮へ向かう。

 ラ〇ィッツみたいなハツカダイが先導してくれるから迷う事はないけど、緊張するなぁ。

 やがて王宮前にたどり着くと、大きな岩山を連ねたような形状に圧倒される。


「ここが……!?」

「くれぐれも粗相のないようにな。では入城する」


 左右のサ〇ヤ人風門番が敬礼し、オレたちは入っていく。

 通路を通り奥行きの袋小路に入ると、ナノマギアのエスカレーターで最上階まで行った。

 門が開かれ、荘厳とした広間に唖然とさせられる。

 シャンデリアが三つぶら下げられていて、周囲の壁には彫刻が掘られている。

 地上とはまた違った文化が見られる造形だ。


「遥々遠路ご苦労……。ようこそいらっしゃったな。ミズミール女王から話は聞いておる」


 中年ぐらいか筋肉質のたくましい大男は煌びやかなダイヤモンドの装飾を身につけている。

 ……ここまではいい。


「いつからベジ〇タ王に……?」

「うむ。よくぞ分かったな。ワシこそがアステロム王国を統治せしベジダブル王だ! ムンッ!」


 ヴイン!!


 とか言いながら二人に分裂した。確かにダブルだ……。

 Mハゲに剃って髪の毛を逆立てていて、ヒゲが整えられている。まさにベ〇ータの父だ。

 分裂してたのが一人に戻って王座に腰掛ける。分裂に意味があったのかはさておき……。


「サイ〇人アーマーの王国兵ばっかりだったから、薄々感づいていたんだ……」

「ここでも地上の漫画は人気だわね……」

「お主らがナッセでヤマミか。予知夢で我が同盟国を救ったとの事だが、凄いな!」


 なんだかベ〇ータ王に言われているみたいでムズムズする。


「予知夢かどうか分からないけど、狙って見れるようなもんじゃないんで……」

「マグレでも何でもいい。とにかく水闘神(アクリアル)が地上の戦士たちと拮抗している。ヤツらは不死身で決定的な打倒にならん。力添えを頼まれてくれるか?」

「はい。もちろんです」


 オレたちはそのつもりで来たからなぁ。

 まず水闘神(アクリアル)のナノマギア・オリジンを消滅させるのが当面の目的。

 最終的にナノマギア・オリジンそのものを消滅させなければならないからだ。


「ああそうそう。ナノマギア・オリジンについての予備知識を伝えます」

「ふむ、聞かせよ」


 ナノマギア・オリジンは独裁用にうってつけで、自分以外をゾンビにして思いのままに操れる。

 しかも不死身設定は『奇跡』ではなく『システム』で、実権を握るトップとて例外でもなく、死んだらソックリさんに複製されて蘇ったように見える事。

 これらを完全消滅させる為にやってきた事を含めて伝えた。


「ふぅむ……。まさか……そんな致命的なシステムだとは……」

「なので水闘神(アクリアル)も亡霊の可能性あります」


 思い悩むベジダブル王は「ううむ」と唸る。


「ナノマギア・オリジンの持ち主でなければ知らない秘密。お主だからこそ判明したって事か……」

「とりあえず、こっちの武器にもそれを注入させてもらえませんか?」

「なに?」


 訝しげなベジダブル王に、ヤマミは片手でサラッとロングの髪をなびかせる。


「ナノマギア・オリジンにはナノマギア・オリジンでしかダメージを与えられないそうなので、武器のみに限定して注入していく感じよ。持ち主に寄生禁止で」

「そ、そんな事が可能なのか!?」

「ああ。そうすれば闘神(バトキア)が襲ってきても、対抗できるはずです」


 ベジダブル王は地闘神(アスラリオ)の大虐殺を聞いているので、どれだけ恐ろしいか知っている。

 プラネンタ王国もナッセたちがいなければ滅んだ国と同じ末路を辿っていた。

 ヤツらは不死身で恐るべき能力を持っている。このままでは一方的に虐殺されるだけだ。


「分かった。お主らを信用するぞ……」

「ありがとうございます」

「……とにかく旅の疲れを癒すがいい。部屋は用意している。ハツカダイ案内してやれ」

「ハッ!」


 オレたちは用意された王宮の部屋で泊まる事になった。

 外観は岩山を連ねた無骨なものではあるが、室内はそれに反して綺麗に整っている。

 見渡せば明らかな二人部屋と分かる広大な空間と豪勢なベッドキャノピーだ。


「やっぱり二人セットになってんのかよ」

「私と一緒は不満なの?」


 ヤマミが目を細めながら、オレの後ろから肩にアゴを乗せてくる。艶かしい。


「……いや、夫婦だと勘違いされてるのかなと思って」

「未来そうなるんだから、別にいいんじゃないの? 今更一人部屋ずつにしても仕方ないじゃない」


 束縛するかのようにオレの体をギュッと抱きしめるヤマミ。

 オレの体をヤマミの指が艶かしく這ってくる。なんかゾクゾクするぞ。

 勘違いされてるかどうかはさておき、ヤマミはさそも当たり前のように同棲してくる。

 スミレに執着するブラクロがそうだったように、標的(オレ)を逃す気はなさそうだ。


「やっほー!! 遊びに……ゲッ!」


 リョーコが明るく入ってきて、ヤマミに睨まれてビクッと硬直。

 ……こういう事があるからかなと、オレは察した。

 一人でいるとリョーコとかに寝取られかねないと危惧してるかもしれない。


「それはともかく、部屋の割り振りは飛空艇(フライデー)んトコと変わってねぇか?」

「あたしはエレナと一緒の部屋だけどねー。エレナちゃん幼いから保護役として」


 するとエレナがひょいと顔を覗かせて「いちおー大人だからねッ」とぶすくれていた。


「昼メシどっかにいこー!」

「ああ、そんな時間だっけ?」

「そうね」

「行こ行こッ!」


 時計を見やると正午を過ぎていた。


 久々にオレとヤマミとリョーコとエレナ四人で城下町へ散策を繰り出した。

 丸い岩山を建造物として、室内は立方体の空洞になっているようだ。

 色んな店があって、地上では見かけないような商品が多く並んでいた。宝石が散りばめられた衣服やカバンなども多く、リョーコとエレナが目を輝かせた。


地底境域界(サブタレニアン)って、四万年前から独自に文化をずーっと保ってたんだっけ?」

「時々地上へ行ったり来たりして影響を受けているのもあるけどね……」


 ヤマミがチラッと見やり、オレもその視線を追いかける。

 某龍球漫画と思わしき鎧や片眼鏡(スカウター)の王国兵。

 住民でさえも界〇神、人造人〇一九号二〇号、ナメッ〇星人の衣服を着ているネアンデル人多いぞ。


「確かに……」

「ここはドラゴンオーブのコスプレ会場か何かなのー?」


 リョーコはまじまじと見渡す。

 本屋には龍球漫画が並べられている。それに混じっている同人誌を見てひきつった。孫悟〇と〇ッコロのBL(ボーイズラブ)だ。

 他にベジ〇タ&カカ〇ット、孫〇天&トラン〇ス、ベ〇ット&ゴジ〇タとかもあるぞ。


「お……おおお!?」

「通貨持ってないから買えないわよ」

「か、か、買うなんて言ってないからあー! 言ってない言ってなーい!!」


 ヤマミに見透かされて、キョドるリョーコ。あちゃあ……。

 オレの方を見て「き、興味がないの知ってるんだよねー? ナッセ?」と慌てながら言ってた。

 本当はリョーコがBL(ボーイズラブ)好きだったなんてのはオレも知ってるけどさ……。


「あそこ」

「ん?」


 言ったそばから魔法少女リョーコが鼻血出しながら同人誌をゲヘゲヘ見てる。

 赤面したリョーコは慌ててすっ飛んでいって同人誌を剥ぎ取って本棚に返して「ダメダメー!! 見てるからー!!」と必死に本屋から引きずり出していた。

 魔法少女リョーコも戸惑ったまま「えー!! いいところ見てたのにー!」と不満そう。

 どの並行世界(パラレルワールド)でもリョーコは相変わらずだなぁ。


「あ、孫悟〇の服ッ!!」


 エレナの声で振り向くと黄土色に青いインナーシャツの家族がいて、背中には如意棒を背負っている。

 背中に『語』と間違った漢字になってたりする。

 内心『悟』です……、と突っ込んだぞ。



 するとなにか光が飛んできたと思ったらバガゴオオオンッと周囲の建物が破壊し尽くされたぞ。

 周囲のネアンデル人が逃げ惑っていく。うわーきゃー!

 そして白い騎士鎧を纏う銀髪少女が降り立ってきて、敵意をむき出しにしてきたぞ。


「ワタシは宇宙帝(ゼット)!! 悪しき地闘神(アスラリオ)ついに見つけましたッ!! ここで会ったが百年目! このタキオン(ゼット)ソードでシバき(おっつ)してやるですっ!」


 ビシッと光の剣を突き出してきたぞ。

 グランドルフに続いて、宇宙帝(ゼット)もマジで登場!?


 実は【第一部】のあとがき雑談に登場してたキャラなんですよねw

 遠くの宇宙から来たという曖昧な設定だったが、火星からやってきたという設定に変更されましたw

 とりまマーズファントム編の第一話あたりで出てきた伏線をここで回収しておきますw

 参照『130話「追憶! ついに星獣へ奥義炸裂!!」https://book1.adouzi.eu.org/n7638fr/131/』より。

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