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311話「緊迫! 四首領の会合!」

 二〇一〇年五月一日──。ゴールデンウィーク。


 オレとヤマミは、四首領(ヨンドン)ヤミザキに呼ばれて、急遽夕夏(ユウカ)家総本山へ着いた後に一泊。

 その翌日に時空間魔法で、イタリアの首都ローマへ連れて行かれた。

 五月三日となる日に、日本の四首領(ヨンドン)ヤミザキは、二代目総統ダグナ、その他王子たちと一緒に、オレとヤマミを引き連れて会合へ赴く事になる。


「うへぇ……立派なところだなぁ……」


 初めて見るが、巨大化した宮殿みたいな感じで天井が高くて巨人でも住みそうな広さだったぞ。

 廊下を歩いているのだって、こんな広々とした通路は見ない。

 ……そしてどこか重々しい威圧が感じ取れる。


 ついに大広間へ出たと思ったら、三人が待っていたぞ。


「あ!」

「む……!」


 ダウートがこちらを見るなり怪訝に目を細めてきた。

 後方に八武衆(アート・ディコイト)が七人いた。一人は土星人のスパイだったからいない。

 ディアルフが「あひゃひゃっひゃ!」と明るく笑ってた。

 サマァツが「勝負しようぜ!」と意気込むが、ウェールザに「やめておけ」と締められる。

 相変わらずだなぁ。



「なんじゃ! 久しぶりに会ったのう。へっはっはっは」

「ど、どうも……」


 笑うヘインと、後方で控える七皇刃(ロイヤル・セブンズ)も見知っている。

 ヤミザキとの世界大戦で共闘した仲だからなぁ。

 完全な仲間というワケではない。半分敵みたいなもんだ。たぶん。



 あとは……もう一人知らない四首領(ヨンドン)の一角。

 金髪ロングで白いローブを纏う美女。しかし身長は四メートルとダウートに次いで大柄だ。

 巨人族??


「あのお方が、ローマの四首領(ヨンドン)エレサよ……」


 萎縮(いしゅく)して息を飲んでしまう。

 教えてくれたヤマミですらオレと同じ状態だ。


「あなたがかのナッセ君ね。噂はかねがね聞いてるわ。……未来の四首領(ヨンドン)候補と(ささや)かれてるのも、あながち嘘じゃないわね」


 冷たい視線に笑み。

 するとヤミザキが「そうビビらすもんでもないぞ」とかばってくれた。

 エレサは「期待してるからよ」と社交辞令でニッコリ微笑む。



「四人……揃ってるわね……」

「あ、ああ。まさか……四首領(ヨンドン)全員揃ってるの見るのは初めてだぞ……」

「ええ」


 緊張もするよ。なんかビリビリ大気が(ひし)めいている気がする。


 日本の総統ヤミザキ。

 アメリカの皇帝ヘイン。

 ローマの教皇エレサ。

 インドの英雄ダウート。

 どいつもこいつも凄い大物だ。全員、威力値が一〇〇万オーバーの猛者。

 初めて見るエレサですら、どうやったって勝てる気がしない。


 なんで夕夏(ユウカ)家に関係ないオレを呼んだのか、今も分からない。

 ヤマミはヤミザキの娘だから分かるけど……。



「では会合を始める……」


 四首領(ヨンドン)たちは囲むように席に着いて、オレたち幹部などは後方で立っている。

 なんか難しい話をしている間も、オレはカチコチしてるぞ。

 二代目総統ダグナもコクアもみんな固まったかのように静かに立っているのが、余計に場違いを噛み締めてしまってる。


 な、なんでオレも呼んだんだよ? 帰らせてくんねぇかな?


 するとヤマミが見かねたのか、オレに寄り添って「大丈夫」と囁く。

 彼女の腕がオレの背中から抱きしめているのでホッとする。


「さて、望み通りにナッセを呼んだが……」


 ギクッと竦む。


「へっはっはっは! まぁ、一応ワシら三人とも戦っておるからのう」

「あァ……、()は話にならねェな」


 笑うヘインと、ぶっきらぼうなダウート。


「この目で見て確信したわ」


 冷たい目で見据えてくるエレサ。心まで射抜かれそうだ。

 ヤミザキは「何を?」と振る。


「ダウート殿の言う通り()は話にならんが、今から七年後か九年後もすれば四首領(ヨンドン)クラスに成長するわね。もちろん鍛錬を怠らなければね。確かに次世代(ジェネレーション)の超新星(・スーパールーキー)よ」

「直に戦った経験じゃァ……六年後だァ……」


 エレサとダウートの言葉にヘインもヤミザキも頷く。


「ってぇ、待て待てっ!!」


 ダウート側のサマァツがカッカして拳を振り上げてきたぞ?


「俺は!?」

「場違いは引っ込んでなさい」


 エレサに塩対応され、サマァツは「このアマー!」と激怒するがウェールザにキュッと絞められて「グエー」と気絶。

 オレは呆然してしまう。

 サマァツだって、オレと勝るとも劣らぬ実力者。戦えばどっちが勝つか分からない。


「今回、ナッセ君を連れてきて感謝する。この会合に来た甲斐があったわ」


 なんか知らんけどエレサに一目置かれているって事なのか……?

 サマァツとで対応が全然違う。


「へははっ! 四首領(ヨンドン)候補が日本に偏っているのが気になるがのう」

「……ふむ。ナッセ君、ヤマミ君、リョーコ君、そしてアクト君の四人。次点でマジンガ君ね」

「アクトはインドを見限っているからなァ……」


「え? マジンガさんはともかく、なんでリョーコが??」


 つい突っ込んでしまい、ヘイン、ダウート、エレサに注視される。あわわ!


「ナッセ君。いずれ気づくと思うぞ。とてつもない潜在力を秘めているからな」

「ヤミザキさん……?」


 なんか四首領(ヨンドン)は気づいているみたいだけど、リョーコにすげぇの秘めているって事か?

 つーか、なんか察しレベル高くない?

 四首領(ヨンドン)だけあって洞察力もすげぇ高レベルって事なんかな?


「ヤミザキ殿、例の『アナザー』の件だったね」

「うむ」

「へははっ! 同一人物が複数存在するという噂かの」

「その事について、新しい情報を報告したいと言っていたなァ……?」


 ヤミザキはコホンと咳払いする。


「実は……」


 ──ローファンタジー編の『149話「征服の予兆……!!」』より抜粋。

『https://book1.adouzi.eu.org/n7638fr/150/』


 夕夏(ユウカ)家の広い情報網により『アナザー』の件も捉えていた。

 どういうワケか、同一人物っぽい人間がこの世界に紛れ込んでいる。彼らはこの世界の人間と似た容姿を持つ。

 こちらの世界では白い肌の明るい人なら、向こう側は褐色の暗い人と()()()()()()みたいな感じだ。更にクラスや性格も違ったりする。

 そいつらはどこから来てどこへ消えるのか、未だ不明……。


 もしかしたら『空想(ファンタジー)』の進行による怪現象なのか…………?


 ──以上。



「確執中、ヤマミのアバター能力を一目見て確信したのだが……」


 オレはヤマミへ振り向く。

 そういやヤマミの妖精王能力『ブラックローズ・アバター』で本物(オリジナル)そっくりの分身を出せるんだったっけな。


「なんじゃ! まぁ、そういうものだと思ったぞ!」

「あァ……、確かにそれで一杯食わされたっけなァ……」


 おおらかなヘインはともかく、ジロッと睨んでくるダウートにはビビるぞ。


「待て! ヤミザキ殿の話は終わっておらん」

「うむ、まだだ」


 エレサは制止の手をかざし、ヤミザキも頷く。


「それとは別に、そういう現象が“まだ”起きているのを目撃した」

「では“アレ”はヤマミとは関係なかったのね」

「む、そちらも……?」

「うむ。やはり“天王星”からの現象か……?」


 エレサが真剣な顔で呟いたのが気になった。

 そういや、太陽系惑星で地球以外にも生命体がいるって話だったな。

 木星に土星、そして天王星まで……?



「しかしそうかヤマミ君も類稀なる潜在力を秘めておるな。我が国でも逸材はいるが、彼女ほどの者はいないわ。(うらや)ましい限りね」


 エレサは冷静に物事を見極めるキャラみてーだな。

 彼女が言うと信憑性が高まる。

 しばらく討議などが何時間も繰り広げられて、夕方頃に終わったぞ。



 イタリアの首都ローマでの高級ホテルの一室でぐったり。ヤマミも疲れた顔でため息。


「あー! つかれたー!!」

「ホントにね……」


 オレはふかふかなベッドに寝転がりながら天井を眺める。


「しかし四首領(ヨンドン)エレサかぁ……」


 成り行きで敵対しなかったヘインはともかく、ヤミザキとダウートとはバリバリ敵対してたから、スゲー恐ろしいの知ってからなぁ……。それと同格か。

 今回は敵対するというパプニングがなくて安心したぞ。


 イタリア旅行を堪能した後、ゴールデンウィーク最終日五月五日に日本へ帰国したぞ。

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