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307話「ミキオとサラクの因縁に決着!?」

 学院の帰り、フクダリウスは待っていたキンゴローの元へ歩んでいく。

 それをオレたちは見届けた。


「お師匠さまーって言ってたぞ」

「なんだかんだ事は収まりそうね」


 友達ができたかのように嬉しそうなキンゴローに、ホッとする。



「リア充先輩、ツラぁ貸せ!」


 振り向けば、サラクがふてぶてしい態度をしていた。

 ついヤマミと顔を見合わせる。


「ケンカしてぇんなら他をあたってくれ」

「おいおい。俺ぁ、まるで誰にでもケンカふっかけるような人間に見えるのかよ?」

「そう見られるのが問題でしょ」

「ミキオが悪いんだよ! ちょい万引きしたぐれぇで」


 ピクッとオレは反応した。


「万引き悪い事だろ! 魔界へ行っちまうぞ?」

「あ? 英雄さんもイイ子ちゃんかよ? ははっ」


 やっぱ合わねぇ。適当にあしらうしかねぇな。


「そのイイ子ちゃんと関わらねぇ方がいいんじゃないのか?」

「はん、言うねぇ」


 ニヤリと口角を上げて首を傾げた。

 サラクは自分の頭へトントンと指差す。何もない。


「例のカルマホーンって頭から生えるんだろ? 生えて伸びきると魔界オンライン行きになる。それにビビるヤツ多いって話だしな」

「知ってたか……?」

「だからって万引きでチキンレースでもやってるつもり? 子どもね」


 しばしヤマミとサラクが睨み合う。

 とはいえ、サラクもカルマホーン生えてねぇって事は根っから悪いヤツじゃないって事か?

 つか、チキンレースってより……。


「魔界オンライン楽しそうじゃん? ずっとケンカできるって噂があるからよ。ログインするにはどうやったらいいんかねぇ?」


 まさか魔界オンラインへ行きたいっていうのか!?


「知ってるでしょ? 万引きに限らず、欲望のおもむくままにやってればカルマホーンが伸びて魔界オンラインへログインできるわ。ただし戻ってこれない」

「そう、そこだよ」


 なんとサラクが指差してくる。


「聞いた話じゃあ、オカマサとドラゴリラってヤツは魔界オンラインへログインしたっていうのに、なぜか現世へ復帰したって言うじゃないか?」

「あ、そういえば……」


 ヤマミがオレの手を掴んできたので振り向くと、首を振ってくる。


 そう、実はオレが奥義を繰り出して浄化する事でオカマサとドラゴリラがログアウトできたという話。

 この前例があるのをサラクはどこからか嗅ぎつけてきた。

 それで魔界オンラインを自由に出入りできるパトロンがいればと考えた。

 多分、サラクはそれを頼もうって魂胆だろう。


「そこで先輩なら知っているんじゃねーかって……」

「知らんぞ。オカマサとドラゴリラがどうやって出てこれたかも」


 突き放すように言い放ち、笑みを浮かべていたサラクを仏頂面に戻した。


「ログインしたいならどうぞ。私は止めないし、出る方法を知っていても絶対教えないわ」

「ああ。悪いが、知らねぇもんは教えられねぇ」

「チッ! 本当に知らねぇんかよ……。つまんねぇ。じゃあな先輩」


 食い下がるかと思ったら、あっさりサラクは諦めていった。

 すると入れ替わるようにミキオが後ろから走ってきた。目ざとい顔をしている。


「あんた、アイツと何話してた!?」

「魔界オンラインを自由に出入りできる方法が知りたかったみてぇだ。知らないって言うと帰ったぞ」

「ふーん……。でもサラクは俺がやる……。あんたらはすっ込んでろ!」


 ギロッと睨んだ後、そのままサラクが去った方向へ走っていった。

 思ったより笑えねぇ後輩だなぞ。やっぱ曲者ぞろいだ……。

 どうすんかな?


「急ごう! なにか面白い事が起きそうだわ!」

「え?」


 唐突にヤマミが妙な事を言い出してきてビックリしたぞ。面白い事?




 追いかけてきたミキオがサラクの背中を見つけると「おい! 待てよ!」と叫んだ。

 人気のない狭い路地裏で二人は対峙した。

 サラクは白けた顔で振り向く。


「おーおー熱烈な追っかけさんだねぇ。正義サマ?」

「あんたっ! 魔界オンラインへ行きたいんだって!?」

「そんなん俺ぁの勝手だろ」


 サラクは不機嫌そうに目を逸らす。

 そんな態度にミキオは拳をプルプル震わせる。


「ムカつくよ! あんたいっつも自分勝手ばかり!」

「あっそ」


 そんなん知るかよ、と冷めた目のサラク。

 彼の家族はカルト宗教にどっぷりハマっていた。借金してまで変なツボとか買って、貧乏暮らし。

 小さい時からサラクは親に蔑ろにされて、やさぐれていった。

 そんな折、カルト宗教の連中が魔界オンラインへログインして壊滅した。

 依存していた両親は絶望してサラクを残して自殺した。


「どうして、そんな自分を大切にしねぇんだよ!? 魔界オンラインへ行ったって、お前の為にならない!」

「うるせぇ!! お前に何が分かるッ!!」


 ブッキーを取り出して槍に変形させて構えてくる。

 ミキオもブッキーを取り出して剣に変形させ、ともに睨み合う。


「俺ぁ、カルト宗教に家族を奪われた!! 一人で生きていくしかなかったんだよ!」

「サラク……!!」

「ああ、知ってるよ! 本当は知ってるんだよ!! 万引きなどしなくても『洞窟(ダンジョン)』潜って適当にモンスター狩っていけば生活費に困らないという事もなッ!」


 槍を振りかぶって飛びかかり、それをミキオが剣で防ぐ。ギィン!


「じゃあ、なんで!?」

「万引き繰り返しゃ、カルマホーン生えるんだろ?」


 激しく攻防の応酬を繰り返し、ガギンギンッと激突音が鳴り響く。

 しかしサラクの方が強いらしく、ミキオをギンッと強引に弾き飛ばす。

 弾かれたミキオはスザザッと足を滑らしながら踏ん張る。


「好きで万引きしてたんじゃなかったんだね……」

「うるせぇ……。この気持ち、どこにぶつけりゃいいんだよ……。魔界オンラインへいっそ堕ちれば、それで紛れるんじゃないか」

「ダメだ!! 俺はどうするんだ!!」

「あ……?」


 悲しげなミキオの訴えたい顔にサラクは戸惑う。


「お前なんか知ったこっちゃねぇ!」

「お前はそれでも俺は納得しない!」


 ミキオが剣で斬りかかる。サラクは槍を構えて迎撃しようと腰を落とす。


「俺はあああああああッ」


 必死な顔で走ってくるミキオに、サラクは戸惑っていく。

 剣と槍が斜交(はすか)いし衝撃が広がる。ガギィンッ!!

 すかさずミキオは槍を掴み動きを止めて、サラクの唇に食らいついた。


 ズキュウウゥンッ!!


 な、な、なんとぉ────!!?

 ミキオがサラクへ情熱こもるキスをぶちかましたぞ────っ!

 さすがMIKIO! 普通できない事を平然とやってのけるだァーッ!


「んぐっ!? な、何をするだァーッ!!?」


 突然の事に怒りで叫ぶサラクに構わず、ミキオはギュッと両腕で抱きしめて再びキスをぶちかます。


 ズキュウウウウウウゥンッ!!!


 熱く燃え上がるような情欲が伝染し、サラクの荒んだ胸中を洗い流す。

 一旦唇を離し、ミキオとサラクは近距離で見つめ合う。唾の糸が二人を繋いでいる。


「サラク……!! 本当はお前を一目見て好きになったんだッ!!!」

「みっ、ミキオッ……!?」

「だから……いなくなっちゃイヤだ!! イチャつけないじゃんか!」


 家族を失った為に愛情を受け付けなかったが、いつも突っかかるミキオの本当の気持ちを知って再び愛おしい気持ちが湧き上がる。

 再び唇を重ね合った。今度はサラクも受け入れてのキスだ。


 くちゅくちゅぺろぺろすっぽんすっぽんちゅるるるるぽっ!!!


 サラクは熱い涙を流し、ミキオの愛情に心を委ねていった。

 二人は濃厚なキスで交わり、熱々とハートマークの嵐が吹き荒れていったぞ。

 それをオレたちは物陰から見届けた。


「もはや相思相愛になったわ。これで万事解決ね。ふふっ」

「え────……」


 満足気なヤマミに、ナッセはジト目で肩を落とした。



 後日、ミキオとサラクが明るい笑顔で仲睦まじく通学するのを見かけるようになったぞ。

 事情知らん人からすれば親友にも見えるんだろうが、イケメン同士の恋人関係である事はあの件で知っている。

 カグイヤーンが鼻血流しながら「おお……眼福じゃ……」とハァハァ興奮していたそうな。


 初のBL(ボーイズラブ)カップル爆誕っ!!!!

あとがきw


 イケメン同士のカップルがまさかの誕生!?

 意外な攻めのミキオと受けのサラク! まさかの組み合わせ!!


 ……同性カプといってもオカマサとドラゴリラはイケメンじゃないので除外だ。

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