369話「第二陣出撃!! 無敵を食い止めろ!!」
オレとヤマミだけで生き残ってしまう最悪なバッドエンド、そこで夢は終わっていた。
ジャキガン生徒や大阪の仲間もみんな殺されてしまう。
それはこれから起きるらしい未来……。
「それが昨日見た夢……!」
「ああ。オレにも理屈分からんが予知夢としか思えない。ここまで的中してるしな」
「…………!」
ヤマミは思い詰めた顔をする。
「ジャオウ!! 第二陣を出撃させる!! 命懸けで動きを止めてくれ!!」
「……分かった!」
ジャオウは覚悟を決めて、真剣な顔を見せた!
「邪凶滅殺拳! 獄炎・四十頭黒龍装威!! シャ!」
「また黒龍か!?」
ジャオウは上へ向かって黒龍を四〇匹も放射した。
それらは上空から「ギャオーン!」と吠えながらャオウへと下降していく。
大地を震わせるほどにジャオウの身に四十匹もの黒龍が吸収された。
「コオオオオッ!!」
爆発的に威圧が膨れ、ジャオウの全身からバチバチ弾けるようなエーテルを噴き上げ、更に黒炎の余波が周囲を舞う!
しかも全身から無数の目がギョロッと見開かれ、額にも第三の目を開眼!
「ホウ! 自ら吸収してパワーアップか!!」
「攻撃する他に、オレの妖力を爆発的に高める起爆剤にもなるのよ! この全身邪気眼モード&四十頭黒龍装威できさまを屠ってやるッ!!」
「おおお!! 面白そうだ!! 来いッ!!」
巨躯のグランドルフへ超高速ラッシュを繰り出し、全身を滅多打ちにしていく。
黒炎を纏う拳の連打に仰け反っていくが、次第に効かなくなっていった。
連続攻撃系は効くのが初撃だけで、残りは無効化されちまう。だから流星進撃も通じなくて当たり前だ。
夢ではオレが飛び出して失敗しちしまった。
「ヤマミ! ヤツは拳を地面につき下ろして魔法陣を描く。それを妨害してくれ」
「魔法陣……! ええ、もちろん!!」
オレを信じてヤマミは頷いてくれる。やっぱ持つべきは相棒だ。
頼むぜ!
なんと第二陣がぞろぞろと王宮から出撃された。
「よーし! やってやろうじゃないのー! ってか連撃系の技は効かないわよねー?」
「ウム! だが、隊長ナッセは動きを止めてくれと言っておったな」
「これは楽しくなりそうですねー」
リョーコとフクダリウスとモリッカが士気高揚と駆け出して、ダイヤモンド部族兵を蹴散らしていく。
「こっちも一肌脱いでやるッ! エレナちゃん進撃ーッ!!」
エレナは駆け抜けながら連続キックを繰り出して、大勢のダイヤモンド部族兵を砕いていく。
すると彼らを尻目にマイシが竜を象るフォースを纏って飛び去ってしまう。
「へっ! なら、試してみるっしょ!! それがマジで無敵かどーか!!」
ジャオウが格闘で動きを止めているところを、割って入る。
マイシの振るう炸裂剣がドガァンッと被弾して、グランドルフは苦悶の顔で仰け反った。
間を置かずマイシは口を開いて、前屈みに顔を突き出し膨大な奔流を放射!!
「火竜王の爆裂波動砲ッ!!!」
ズオアアアアアアアアッッ!!!
凄まじい灼熱の激流がグランドルフを押し流し、大爆発球が膨れ上がって周囲に震撼を広げた。
オレは固唾を呑む。
……それも効かなくなるだろう。
「一か八かだ!! 三大奥義が一つ……!」
オレは太陽の剣をかざして、周囲にポツポツ浮かんだ雫を吸い寄せていく。
ヤマミは周囲に黒い小人を生み出し、周回させていく。
「これが効かなければ撤退するしかねぇ! ギョヌさん女王さまを頼むぞ!!」
ミズミール女王を連れてギョヌはコクリと頷き、王国兵と一緒に王宮を脱出し始める。
とりあえず住民にも避難を勧告させておいた。
全員はムリかもしれねーけど、見殺しにするよかいい。
爆炎が燃え盛る中から、グランドルフがズンと巨体を現してきた。
ダイヤモンドの煌く絶対的な防御力が映えるかのよう。
「ぬおおおおおおおおッ!!!」
フクダリウスが巨大な戦斧で滅多打ちして、グランドルフを僅かに押す。
そしてエレナが上空からクルクルと前転宙返りで急降下。
「エレナちゃん・ムーンサルトヒールキックッ!!」
「ヌッ!?」
三日月に軌跡が煌くようなかかと落としがグランドルフの脳天に炸裂した。
グランドルフが屈み込んだ隙に、リョーコが「いっせーのォ」と凄まじいエーテルを溜め込む!
「クラッシュ・バスターッ!!!!」
ドゴッ!!!
強烈な一撃が叩き込まれ、グランドルフは見開く。ダイヤモンドの破片が飛び散る。
数メートル吹っ飛ぶが、足で踏ん張って地面に跡をつけながら滑っていく。ザザザッ!!
グランドルフは狂喜し、剥がれた部分をダイヤモンドが覆う。ピシピシィ!
「かような伏兵がおったとはな! 面白い! 面白いぞ!!」
「むうっ!」
「うそっ!? 耐えんのー!?」
フクダリウスもリョーコも汗をかき、絶対的な無敵に緊迫する。
マイシは「ボーッとしてんなしッ! 攻めまくれしッ!!」と飛びかかって、グランドルフに剣を振るって炸裂剣を連鎖させていく。ドガガガガッ!!
その間にコハクはプラネンタ王国の住民が逃げられるよう、反対側のダイヤモンド部族兵を一掃していた。
無数の精霊具の槍を連射して、次々と撃沈させていく。
そして切羽詰った顔で振り向く。
「……本当は加勢したいんですが、隊長の命令なら仕方がないですね」
誰一人も逃さず、ダイヤモンド部族兵で包囲しているので、どうしても穴を開ける必要があったのでコハクたちを回したのだ。
スミレは「久々に緊迫するぜ」と得意の格闘で粉砕していく。
「パイセンもとんでもねーこと巻き込まれてんな!」
「サラク! 行くよ!」
「おう! ミキオ!!」
サラクとミキオは絶妙なコンビネーションでダイヤモンド部族兵を退けている。
エガラも『分霊』の風ハトや火リスで爆撃を繰り返している。
「ウルティモ・グランデ・イボメーアッ!!!」
モエキは大きなアサガオを模した大砲から、巨大な光弾をぶっぱなす。
ドッガアアアアアンと大爆発して、数十体のダイヤモンド部族兵が宙を舞う。
一年生も何人か参加しているようだ。
「なんで僕も参加しているのだ……」
なんと邪険モリッカもブチブチ小言を言いながら、ピンクに髪を染め、赤いエーテルが燃え上がる。
容赦ない鋭い攻撃を繰り出してダイヤモンド部族兵を沈めていく。
「あ! 出た!! ピーチ超モリッカ!!」
「さすがピーチモリッカ!!」
「わぁ、結構強いです!!」
「頼れるぜ!! ピーチ超モリッカ!!」
邪険モリッカはギャグの涙を流し「もうピーチでいい……」と諦めたようだ。
カグヒメルも圧倒的な戦闘力で駆逐し、王宮へ振り返る。
「ナッセ隊長が何とかしてくれるはずじゃ……」
オレは銀河の剣をかざしたまま、無数の雫を更に集めていた。
キュウウウウウゥゥゥゥゥ……ッ!!!
「ここからが正念場……!」
あんなバッドエンドを迎えぬ為にも、ここからは違う攻撃を試す。
屈んでいるヤマミは周囲に黒い小人を周回させてタイミングを見定めていた。
ダイヤモンドが煌くグランドルフを相手に、ジャオウとフクダリウスたちが頑張って奮戦している。
「「「うおおおおおおおおおおッ!!!」」」
多勢に無勢なのにグランドルフは喜々と集中攻撃を浴び続けていた。まるでシャワーを浴びているかのように心地よく笑んでいた。
ブルー超モリッカが稲妻を纏ってグランドルフの背中をズガガガガッとラッシュを繰り返す。
次いでフクダリウスが決死の顔で斧を振るうが、グランドルフは片手で握ってしまう。
「今だあッ!!」
オーラを溜めたリョーコが飛び出し、軽やかにスピンするエレナが飛びかかる。
「せいやーッ!!」
「とりゃーッ!!」
リョーコとエレナが気合いを発して斧とカカトを交差して、グランドルフの顔面に決まる。
更にマイシが炸裂剣を脇腹に炸裂してドガアッ!!
それでもグランドルフは平然としてて、三人の攻撃すらダイヤモンドの装甲を前に傷一つつかない!
ピシィ……ッ!!
「「「くうッ!?」」」
誰もが苦い顔をする。全く攻撃が通じないってのは精神に堪える。
どうやれば倒せるんだ、と絶望色に覆われる。
それこそが地闘神たるグランドルフの『無敵化』だ。
「フハハッ! 面白い! 面白いぞ!! だが、そろそろ終幕下ろすぞッ!!」
高く掲げた拳を地面へ振り下ろす。広大な魔法陣が不気味に輝きながら広がっていった。
ダイヤモンド部族兵が次々と渦に巻かれて生け贄にされていく。
そう! ついに四首領クラスのダイヤモンド巨神兵を召喚してくるのだ!!
ゾクッときたオレとヤマミはカッと眼光を輝かせた!
「今だッ!!!」




