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368話「地闘神の驚愕すべき能力!! 絶対無敵!?」

 オレは確信した。

 やつは本当に無敵となりうるヤバい能力を持ってる。


「ジャオウ!! さっきのなんとか金蛟剪また撃ってくれ!」

「獄炎・黒龍金蛟剪だ。もっともヤツは真っ二つになっても超再生でくっついたがな」

「それ、もう一度お願いだ!」

「……何かあるんだな? 分かった」


 ジャオウは二頭の黒炎龍を放ち、左右からグランドルフを円を描くように囲もうと動く。


「ムッ?」

「今度はその首をはねてやるぜ! 邪凶滅殺拳!! 獄炎・黒龍金蛟剪ッ!!」


 ズザンッ!!!


 二頭の黒龍同士、頭がぶつかり合うと不可視の斬撃が間で炸裂した。

 今度はグランドルフの首を狙ったのだが、なんと無傷!?

 前は胴体真っ二つだったのに傷一つすらつかない。ジャオウは絶句する。


「なん……だとッ!?」

「フッ!」


 地闘神(アスラリオ)グランドルフは不敵に笑む。




 オレは息を飲み、下唇を噛む。


「ヤツは一度食らった技ならば、二度は通用しない。しかも超再生とシナジーが合ってて凶悪だ」


 初見で一気に木っ端微塵に消し飛ばさない限り完全無欠とも言える。

 戦えば戦うほど、ヤツには何も通じなくなっていく。

 最終的に文字通り『無敵』と化す。


「……もしかして未来を知ってるの? 一体どうやって?」

「ああ。夢でな……」

「夢? 昨日の……??」


 オレは静かに目をつむって語りだす──────……!




 ジャオウは覚悟を決めてグランドルフへ飛びかかる。


「邪凶滅殺拳!! 獄炎・九頭黒龍牙!!」


 右前腕を左手で押さえ、渾身で放つ九頭の黒龍がグランドルフを食い破らんと襲いかかった。

 しかしグランドルフはことごとく素手で握り潰し、黒炎が霧散してしまう。

 その威力か、地響きが広がっていく。ズズゥ……ンッ!!


「なにッ!? ならば……ッ!!」

「次は何を繰り出す!? また黒龍シリーズか!?」


 ジャオウは苦い顔ながらも、ギッと真剣な顔を見せた!


「邪凶滅殺拳! 獄炎・四十頭黒龍装威!!」

「やはりまたか!」


 構わずジャオウは上へ向かって黒龍を四〇匹も放射した。

 それらは上空から「ギャオーン!」と吠えながらャオウへと下降していく。

 大地を震わせるほどに一つの身に四十匹もの黒龍が吸収された。


「コオオオオッ!!」


 爆発的に威圧が膨れ、ジャオウの全身からバチバチ弾けるようなエーテルを噴き上げ、更に黒炎の余波が周囲を舞う!

 しかも全身から無数の目がギョロッと見開かれ、額にも第三の目を開眼!


「ホウ! 自ら吸収してパワーアップか!!」

「全身邪気眼モード&四十頭黒龍装威で完膚なきまで滅ぼしてやるッ!!」

「面白いぞ!! 来いッ!!」


 巨躯のグランドルフへ超高速ラッシュを繰り出し、全身を滅多打ちにしていく。

 黒炎を纏う拳の連打に仰け反っていくが、次第に効かなくなっていった。

 ジャオウは「ならばッ!!」と差し出した両手を上下に重ねて、燃え盛る黒龍を纏う。その開かれた口から輝きが溢れ出す!


「邪凶滅殺拳! 獄炎・黒龍滅殺砲ッ!!!」


 まるで黒龍が口を開いて凄まじいブレスを吐いたかのように、極太の奔流が一直線と唸りを上げてグランドルフを呑み込む。

 大地を揺るがし、大爆発球が明々と膨張していった。

 捲れた岩盤が粉々に吹き飛んで、嵐のように烈風が破片と煙幕を流し、誰もが腕で庇う。


「……効いたぞおおおッ!」


 ジャオウは絶句し見開いていく。

 ビキビキとグランドルフのダイヤモンドが軋むように厚くなっていく。

 敗色濃厚と絶望が心を覆いそうだったが、ジャオウはギッと睨み据える。


「何度でも喰らわしてやるッ!! 跡形もなくなッ!! 邪凶滅殺拳! 獄炎・黒龍滅殺砲ッ!!!」


 再び二度放ち、グランドルフを爆発球で吹き飛ばさんとする。

 しかし今度は平然と爆煙を突き抜けて、ジャオウへ不敵な笑みで迫ってきて首を掴む。


「グッ!!」

「もう飽きたわ!! それ以外に技がないなら、捻じ殺すぞ!!」


 ジャオウの首を掴んだまま、地面へ強烈に叩きつけて岩盤を砕きながら埋めた。破片と土砂を巻き上げてクレーターに窪んでいく。

 その凄まじい破壊力で周囲に衝撃波が荒れ狂う。

 掴んだまま今度は掲げて、メキメキと握り潰さんと「ぐああ……」ともがくジャオウ。

 

「待て待てっ! 『刻縛眼(コクバクメ)』開眼ッ!!」


 慌てたカイガンは着物を広げて胸元をあらわにし、みぞおちの大きな眼がクワッと見開く。

 そこから輪状(リップル)レーザーをパワワワと放ち、グランドルフの動きを完全に止めた。

 ビクンと震えて、ジャオウを取り落とてしまう。


「ムッ!? う、動かんッ!?」

「よし! その内に消し飛ばしてくれるッ!!」


 マジンガが三日月の翼を備えるリングを模した総合剣を生成。

 その姿はゼロを連想させるほどで、相乗効果で数十倍もの威力を引き出した最大最強の技だ。


「我が最終奥義!! サウザンドバリオン・ダイナミックZERO(ゼロ)────ッ!!」


 グランドルフの背中から突き刺さんと、炸裂して天地がひっくり返るほどの衝撃波が爆ぜた。

 しかしマジンガの大剣がダイヤモンドが覆う胸元で止まっていた。キシ……ッ!

 それさえも効かなくなっていた!? 絶句するマジンガへ、グランドルフの掌が襲う!


「マジンガさん退いてくれッ!!」

「ムッ!?」


 グランドルフは見開く! 流星流れる夜景が視界に入る!

 オレが太陽の剣(サンライトセイバー)を正眼に構え、切羽詰まったまま加勢してきたからだ!


流星進撃(メテオラン)!! 五〇連星────ッ!!!」


 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッ!!!


 弾幕のように一瞬連撃を怒涛と叩き込み、完膚なきまで打ちのめす!!

 それさえも、グランドルフはシャワーでも浴びるかのようにアゴを上げて一身で受け止めていた。

 それが終わるとアゴを下げていき不敵に笑む顔を見せつけてくる。

 ダイヤモンドでピキピキ覆われた巨体は依然と無傷!!


「ホウ! まだそんな切り札を残していたか! 素晴らしい!! 今のは最強というに相応しい必殺技だったぞ!!」


 マジンガもオレも汗を垂らし見開いて、絶句するしかない!


「馬鹿な!? この最終奥義も……」

「オレの得意技でさえも……」

「「通じない……だとッ!!?」」


 まるで最高硬度のダイヤモンドを砕けぬと錯覚するかのように、完全無欠の防御力を前にオレたちは絶望に覆われていく。

 どんな技を繰り出そうとも、もはや通じないと……。


「久々に楽しめたわ!! では、ここいらで幕を下ろそうか!?」


 グランドルフはダイヤモンドの拳で地面へ付き下ろし、そこから巨大な魔法陣が展開されていく。

 と、同時にダイヤモンド部族兵が全て渦に巻かれて消えていった。


 ズ  ン!!!


 地底境域界(サブタレニアン)を揺るがすほどの鳴動がして、魔法陣から超巨大なダイヤモンドの巨神兵が這い出てきたぞ。

 超巨大で圧巻とも言えるそれにオレたちは口を開けて愕然する。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!!


「「「なに────────これ────────!!?」」」


 巨神兵の肩に乗っているグランドルフはニイッと笑む。


「下僕の数十万人もの部族兵を全て生け贄に捧げる事で召喚できるのだッ!! これこそがアーティファクト・カタストロフギガント(ゴッド)よッ!!」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!


 ミズミール女王もギョヌも見上げて口を開けるしかない。

 これはもはや四首領(ヨンドン)クラスの威圧だ。

 ヤマミは苦い顔で漆黒の妖精王へと身を変えて、黒い花吹雪の渦にズズズズッと飲まれる。


「ならば、もう一度────!!」


 ギョヌはギンと赤い魔眼で凝らすが、噴水のように血飛沫を吹き出して仰向けに倒れた。

 ミズミール女王は「あああああああッ!! ギョヌ、ギョヌーッ!!」と動転していく。

 もはや魔眼で効くレベルじゃなくなってた。


「圧倒的殲滅だッ!! さぁ跡形もなく消し飛ぶがいいわーッ!!」


 ダイヤモンド巨神兵は豪腕を振るってプラネンタ王国へ突き出す!

 幅広い巨大な光線が岩盤を捲れ上げながら一直線と奔り、王国ごと打ち貫いた!!


 ドバアァンッ!!!!


 ミズミール女王もギョヌ将軍も、そしてそこに平和で暮らしていた住民さえも全部消し飛ばされてしまった!!

 跡形もなく粉々にッ!!

 そして凄まじい衝撃波の津波が左右にも吹き荒れていく! 岩の破片などが弾丸のように飛び交う!


「「「うわああああああああッ!!」」」


 それに吹っ飛んだオレたちも岩の破片を散弾銃のように受けて地面を無様に転がり、傷だらけになっていった!

 マジンガもジャオウもカイガンも瀕死で横たわる……。


「うぐ……ッ!」

「ナッセェ!!」


 ヤマミが黒花吹雪の渦から現れ、倒れているオレの腕を掴むとズズズズと再び渦に飲まれた。

 その後、閃光が覆い尽くす。カッ!


「みんなッ!!?」




 ゴゴゴゴゴ!!!


 遠くで爆発球が膨らんでいるのを見て、オレとヤマミは失望に暮れるしかなかった。

 ヤマミはオレだけを助けてみんなを見捨てた。

 彼女もまた、それが誤りだと分かっていながら選択肢はそれしかないと傷心していた。


「ごめんなさい……」

「くっ……!! くそぉ……!!」


 後悔の念に押し潰されそうになって、オレは息苦しく蹲る。

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