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320話「冒険浪漫譚の終わり!? そして?」

 まさかのナッツとテンスケコンビが、地底人であるドリュー部族のモグチャを沈めたのだ。

 彼らは仮にも連覇優勝校の生徒。

 一軍レギュラー陣と比べれば全然大した事はないが、並の学院ならばエースを張れるほどだ。



「これは驚いたぜ……。あたしたちに切迫してるじゃねーか……」


 ジュミは頼もしいと笑む。

 しかしギョヌはピクッと反応し「待て! まだだ!」と警戒を促す。

 ナッツとテンスケの背後からヌウッとモグチャが立ち上がってきて、その巨躯が聳えた。


 ズウゥゥ~ン!!!


「げっへっへ~! クロマ人もなかなかやるでないかぁ~!?」


 汗を垂らしナッツとテンスケは見開いた。


「こいつ……まだ立てるのか!!?」

「頑丈すぎるぞ!!」

「気をつけろ!! ネ……地底人は妙に硬い! ナ……なにか術を使ってるやも知れぬ!」


 ギョヌが歯切れ悪い注意を促してきた。

 どういう理屈か分からないが、地底人は頑丈のようだ。

 シジツたちも前に戦った事があり、その頑丈さに苦戦させられていたみたいだ。


「いくぞおおおぉ~~~~!!!」


 モグチャが駆け出し地面が爆ぜる。ナッツとテンスケは共に得物を振るい、それは斜交(はすか)いした。

 ガッとみぞおちに炸裂! しかしモグチャは平然と進撃をやめない!


「効くかぁ~!!」

「ぐっ!」

「うおおっ!!」


 押し切らんとモグチャが迫り、大きな両手でナッツとテンスケを掴まんとする!


「シアアアアッ!!」


 しかしシジツが気合いを発して炎をまとった金棒を振り下ろして、三撃同時炸裂!!

 さしものモグチャも勢いを頓挫。グググ……ッ!

 そこでは終わらず、シジツは笑みながら「地獄金棒・弐の型……」と呟く。


「紅蓮爆葬!!!」


 なんと金棒から『炸裂(バースト)』が発生し、大爆発して巨躯のモグチャさえ数メートル吹っ飛ばす。

 ナッツとテンスケとシジツが見据える先で、モグチャは仰向けに倒れた。ドシャッ!

 煙幕が立ち込めていく。


「今のは……まさか!? くろうにの!?」

「そのまさかだ。くろうに刀心伝のラスボスが使っていた秘剣を参考にした」

「ラスボスの弐の秘剣、紅蓮爆手か!!」

「おう!」


 本当は火薬を忍ばせた手袋で敵を掴んで、刀でそれを突っついて誘爆して倒すというロマン技なのだが……。


「カッコイイぞ!!」

「ラスボスっぽいでござるな!」

「いや、それほどでも……」


 ナッツとテンスケに感激され、シジツもちょい照れる。

 憧れた漫画の技の再現は誰もが夢見るからだ。

 ギョヌは「まだ倒していない!!」と叫び、それに反応したかのようにモグチャが頭を振りながら起き上がる。

 痛みもないのかニッと笑ってくる。


「やはり……、地獄金棒・弐の型でさえ効きづらいか……」

「ならば! 昇龍秘剣流しょうりゅうひけんりゅう──!」


 テンスケは刀を正眼に構え、地面が爆ぜるように蹴った。ドウッ!!

 あちこちで飛沫を上げて、九人に分裂したテンスケが四方八方から渾身の一撃を喰らわす!!

 超神速を活かしての、同時かと思うほどの分身攻撃ッ!!


九頭龍迅(くずりゅうじん)ッ!!!」

「──そして城山式(ジョウヤマしき)スターライト・流星進撃(メテオラン)!! 二十連星ッ!!!」


 九撃の後、ナッツも畳み掛けるべき精一杯連続攻撃を繰り出した。


「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、十一、十二、十三、十四、十五、十六、十七、十八、十九、二十ッ!!」


 はたから見れば死に物狂いで数えながら滅多打ちしてるようにしか見えないが、それでも痛い。

 モグチャは全身に浴びながら後退していって「がはぁッ!」と、白目で吐血。

 しかしズザザッと地面を滑るも踏ん張ってこらえられてしまう。


「この貧弱なクロマ人どもが……ッ!!」

「これで終いだ!! 受けろ!! 地獄金棒・参の型……!」


 モグチャは見開く。シジツは金棒をブンブン回転させる事で獰猛な火炎の竜巻が猛威を振るっていた。

 遠心力を思う存分つぎ込んで横薙ぎ一閃した。


「獄炎竜巻葬ッ!!!」


 モグチャの脇にインパクトすると、火炎の竜巻がまとわりついて貪りつくさんとする。

 さしもの頑丈なモグチャも「グアアアアアッ!!!」と燃え盛る炎と一緒にもがき続ける。

 死に物狂いで土の中へ掘って潜ろうとする。モグモグ!


「おっと、それは愚策だぞ。なぜなら俺の獄炎は貴様の脂を養分に燃えているからだ」


 案の定、土の魔法か何かで掘っていったら「ぐわああ~~ッ!!!」と穴から炎が吹いてしまう。

 狭い洞窟の中では熱量倍率ドン更に倍!

 自分から(かまど)の中へ入って焼かれるようなものだぞ。


「終わったようだね」

「ザコ狩りだと思って一匹出てきたのがやつの運のつきさ」


 セコはハルバードの先端を地面にドスンと下ろし、安堵する。

 ジュミは腕を組んだまま不敵な笑みで、煙幕を噴く穴を見下ろす。




 その後、穴があいてしまった道路にパトカーが集合し、なんか調査を始めたらしい。

 掘られた穴はわずか五〇メートルまでで、その奥で大男が焼死体となって見つかったそうだ。

 それは瞬く間にニュースになって、地底人の存在がより明るみに出てしまった。


「前々から、地底人がゲリラ戦を仕掛けてて分かりにくかったが、もうこれで創作士(クリエイター)たちにも広まるだろう」


 シジツたちとホテルの部屋でナッツとテンスケと一緒にテレビを見ていた。


「お主らはこれから帰るのか?」

「ああ」

「ナッセに会いたかったが、また機会を改めるでござるよ」


 ギョヌに聞かれ、ナッツとテンスケは快く笑う。


「おい、おめー! ナッセのコスプレやめんじゃねーぞ? おもしれーからな!」

「えー……」


 ジュミに気に入られたからか、ナッツはウンザリした。

 テンスケは笑む。


「拙者も最後まで平成の志士として、不殺(ころさず)の信念を貫き通すでござる」

「そんなら、逆刃刀持ってから言ったら?」

「うっ……!」


 ジト目のセコに突っ込まれて、テンスケは仰け反った。

 腰に差しているのは普通の刀に変形させたブッキーで切れ味は鋭い。故に殺傷能力は高い。


「そういうな。俺も似たようなもんだ。形だけでも、戦意を鼓舞させるものがあるからな。はっはっは」


 シジツはおおらかに笑う。


 なんか彼らとも仲良くなってしまい、別れを惜しむ事になった。

 ナッツとテンスケは携帯番号を交換し、昼間頃にバイバーイと手を振りながら三宮駅へ入っていく。


「面白い奴らだったな」

「うむ」

「あいつらも骨があるしなー。もう少し遊びたかったぜ」

「だね……」


 シジツ、ギョヌ、ジュミ、セコは三宮駅をしばし眺めた。


 ナッツとテンスケは電車に乗って兵庫から大阪へ目指す。そこから東京までの新幹線へ乗り換えて帰っていった。

 流れる景色を眺めながら、感無量(スッキリ)な気分でナッツとテンスケは寝入った。

 これで彼らの冒険は終わり……かも?




 その夜、ギョヌが空に浮いていて風によって衣服や髪が揺れる。

 両目を隠していたバンダナを取ると、赤く輝く魔眼があらわになったぞ。


「……通称地底人こと、ネアンデル人が活発化している。特に部族どもが地上侵略しようと蠢いている。マズイな……。火星にいる“火闘神(カヴァリン)”勢力に勘付かれでもしたら……地球まで戦禍に巻き込まれかねん!」


 ギョヌは月のように大きく浮かぶ赤い星を見据えた。


火闘神(カヴァリン)マルス……!! 五領主(ゴロード)ッ…………!!!」


 情報量が多いセリフを吐き、ギョヌはフッとかき消えた。

あとがき


 まーた設定いろいろ混ぜ込んで、カオスにすんのかよーw

 地底人=実はネアンデル人=なんか火星と関係ありそうっぽいw


 ちなみに月のように火星が大きく映るみたいな描写してますが、物語的な演出ですw

 本当はそこまで大きく見えませんw

 他の星々よりちょっと大きい程度ですw


 このようにデタラメに風呂敷広げてるように見えますが、キッチリ個別ずつ解決していく予定ですw

 その為に事前にプロットまで書いてましたしw


 どんな風に物語が展開されるか、お楽しみに……w

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