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354話「地下世界こと『地底境域界』の事情!?」

 東京駅付近の裏路地から行ける地底世界にはオレたちはビックリさせられたぞ。

 現実では地下空洞など存在しない。しかしプレートスライドによって、別次元を繋げる事で行ける地底空洞。

 なんでギョヌがこれを知ってたかは後で聞くとして……。


「まさか、こんな地下世界があったとは……」

「ビックリだぞ」

「ナッツさんは控えてもらえる?」


 オレの横でナッツが相槌を打つが、ヤマミは目を細めて再びチョップを頭上にペシン。


地底境域界(サブタレニアン)……。我々はそう呼んでおります」


 ギョヌがなんか独自の単語出してきたぞ。

 ここの遺跡みてーなのは転移装置みたいな感じだ。そしてギョヌが指さした先に城壁で囲む国が見えた。

 結構大きな国だとは思うが、それだけ地下空洞自体が途方もなく広大なのが窺える。

 上を見れば雲がゆっくりと流れていて、先には大地の天井が見える。


浮輪舟(チューブ)。これでいきましょう」


 なんと家庭で使われるような円形のビニールプールみたいな浮遊ボートがスウッとやってきたぞ。

 ギョヌが乗り込んで「こっちへ」と言われ、オレたちも続いた。どういう仕組みで浮いているのか知らないけど、機械とかではなさそう。相当な技術だ。

 包み込むように限りなく薄い半透明の膜が覆い、音もなく急発進して空を駆け抜けた。


 あっという間に近くの大国までたどり着き、眼下の立ち並ぶ住宅地を眺めながら城まで進んでいった。

 見た事もないような住宅地で、まるでオモチャのようなのっぺりした感じだ。

 オレたちの住んでいる世界とは違う文明なのか?


 浮輪舟(チューブ)が城の高い位置にある港のような所へ止まる。


「こちら『プラネンタ王国』の王宮です。緊急ゆえ、とある高貴な方と会わせる事になっております。そそうのないようお願いします」


 ギョヌが丁重にお辞儀する。一体何もんだよ……?

 オレは息を呑む。

 ナッツが横に並ぼうとすると、ヤマミが押しのけて並んできた。


「えー憧れてるんだけどぞ」

「あんたは後ろにいなさい」

「反対側にぞ……」


 なんか三人並んで歩き出すみたいな形になってるが、構わずギョヌの後へ続く。

 王宮へ入ると、広大に天井が高い。

 ここはピラミッドのような感じで頂上は尖ってる感じか。


「妖精王さま、ようこそいらっしゃいました。わらしはプラネンタ王国を治めるミズミール女王にございます」


 ギョヌが横へ控え、目の前にやってきたのはダイヤモンドの王冠みたいなのをかぶった女王がニコリと微笑みかけてきた。

 朱色のロングヘアーで、白いドレスにダイヤモンドの装飾がちらほら。

 そしてチラリとナッツへ視線を移す。


「こちらは?」

「緊急ゆえ追い返す事ができず同行させてしまいました。お許しを」

「クロマ人か……。まぁいいでしょう」


 女王は目を伏せる。

 なんか招かれざる客なのだろうか? クロマ人って?

 どことなく冷たい目してたな……。


「妖精王さまだからこそ、急に招待したくギョヌ将軍へお願いしました」

「ギョヌ将軍……??」

「まさか、こっち側の人間だったの?」

「驚いたぞ!? シジツたちは知らないのかぞ?」

「知らぬよ。俺のように密偵で地上で諜報活動している者も多い。素性は明かせぬものでな」



 どっかの広間へ通されて、ダイニングテーブルを挟んでオレたちは座した。

 向こうの大窓は城下町が一望できる。


「わらしはネアンデル人の文明人です。そして無法部族の活発な活動に悩まされておるのです」


 話を聞くに、地底世界といえどもネアンデル人は一枚岩ではない。

 文明人は国を作って、他の同じような国と交流したりしている。敵対国もまたある。

 地上の国々とそう変わらない情勢みたいだ。


「無法部族とは、文明を拒み自然の下で暮らすネアンデル人。それぞれに部族で徒党を組んで群雄割拠する野蛮な人種です」

「事情は分かったけど、オレたちに関係あるのかぞ?」

「一見すれば関係ないわよね」

「兵庫県で襲ってきたドリュー族と何か関係あるかぞ?」


 ミズミール女王が冷めた目でナッツを一瞥した後、ふうと一息を付いた。

 その後ろで護衛のようにギョヌが沈黙している。


「確かにこれまでなら無関係でした。今のように招待する必要はございませんでした」


 今になって呼んだって事は、なにかワケありか……?

 ヤマミと目配せする。頷いてくる。

 ナッツが意味もなくコクッと頷いてくるが無視。


「ですが、事は急を要します。群雄割拠してたはずの部族が統一されて、一つの巨大な組織になったようです」

「統一……!?」

「数多くある部族が一つの部族に?」

「天下統一だぞ??」


 ミズミール女王は唇を噛み締める。


「次々と大国が滅ぼされていってるようです。ひとつに統一された部族は何かしら巨大な力を得たようで、文明国家でさえ歯が立たない状況になっています。彼らの目的は我々文明人の殲滅です」

「……それは大変だけども」

「私とナッセだけで手に負えるものなのかしら? 数は多いんでしょう?」

「え? オレはハブられぞっ!?」


 場違いのナッツは慌てふためく。


「まだ群雄割拠してた頃の各部族はまだ文明国家の脅威ではございませんでした。しかし妙に統一された不自然さに不審があります。本来なら部族ごとにバラバラな習慣や文化があって、決して相容れぬものなのですが」

「不審……、バックに何かあるって考えた方がいいのか?」

「今はまだ分からないと見てもいいの? 隠しているとかないかしら?」


 疑いの目を向けるヤマミに、ミズミール女王は首を振る。


「心当たりはなくもないですが、確証もないので……」

「火星にいるネアンデル人とは断絶しているはずなのですがね」


 女王に続いてギョヌがそんな事を言い出してきた。

 ……火星にいるネアンデル人?


「そうです。四万年前に起きた大災厄により、我々は二つに生活圏を分岐して生き延びる事にしました。我々のように地下を基盤にした『地底境域界(サブタレニアン)』、そしてもう一つが火星への移住……」

「「な、なんだって────!!?」」

「なんだってぞー!?」


 オレたちは驚かずにいられない。




 一方で、どこかの地底境域界(サブタレニアン)にて、広大な大国が轟々と火に包まれていた。

 かつては堅強な要塞みたいな大国だったはずが、見るも影もなく瓦礫と化して、多くの人々が死屍累々していた。

 そう、周囲に押し寄せている大量部族により陥落されていた。


「ワイッショイ! ワイッショイ!! ワイッショーイッ!!!」


 それぞれ違う部族同士が勝利の踊りで歓喜しているようだ。

 それを眺める巨大な屈強な男がトカゲを食いちぎり、不敵に笑む。


地闘神(アスラリオ)グランドルフ様! これで『スパンアーシ王国』は終わりです!」

「ハッ! 次は……プラネンタ王国を滅ぼすとしようか!」


 戦意に満ちたギラギラする目でグランドルフは歓喜していく。

 グランドルフがついにマジで登場!?


 実は【第一部】のあとがき雑談に登場してたキャラなんですよねw

 当初は地下ヴィランって設定でしたねw

 参照『130話「追憶! ついに星獣へ奥義炸裂!!」https://book1.adouzi.eu.org/n7638fr/131/』より。

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