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363話「天の闘士デスカイ!! 恐るべき超再生!!」

 ついに地闘神(アスラリオ)グランドルフ側から、五人の幹部級『闘士(バトラー)』が出張って来たぞ。


 天の闘士(バトラー)デスカイはヒンケール、ラーシルト。

 獣の闘士(バトラー)ビスラスはウギン。

 豹の闘士(バトラー)ニアンセラはベニマル、ジュビカ。

 嵐の闘士(バトラー)ストペストは勇者ナッセ、魔法少女リョーコ。

 鎮の闘士(バトラー)ガラミウザはジャオウと対峙する事になった。


 それぞれの闘士(バトラー)は狂喜に満ちた顔をしており、争うのが好きなようだ。


「「「「さぁ、血祭りを楽しもうぜ!!!!」」」」


 オレは嫌悪感を催した。

 地闘神(アスラリオ)勢力は、敵を叩き潰すのが好きな殺戮者だ。

 マジンガが言ってたように、イナゴの大群みたいに各々国を攻め滅ぼしてなおも次の獲物を求める醜悪な奴らだ。

 近い未来、マジンガたちを皆殺しにした挙句、この国も木っ端微塵に吹き飛ばしちまう……。


「抑えなさい!」

「ハッ!」


 オレが激情家なのを忘れていた。

 ヤマミが止めてきて肝を冷やした。そのまま頭に血が上ったら自ら飛び出しかねん。

 自分の両頬をパチンと叩き、我を取り戻す。


「サンキュー、ヤマミ。いてくれてよかった」

「うん」


 今のオレは隊長だ。指揮を下す側にいる。

 昨夜の夢は置いとこう。本当に起こるかは確証ねぇし……。


闘士(バトラー)。他の部族とは違って、かなり強いぞ……」

「ええ。今は彼らに任せましょう」


 オレの言葉にヤマミも頷く。

 もし夢通り、本当にやつらが不死身で超再生を持つとしたら……。




 天の闘士(バトラー)デスカイは鳥を模したカブトをかぶっていて、白マントをバサッと左右に広げると翼のようになる。

 ヒンケールとラーシルトは身構えながら息を呑む。


「私は天の闘士(バトラー)デスカイですかい。君らは四万年後の猛者ですかい。だが、残念ながら君らにはこの私を倒せはしないですかい」

「ほざけっ!!」


 ヒンケールが飛び出し、両腕の刃で斬りかかる。


「アーティファクト生成!! バードファン!!」


 デスカイは右手からピシピシとダイヤモンドのウチワを生成してきたぞ。

 それを扇ぐと風の光線が放たれた。ブオウッ!!!

 扇状に烈風の破壊が蹂躙してダイヤモンド部族兵を巻き込んで、粉々の破片が飛び散った。


 ゴゴゴゴゴ……!!


 巻き上がった煙幕が風で流れていく。

 しかしヒンケールは全身鎧状態で、腕を交差して踏ん張っていたので数メートル離された程度で済んだ。


「喰らえっ!!」


 なんと超スピードで後ろへ回ったラーシルトが槍を振るって、デスカイの首を跳ねようとする。

 しかし翼を模したマントが勝手に跳ねて、上昇気流を生み出して吹き飛ばしていく。


「ぐうっ!!」

「私に死角はないですかい。超古代文明利器ナノマギア・オリジンによって生成されたアーティファクトはキサマら程度では破れないですかい」


 着地したラーシルトはチッと舌打ち。

 ヒンケールとアイコンタクトをして、挟み撃ちしようと一斉に飛びかかる。

 しかしデスカイはウチワを前に掲げて翼のマントともにスピン回転すると、周囲に旋風が巻き起こって猛威を振るった。


 ブオオオオオオオオッ!!!!


 他のダイヤモンド部族兵をも巻き込んで、局地的な台風が蹂躙した。

 しかし魔法耐性があるらしい鎧を身につつんだヒンケールとラーシルトは「ぐうっ!」と堪えるだけで済んだ。


「ほう! 本来なら引き裂かれるはずが……ただの鎧ではないですかいね」

「ああ、多少の魔法など効かん!」

「覚悟ッ!!」


 ラーシルトは槍をくるくる回しながら駆け出して、渾身の振り下ろしを喰らわす。


「ハリケーン・スラッシュ!!!」


 超スピードに乗せた渾身の一撃が一直線と亀裂を刻むほどに炸裂した。

 と、同時にヒンケールが右腕の刃でコークスクリューを繰り出す事で、螺旋状の光線を放った。


「ツイスターブラストッ!!!」


 デスカイは見開き「うおおおッ!!」と二撃を防ぎきれず、ウチワとマントを引き裂かれて手痛いダメージを食らう。

 吹き荒れた余波で大地を揺らし、烈風が巻き起こって煙幕を流す。

 ヒンケールとラーシルトが見据える先に、ボロボロになったデスカイが震えている。


「ぐ……がはッ……!」


 ポタポタと滴り落ちる血。

 左腕が欠け、脇腹に抉られた痕があり、ほぼ致命傷だ。


「だが、超古代文明利器ナノマギア・オリジンを甘くみないですかい……! むんっ!」


 デスカイは傷跡からボコボコッと欠けた部分が再生して、元通りに左腕と脇腹が戻って、しかもマントもウチワも完備だ。

 破けた服も元通りになっていて、さっきまでの重傷がウソになっちまった。

 やっぱ夢通りじゃん……。マジでか…………。


「フッ!」

「「なんだとッッ!!?」」


 ヒンケールとラーシルトは見開いて驚愕するしかない。


「久々の痛みだったですかい……。腑抜けた文明人にも骨のあるヤツがいるとは思いもしなかったですかい」

「ぐっ!」

「ならば……!」


 ヒンケールとラーシルトは手を重ねて『連動(リンク)』して、ステータスを倍加する。


「マッハミンスッ!!!」

「力のガイアスラッシュ!! 速のマッハスラッシュ!! 心のセイントスラッシュ!!」


 ラーシルトが縦横無尽に超スピードで疾走して細かく斬り刻み、ヒンケールが各部位の刃を繰り出して致命傷を与えていく。

 デスカイも最初はウチワやマントなどで防いでいくが、次第に破かれていく。

 血飛沫が飛び散り、細切れに肉片を散らしていく。


「いいですかい!! 死ぬほどの痛みが勘を取り戻させてくれるですかい!!」


 それでも肉片同士が磁石のようにペタペタくっついて元通りに……。

 絶句するヒンケールとラーシルト。




 目の辺りにしてオレは息を呑み込んだ。

 ミズミール女王の護衛をしているギョヌは険しい顔をする。


「やはり超古代文明利器ナノマギア・オリジンは恐るべきものだ。すぐさま再生してしまう。硬い上にあれでは……」

「だから封印するしかなかったわけ?」


 ヤマミが目を細めて一瞥。ギョヌは切羽詰った顔で頷く。

 オレは戦慄を覚えてブルッと震えた。

 夢の通りなら、確かにその通りだ……。地闘神(アスラリオ)の無敵とも言える能力がガチであれば、封印しか方法がなかったとも言える。


「その封印も、今じゃあ地闘神(アスラリオ)には通用しねぇ……。つまり倒す以外にねぇってか」

「え……? ナッセ?」

「な、何を……言っておるのだ……?」


 オレの呟きにヤマミは驚きを見せ、ギョヌは汗を垂らして戸惑う。



 疲れさえしない不死身のデスカイを前に、ヒンケールとラーシルトは徐々にダメージを蓄積させていた。

 長引けば一方的に疲労して負ける……。


「くっ! ならば、仕方ない!! 奥の手で行くぞッ!!」

「ならトドメは任せたぞ!」


 ラーシルトと手を合わせて倍加したヒンケールは両腕の刃を交差させて、その一点に光子が収束していく。

 凄まじいオーラが凝縮されているのか、大地が震えていく。

 デスカイは危機感を感じて「ムウッ!! させるか!!」と駆け出す。


「そうはさせんッ!! ハリケーンエッジ!!」


 ラーシルトがブンブン槍を振り回して、三日月の刃を連射してデスカイはウチワでガガガッと弾くしかない。

 あまりにも速すぎる弾幕で防戦一方だ。


「喰らえッ!! これが俺の闘志極大技ッ!! MAX(マックス)エックスブレイザーッ!!!」


 交差した刃をバッと広げて、胸部分の鎧から膨大なオーラが轟音を伴って放たれた。

 一直線と大地を穿ちながら極太光線が突き抜けてデスカイを呑み込む。


「うがああああああ…………ッ!!!」


 さしものデスカイも白目で粉々流されて消し飛んでいった。

 そのまま遥か向こうへと通り過ぎて、他のダイヤモンド部族兵を大勢吹き飛ばしていった。


 シュウウウ……!!


「ハアッハアッハアッ……、流石に全身を粉々にすれば甦れまいッ!!」

「ふうっ……、一応手強いヤツだったな」


 真っ直ぐ抉られた地面を前に息を切らすヒンケール、安堵するラーシルト。


 オレはそれを見届けてゾクリと身震いする。


「伝令だ……。ヤツらは木っ端微塵にすれば倒せる」


 オレが通信すると、各々の耳に伝わった。

 これもプラネンタ王国が提供してくれた小型のアーティファクト通信装置によって可能になる。


地闘神(アスラリオ)も同様、木っ端微塵以外に倒すすべはないと考えても良さそうね……」

「ああ! そうなんだが……」


 ヒンケールとラーシルトがそういう風に倒すの、マジで夢通りだったぞ……。

 もしかしたら次も夢と同じ結果かも知んねぇ……。

 ってか、昨夜の夢マジでなんなんだよ……。

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