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358話「恐るべき超古代文明ナノマギア・オリジン!」

 なんとグランドルフの全身を煌びやかな最高硬度ダイヤモンドがビキビキ覆っていく。

 そしてドス黒い圧倒的な威圧が大地を揺らすほどに溢れ始めていった。

 誰もが怖気が背筋を走り、死の戦慄を覚える。ゾッ!!


「アーティファクト・ダイヤモンドディザスター!!」


 マリキュアズ大国の兵士や将軍たちは戦慄した。

 大きな地響きとともに、部族どもが一斉にダイヤモンドへと身を変えて進撃してきたのだ。

 しかも凄まじいオーラを纏う事で各々が急激に強さを増した。


「さぁ、一方的な殲滅だああッ!! ゆけいッ!!!」


 オーラを纏ったダイヤモンド部族兵が一斉に飛び立って、流星群のように襲いかかる。


「なっ、なんだこいつらッ……!?」

「部族どもがダイヤモンドにッ!?」

「しかも威圧が増してねぇか!? これ!?」

「構えろッ!!」

「我らの後ろには家族がいるんだ!! 守りきれッ!!」


 しかしダイヤモンド部族兵が振るう剣が豆腐でも斬るように容易く敵を両断し、斉射された弾丸が貫通弾となって無残に敵を肉片として散らし、なおかつ兵士たちの攻撃がダイヤモンドの装甲を前に全く通らない。

 圧倒的戦力を誇る将軍クラスですら、圧倒的数を前に破れ去っていく。


「「「うぎゃああああああああああッ!!!!」」」


 先ほどの激戦がウソのように、一方的な蹂躙ゲームと化した。

 たちまち血みどろの阿鼻叫喚と化して、マリキュアズ大国は地獄へと堕ちゆく。

 文明人を根絶すべきとばかりに、老人も女も子供も惨殺され、かつての大国は灼熱に包まれた。


「ハァーッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」


 狂喜に笑い続ける極悪なグランドルフ。




 プラネンタ王国のミズミール女王は絶句し青ざめていた。唇が震える。


「ち……超古代文明じゃと…………!? あの忌まわしき大人災の元となった……!?」

「残念ながら……現状ではそうとしか……!!」

「今も次々と大国が攻め滅ぼされていますッ!」


 信じられぬと愕然して、身がよろめく。


「超古代文明利器ナノマギア・オリジンの悪夢が……蘇るなどと…………!?」


 あれは不味い! 決してあってはならぬ事……!

 再び四万年前の大人災を蘇らしては、世界の存亡に関わる!




 その数時間後、ナッセたちが再び地底境域界(サブタレニアン)へ来て、勢揃いと戦力を揃えてきた。

 オレはワナワナ震えて青ざめている女王を目にした。


「ミズミール女王さま……?」

「顔色悪いわよ? 一体何が起きたの……?」


 ギョヌは「む、いかがなされました?」と寄り添う。

 ミズミール女王は「見苦しいところを見せたな」と落ち着きを取り戻して、オレたちに神妙な顔を見せた。


「これから恐ろしい事を説明する! これによって地底境域界(サブタレニアン)を去っても致し方なしと受け止めるしかなかろう!」


 ミズミール女王は包み隠さず、超古代文明の知ってるとこまで教えてくれた。


 ネアンデル人は極微細のナノマギアを生まれた時から注入されて、個々に合わせて能力を発揮できる事を前提に予備知識を知らせてきた。

 これは元々、超古代文明の欠陥を補った新しい文明利器である。

 個々によって違うナノマギアでネアンデル人は互いを必要以上に干渉しないよう、別々に確立させてある。


「だが……、超古代文明のナノマギア・オリジンはその制限が無い!」


 四万年前は画期的な発明として開発されたであろう、ナノマギアの最先端。

 ネアンデル人の個々を共通化し、能力も知識も経験も平等にしてしまう。誰もが歴史的偉人になれるのだ。

 それによって楽園になるはずだった。


「共通化……!?」

「そう、共通化じゃ。それは悪夢の始まり」


 経験に限らず、記憶までも共有できる。

 そしてそれは感情に及び、その蓄積された膨大な情報量によって種族全体で尖っていく。

 ────もちろん闘争心及び、欲望や悪意までも限りなく!


「なんせみんな一緒じゃからな。共通化によってもたらされるのは平穏や平和などではなかった」


 ミズミール女王は力なく項垂れた。

 高圧的なところもあった女王が、こうまで青ざめていて弱気を見せるなどギョヌも初めて見る。

 オレだってヤベーなのが分かる。


「最強の個体となるボスが、共通化した人々を統率していく。それが『闘士(バトラー)』と呼ばれる」

「バトラー……!?」

「基本的に『闘士(バトラー)』と呼称するが、『地闘神(アスラリオ)』などのように個別に呼称する事もある。特段ヤバイからなのじゃが……」

「ヤバいって……、そんな強いんですか?」

「それもあるが、全てを支配し独占せんと己の野望をもつ不死身の個体!! 他の共通化された人々と違い、やつは絶対殺せぬのじゃ!」


 永遠に若々しく生きれるという『闘士(バトラー)』は今もなお存在するという。

 そいつらは四万年前に猛威を振るい、欲望の限りを尽くしてきた悪魔とも言える存在。

 中でも『地闘神(アスラリオ)』は不死身の上に危険人物なので、誰も倒せないから厳重な封印を施していたはずなのだ。


「そんなヤツがなぜ今になって……?」

「……恐らく部族どもが掘り起こして、封印を解いたのかもしれぬ」


 頭を抱えるミズミール女王の姿に、オレも切羽詰る。

 ヤマミも、ジャキガン学院の生徒たちも汗を垂らすほど強張っていた。


「……聞くが、部族統一したのも超古代文明の共通化によるものと……?」

「それしかなかろう」

「うむ、それまでは群雄割拠と争いあっていて、決して譲らぬからな」


 俯いたままの女王、そしてギョヌも深刻な顔で頷く。

 ギョヌとしては火星にいるネアンデル人が脅威に感じているので、地球に目を向けて欲しくないと思っていた。

 それはさっき説明した通りが理由とも言える。


地闘神(アスラリオ)グランドルフ……! やつは……四万年前の悪魔だ!!」




 ナッセたちがプラネンタ王国へ入国して、その二日後……。


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ……!!


 大勢の部族が大挙して土煙を起こすほどに、地底境域界(サブタレニアン)の大地を疾走していた。

 目指すはプラネンタ王国。

 地闘神(アスラリオ)グランドルフは狂喜に口角を上げた。ニイッ!


「盛大に血祭りだああああッ!! いえええ──い!!!」


 数十キロ先のプラネンタ王国を目視するなり、喜々と拳を突き上げた。

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