357話「ネアンデル人の文明利器ナノマギア!!」
プラネンタ女王の元へ兵士が二人駆けつけた。
そんな物々しい様子に、ミズミール女王は頬に汗を垂らす。
「大変です!! 統一された部族をまとめているボスが判明しました!!」
「申せ!」
「地闘神グランドルフですっ!」
「なんじゃとッ!?」
まさかの人物にミズミール女王は見開いた。
呆然とした様子でワナワナと震えだす。
「……よ、四万年前から永久に封印されたのではなかったのか…………!?」
「更にそれだけじゃなく──……!」
地底境域界内にある、長野県辺りにある壮大な国が広がっていた。
周囲に草原が広く見渡せる。
とても豊かに発達している堅牢な大国と一目で分かる。
そんな時に、ぞろぞろと部族が大勢で押し寄せてきていた。異なる部族同士がいがみ合うこともなく、最初っからそうであったかのように隊列を組んでギラギラと戦意を研ぎ澄ましていた。
「いえーい!! いええい!! これは手応えありそうな大国よ!!」
グランドルフは狂気じみた笑みを浮かべてノリノリに拳を突き上げた。
それに呼応するように部族どもが「うおおおおお!!!」と拳を突き上げたぞ。
死をも恐れぬ鍛えられた兵隊のように、大勢で大国へとなだれこむ。
「来たぞッ!! 皆の者、迎撃用意ッ!!」
マリキュアズ大国は、予め他の国が攻め落とされているのを聞いていたので事前に警備レベルを上げていた。
訓練された兵士たちが城壁に待機し、ニョキニョキと大砲を生成させていく。
「アーティファクト生成!! 城壁魔導大砲!! 撃てえーッ!!」
次々と火炎弾が斉射されて、ドカンドカン凶悪な爆発が連なって、部族どもが数十人宙へ舞った。
今度は稲妻迸るレーザーが一直線と突き進んで部族どもを消し飛ばしていく。
続いて、兵士たちは素手でサッと右腕を差し出す。
「アーティファクト・シューター! オン!!」
なんと兵士たちの腕からズズズズ……と硬質的な何かが這い出てきて、それはライフルのような形をとっていく。
それをしっかり握って狙いを定めて、ダダダダンッと発砲音を響かせて岩の弾丸を斉射。
負けじと部族も「アーティファクト・シールド!」と左手から盾を生成するが、何人かが銃殺されて次々と転がっていく。
「「「うおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」」」
物量に任せて部族どもが大勢で城壁へと距離を詰めていく。
大砲やライフルでは退けるに足りない。
堅強に閉まっている扉をすり抜けるように兵士たちが大勢で飛び出してきて、生成した剣や槍で迎え撃つ。
部族どもも槍を生成して、衝突した。
「むう……、これまで部族はナノマギアなぞ頼らぬとしてきたのに……」
大柄な将軍は城壁の上から行方を見て、疑問に持った。
今までの部族なら文明利器に頼らぬ生活で自然と共に生きる。時たまに国へ襲ったりするけど敵わずにやられたりする。
そして群雄割拠と部族同士の抗争も絶えなかった。
その時は手製の槍や弓で殺傷する。
「ツチイ将軍さま、どっかの国からパクったんでしょうかね?」
「バカ言え」
確かに統一された部族が大挙して国を攻め落としていく事は聞いていた。
その時は単に、物量で物を言わせる野蛮な戦い方で国を疲弊させていって陥落させたのかと思っていた。
「我らネアンデル人の文明利器ナノマギアは、部族どもには悪用されないようになっている。我らは生まれてすぐに個々に適正する極微細のナノマギアを注入される。それによって体内を駆け巡って一体化する。こうしてアーティファクト生成して武器にしたりできるのも、そのおかげだ。奪える代物ではない」
ツチイ将軍は腕からビキキッと薙刀を生成していく。
そして全身から凄まじいオーラを噴き上げた。城壁が軋み、大地が揺れるほどの凄まじさ。
「うおおおッ!?」
「相変わらず……凄まじい力よ!」
「このように身体能力を高め、堅強な防御力でいかなる攻撃も弾くのだ。そしてオーラをも増幅させる事で爆発的に強くなれるのだ。むろん、俺みたいに類稀なる才能で鍛え上げてこそだ」
他にも何人かがオーラを噴き上げて、それぞれ異なる武器を生成して四方八方へと飛び出す。
「「「野蛮人どもッ!!! 覚悟しろおおおおッ!!!」」」
一騎当千がごときの将軍たちが部族どもを何十人も蹴散らして、それを宙に飛ばしていく。
しかも部族どもが放つ生成シューターによる弾丸をも弾きながら、将軍たちは獅子奮迅と無双していった。
「「「うわあああああああああああああああああッッ!!!!」」」
部族どもが何十人もドッカンドッカン宙へ待っていく。
「す……すごい……!!」
「俺、何も知らずにナノマギア持ってるんですよね……」
細身の将軍が「疾走せよ!! ウィンドブレイカーッ!!」と二刀流の刀で縦横無尽に駆け抜けて、部族どもを斬り飛ばしていく。
小柄な将軍は全身から様々な銃を生成して「肉片に飛び散れ!! ボミングカノン!!」と、マシンガンのように尖った銃弾を乱射して部族どもを「うぎゃああああ!!」と蜂の巣にしていく。
はたまた痩せぎすの男が稲妻迸る剣を掲げて「天空、地を穿たん!! ライトニング・サークル!!」と上空に魔法陣を生み出して、無数の落雷を降り注がせて部族どもを駆逐していく。
「あのアーティファクト……、我らのとは違う!?」
初めて見るだろうか、兵士たちは驚いている。
「ああ。鍛え上げて一定のレベルにまで上げれば、ナノマギアが我らの遺伝子を読み取って最適な固有武器と能力を生成してくれる」
「こ、これなら大丈夫そうですね」
「こっちのほうが少しずつ押していく!」
「勝てる!!」
「ああ、ナノマギアをどうやって奪ったか知らんが、取得したての土人が我らに敵うわけないだろう。なにしろ我らは四万年前からナノマギアと共に生きてきた文明人だからな」
ツチイ将軍は薙刀を振るって、三日月の刃を次々と飛ばして部族どもを両断していった。
「よ……四万年前から……!?」
「古代文明って事ですかね?」
「うむ。大昔より代々継承し続けて、我らが国を長らく平和に保ち続けてきたのだ。あの忌まわしい未曾有の大人災を教訓にしてな!」
ツチイ将軍は、歴史を学んでいて大昔に起きてきた悲惨な大人災も知っていた。
他のほとんどの文明人は忘れているが、四万年前はネアンデル人の存亡を左右するほどの大人災が起きていたのだ。
「大人災……?」
「大災害ではなくて??」
「そのせいで我らネアンデル人は地底か火星かに生活圏を分岐させなければならなくなったからな」
「そんな事が……!?」
「俺たち勉強不足ですよね……」
「教科書にも載ってたんですが、気にせずテストの点数ばかり考えてましたね」
数十万人もの部族どもが戦況的に押されているのを見て、グランドルフは寧ろゾクゾクと歓喜していく。
「善い!! 善いぞ!! 四万年ぶりだろうが、血湧き肉躍る生臭い戦争は愉しい!! 世界をも揺るがした、この超古代文明利器ナノマギア・オリジンも騒ぐわ!!」
なんとグランドルフの全身を煌びやかな最高硬度ダイヤモンドがビキビキ覆っていく。
そしてドス黒い圧倒的な威圧が大地を揺らすほどに溢れ始めていった。
誰もが怖気が背筋を走り、死の戦慄を覚える。ゾッ!!
「アーティファクト・ダイヤモンドディザスター!!」
ズ ンッ!!!!




