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351話「ついに登場!? 創作士会長!?」

 二〇一〇年五月二三日。


 オレはヤマミと一緒に、東京のとある塔のように高い建物の前にいた。

 創作士(クリエイター)総本山って感じの由緒正しい所らしい。

 ……なぜこんな所にいるかって? 呼び出されたからだよ。



城路(ジョウジ)さまと夕夏(ユウカ)さまですね。お待ちしておりました」


 エントランスホールへ入ると、ペコリとカウンターの人が丁重にお辞儀してくる。

 そして案内するかのように「こちらへ」と一人が先導してきた。

 長らくエスカレーターに乗って、高い所へウィーンと移動していく。


「どうぞ。粗相のないように……」

「あ、ああ……」


 周囲の壁は大窓で連ねられていて、東京都が一望できる。

 このフロアの中心の扉が左右に開く。

 息を飲んだオレはヤマミと目配せし、そこへ入っていく。ガラスの階段を登っていくと、上の階である広々とした会長室へ着いた。

 周囲はガラスの壁で、これまた東京都が一望できる。


「ほっほ、堅苦しいのはなしじゃ。英雄さん」


 社長の机ことエグゼクティブデスクに座する老人は気軽に笑ってきた。

 タレ目で痩せぎすで猫背っぽい。相当な年齢なのだが、こう見えても隙が見えない。

 思わず息を呑む。


「そうそう、ワシは創作士(クリエイター)会長である相澤(アイザワ)オキロじゃ」


 やはり、どっかで見た事のある老練な会長さんだ。

 漫画のキャラを意識してコスプレしてるとかじゃないよな……?

 ジャキガン学院も東京だし、可能性ありそう。


「わざわざ指名して呼び出して済まんかったな。個人的にナッセさんを一目見たくてのう」

「それは光栄で……」

「じゃから、堅苦しいのナシでなー」


 ウザったそうに手を振ってくる。気軽なじーさんだ。


「そんな若いのに、四首領(ヨンドン)ヤミザキやダウートをも退けるとはなー。青二才にしか見えないようだが、いずれは大物になりそうな潜在力は窺える」


 なんか見透かしてくるような鋭い目を感じる。

 傍目で見れば、ただの気軽なじーさんにしか見えないだろう。甘く見るやつはそう見える。

 全く威圧も感じさせず、その気になれば細い首をへし折れそうな気がするが、それができそうに思えない。


「ワシの威力値は五三万じゃ」


 唐突に自分の戦闘力を自白してきたぞ。


「え……?」

「ナッセ」


 ヤマミに視線を移す。コクッと頷く。

 ああ言っているが、本当の事だろう。さすがに四首領(ヨンドン)クラスとは程遠いが、威力値以上の隠れた実力が窺える。

 極限にまで研鑽し卓越したオーラが秘められているように感じる。

 ……多分二人がかりでも勝てない。


「一目見て、なるほど英雄と言われるのは理解()かると知れた」

「どうも……」


 たぶん、そっちのじーさんもオレの潜在力を察してるんじゃないか?

 こっちだってチビにしか見えないからな。

 普通なら弱そうな青二才のガキにしか見えないだろう。


「さて……お手合せしたいところなんじゃが……」スゥ……!


 静かで流れるような合掌をしてきたぞ。

 なんとじーさんを包むように巨大な偶像化(アイドラ)が浮かんできて、圧倒させられる威圧が溢れた。

 神々しい黄金の千手観音菩薩のようなビジュアルながら、弱肉強食を旨とする貪欲な双眸を見せるなど相反するものが窺えた。

 より強いものと()り合いたいという欲望……、それが具現化されている。


 ズオオオオオ……!!


 なんか一の掌、二の掌とか繰り出すんかな? 百式なんちゃら?


「試合でも勘弁願いたいぞ」

「なんじゃ。つまらんのう……。千式観音組手でやり合いたかったがのう。やはり妖精王は闘争心うっすいわい」

「知ってたのね」


 偶像化(アイドラ)を霧散させ、退屈そうな顔を見せるじーさん。

 千式観音ってたから、やっぱ百式なんたらと同じじゃん。


「マイシちゃんとかみたいに闘争心激しくないと、張り合いがないわい」


 やる気を失ってくれたからこれだけど、実際やり合ったらコテンパンに負けそうだな。

 ってかマイシの方を呼べよって思う。

 実力的にオレと同等なんだし、なんでこっちを呼んだんだよ?


「まぁ、さておき。今後、これから嫌な予感がするものでな……」

「嫌な予感?」

「うむ。地底人ことネアンデル人やら天王星の『鏡面世界(ミラーワールド)』やら、不穏なものが燻っておる。きっとお主らはそれと関わる事になるだろう」


 なんか確信しているような目してるけど、嫌だなぁ。


「オレは異世界へ行きたいから、そんなトラブルに巻き込まれたくねぇけどな」

「ホントそうね」

「きっと『大災厄の円環王マリシャス』がお主に嫌がらせしてるんじゃないかと思うがな」

「あ……!」


 一番腑に落ちた気がした。

 オレとクッキーが『世界樹ユグドラシール』を創り出してしまって、そのせいで侵略できなくなって『鍵祈手(キーホルダー)』の魔王化がなくなっちまったからな。

 今ではそれくらいしか嫌がらせできないって事か?


 ナッセは知らない事だが、例の『キュータロー』や『聖愛(セイハート)』関連も嫌がらせとして因果を組み込んだが、無意味に終わったのである。

 普通に展開されていたら、厄介な事になってたであろう。

 やっぱ世界樹ってチートでTUEEEEEEEEEな件!!


「なんにしてもウザったいわね」

「コホン、ともかくじゃ……。火星が絡むと厄介でのう。気を付ける事じゃな」

「……火星?」

「政府公認の最重要保護センターでも情報がなかったわね」


 オキロ会長は頷く。


「実際、閉鎖的な惑星じゃし、あそこで何かが起きとるか分からんでな……」

「木星絡みのヤバイのあったし、これ以上はゴメン被りたいがな」

「死ぬかと思ったからね……」


 四首領(ヨンドン)ダウートの絶望感と言ったらありゃしない。

 ことごとくやつの策略に翻弄されてたし、一歩間違えれば地球終わってたぞ。


「じゃが、全力で楽しめ。お主の大冒険じゃろ?」


 じーさんはニッと笑う。


 なんとなく分かる気がする……。

 辛く嫌な事ばかりとネガティブになってたらマリシャスの思うツボかもしれない。

 一生に何度奇想天外な冒険が起こるか分からない。

 そんな冒険を楽しむ事でマリシャスへの対抗と思えばいいかもな……。


「ああ!」


 オレは力強く頷いた。

 そんな様子に満足したか、オキロ会長は「そんじゃ世界回っていくから、地底とか火星とか頼むわ」とバイバーイしてきた。

 なんか(てい)良く押し付けられた気がしなくもない。


 オレとヤマミはその後、大阪へと帰っていった。

 次で新章が始まります!!

 お楽しみに!

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